【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

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116 カナと琴音の海水浴

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 カナは琴音に引きずられ、海へ来ていた。

自分は、大学受験の予定がないからいいだろう。琴音はこれで大学へ進学するつもりだ。

いったい何を考えているのかと思う。

何も考えていない、が正解かもしれない。

「カナ、魔法でイケメン選抜してくれない? 
そしてチャームの魔法で、琴音様の前でひざまずかせて……」

「私は大した魔法使えないこと知ってるでしょ? 
それに、こっちで魔法をつかったら、回復に時間がかかることも知ってる。
緊急事態以外使う気はないよ」
 カナはあっさりかわす。琴音がマジで言ってないことを知っているから。

琴音は〇チューバーへの道を断念した。あれほどの騒動を引き起こし、さすがに怖くなったとのこと。

だが、「次の手段を考える」とも言っている。いったい何を考えていることやら。

「ねえ、カナ。旦那、ちょっぴり貸してくれない? お肌がね、これこの通り」
 カナは羽織っていた白のパーカーを脱ぐ。

「立派に乙女のやわ肌じゃない。貸さない」
 カナは再び流す。

「あんたさ、どの肌さげてそんなこと言ってんの? 
それに、起伏に富んだナイスボディー、いつからなのよ。
びっくりした」
 それは琴音の本音だった。俊也のスペシャルサービスで、琴音の肌は、自分でも見とれるほどの美肌となっていた。
ところが、一皮むけたら元通り。もちろん、十八歳にふさわしいやわ肌であることは間違いない。

だが、ビキニ姿になった、カナのお肌ときたら……。

それに、おっぱいの形、腰のくびれ、お尻の形、太腿の肉付き、すらっとしたふくらはぎ。
どこのセクシーアイドルだよ、と言いたくなる。

年齢もあるだろうが、最大の原因はあの男。あの男はせっせとカナを磨き上げている。
自分の思うとおりの体に。そうとしか考えられない。

「いつからって、そんなの決まってるじゃない。
するたびに磨かれてるのがわかる。
きぬぎぬの朝のシャワー、鏡見るのが楽しみで」
 カナは、しれ~っとのろける。

「言ってろ!」
 ぐわし! 琴音は右手でカナのおっぱいを揉む。

「もう、ゆうべ……んだからやめて」
 そうですか、ゆうべしたのですか。

くやし~!

「旦那、今どうしてるの?」
「ある物を仕入れにアメリカへ行った」
「ある物?」

「日本では思い切りヤバい物。
聞かない方が幸せよ。さあ、海に突撃だ~!」
 カナはビーチサンダルを脱ぎ、焼けた砂浜を走り始めた。

「ちょ…待ってよ~…って、アチ、アチ、アチー! 
あんた、よくこんな砂の上、はだしで走れるね~! 
待ってよ」
 琴音はビーチサンダルをはき直し、カナの後を追った。

あいつめ、アメリカに発つ前、足の裏までなめてもらいやがったな! 

あの感覚、恋しいよ~! 

琴音の体は、まだ覚えていた。マジで「全身隈なく」の快感を。

琴音は内心恐れていた。自分に恋人ができてセックスしたら、満足できるだろうか? 
多分「全身隈なく」なんて、普通の男はやらないだろう。
やってくれたとしても、絶対あんな感じにはならない。

カナめ~! マジでダンナ、食ってやる。
酒井君にも振られちゃったし。

酒井君とは、カナに淡い恋心を抱いていた男の子。実は琴音もちょっぴり気があった。

カナが収まる所に収まったので、ならば、この夏こそ、と海に誘った。

「ごめん。受験生だから」
と断られ、腹いせにカナを引っ張ってきたのだ。


「ねえ、君、一人?」
 あら、イケメン……。琴音は海から上がってきた男に、声をかけられた。

「友達と二人ですぅ~」
 琴音は、さりげなく両方の二の腕で、おっぱいを強調する。

「そうなんだ! 俺らも二人。ヤロー二人じゃつまんなくて。
いっしょに泳ごうか?」 
 よっし! ヒット!

