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121 安心してください 見てませんよ!
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俊也の妹、朝陽が通う小学校。
俊也は保護者として、夏休み中のプール監視当番を務めていた。
夕方にフミ母娘との、デートが予定されているから引き受けた。
なんでも大使館に、案内してくれるらしい。
やっぱり小学生だよな。つるん、ぺたんがほとんどだ。
いや、もちろん透視なんてしないけどね……。
朝陽のやつ、なんかでかくなってる。おっぱい。
こら、そこのガキ! 朝陽様に気安く触るんじゃね~!
男子生徒が、ふざけて朝陽の足をすくった。朝陽はバランスを崩し水面に倒れた。
すぐ起き上がり、男子生徒を追いかける。そしてヘッドロックをかけた。
おい、朝陽、それはむしろご褒美だ!
おっぱい当たってるぞ……。いや、お子ちゃまのやってることだから……。
それにしても……、朝陽、男となれなれし過ぎねえ?
ていうか、あいつの周りに、取り巻きができてる感じ?
俊也がじりじりしながら「監視」していたところ、もう一人の監視当番の女性が、
「十分休憩! 上がりなさい!」
と、大声を出した。まだ三十に届いてないと俊也は思う。
誰かのお姉さん? お母さん、じゃないよね?
「こら! 上がりなさい! 岡田君、江藤君、プールから追い出すわよ!」
プールで粘っていた男子児童二人が、しぶしぶプールから上がった。
「すみません。先生ですか?」
俊也はそう声をかけた。
「朝陽ちゃんのお兄さんですか? 担任の阿部です」
その女性は笑顔で応えた。
俊也は知らなかったが、学校側の当番と、保護者側の当番二人で監督するシステムだった。
「似てますか?」
俊也は思わず聞いた。
「目もとがそっくり。外に出ても平気なんですか?」
「平気ですけど。何か?」
「いえ、なんでもありません」
あ~、そうか。
俊也はその先生の、言いたいことに気づいた。
俊也は「引きこもりのニート」と、世間に公表されていた。
「明るくて、活動的な引きこもりもいていい。そう思いませんか?」
「そうです、かね?
ハハハ、そうですよね。世の中色々ですから」
阿部先生は、心配していたのだ。クラスで一番の人気者、朝陽唯一の問題点を。
「阿部先生、だまされちゃダメですよ。
お兄ちゃん、こう見えて、ひどい女たらしなんですから。
幼女から熟女まで見境なし」
朝陽が駆け寄り、そう言って素早く逃げた。
中(あ)たらずといえども遠からず。
俊也は苦笑するしかなかった。夕方、中一の女の子と、その母親、人妻熟女とのデートなのだから。
「あの~……」
阿部先生は、俊也を「要注意人物」の目で見た。
「小学生は範囲外です!」
俊也は自己弁護した。マサラとエンランは、三十歳余裕オーバーだからいいんだよ!
フミちゃんより、ずっと大人体型だし。
自分自身に対しても自己弁護した。
俊也の任務、ほぼ完了。後は朝陽に昼飯をおごるだけ。
だけど……、
「朝陽殿、聞いていいかな?」
「ん? いいけど」
「君は妹だからよしとしよう。
だけど、この子は?」
「友達のなっちゃん。お兄ちゃんの女性遍歴に、興味があるんだって」
「そうなんですよ、お兄さん! お昼おごってもらうついでに聞かせて下さい。
お兄さんの武勇伝」
俊也の両腕には、妹と彼女の友達が、軽く腕をからめていた。
おごるの確定ですか? さすが朝陽のご学友。すがすがしいまでに厚かましい。
「ん、ん~!」
後方から、わざとらしい咳ばらい。
「阿部先生、