「いいですよ~。カナ、この人たちと泳ごうよ!」
 琴音は、波打ち際まで足を進めたカナに呼びかける。

カナは振り返り、男二人と琴音を見る。

なるほどね……。一方は琴ちゃん好みのイケメンだ。付き合ってやるか。カナは三人の方へ引き返した。


 琴音は狙いの方の男を誘って、楽しそうに戯れている。
必然的にカナは、大人しそうに見える、もう一人の男と取り残された。

「最初に言っておくけど、ごめんね。私、婚約者がいるの。
琴ちゃんはフリーだけど」
 その男は、あからさまに肩を落とした。その男の本音を言えば、二人とも当たりだけど、大当たりの方が残った。
うまくお友達になれたらいいな。

そして、もっとうまくいけば……。妄想をふくらませていたところだった。

「だからごめん。名前は?」
 カナは自分の余裕が、内心意外だった。きっと収めるべきやつを、何度も収めているからだろうと思う。

つまり、この人と付き合うつもりは、さらさらないから、他人事でいられるのだ。

「小林雄一。皇都大工学部二年」
 緊張しまくっていた雄一は、逆に緊張がとれた。

やばい、手が届くかも、と下心たっぷりだったから、口も体も凝り固まっていたのだ。

「ふ~ん。私はカナと呼んで。悪いけどケー番なんかは教えられない」
 カナは、雄一に笑顔を向ける。雄一はどきっとする。

キャワユイ…、っていうか、オトナ? 

同い年か少し下に見えるけど……。まあ、婚約者がいるなら当たりまえか。

何度もやってるんでしょうね~……。

悔しいです!

「カレシさん、どんな人なの?」
「どんな人と聞かれてもね。超スケベな人」
 雄一は、思いがけない回答に大笑いしてしまった。

「ハハハ、そうなんだ? 俺もスケベさには自信ある方だけど」

「でしょうね。私の胸元、チラ見する目が、ヤラシーと思ってた。
だけど、こんな水着着てるんだから、女が怒るのは筋が違うと思う。
男の人はヤラシーのが当たり前。
その点理解はあるから」
 
理解しなきゃ、しょうがないんだよね、とカナは内心言葉を補う。

「理解? まさか……」
 雄一の目は、思わずぎらり。カナは当然気づいた。勘違いさせちゃったようだ。

「ごめんね。あっちの方は十分満たされてるの。
ゆきずりなんて絶対いやだから。
ヤラシー目で見られるのは、仕方ないということ。
実践はお断り」
 雄一は再びがっくり。

「ねえ、聞いてもいい? 男の人って誰でもいいの? 女なら」

「ゆきずりなら、多分そうだろうね。付き合うとなったらそういうわけにいかない」
 雄一は正直に答えた。

「ふ~ん……。思ったよりまともな人だね。ゆきずりで変な女に引っかかっちゃダメだよ。
たとえば、私みたいな女。
こんなことができちゃうの」
 カナは指で円を描き、手のひらを当てる。

「ウオーター」
 バシャ! 雄一の体にバケツでふりまかれたように水が浴びせられる。

「あ~! あんた、あの……」
 雄一は気づいた。あの動画は何度も見たから。

「そうよ、あのカナ。こんな変な女、関わらない方がいいよ」
 カナは雄一のために魔法を使った。

カナは自覚している。自分はすでに普通の男と、生きていく世界が違っているのだ。

「もう一人の人、内緒にしておいて。琴ちゃん、あの人がお気に入りみたいだから。
安心して。琴ちゃんは魔法全然ダメ」
 カナはそう言って、海の方へ歩いた。雄一はどうしようかと思ったが、とりあえず付いていった。

「ずいぶん勇気があるのね。ちょっと意外」
 カナは雄一を振り返って言う。

「魔法だけじゃなくて、魔性? お尻見るだけならいいだろ?」
 雄一はカナのお尻に見とれて言う。

「黙って見るならね。言葉にした時点でアウト。
じゃ!」
 カナは小走りで、海の中へ入った。

チッキショー! 惚れてまうやろが! 

雄一はめげずにカナの後を追った。
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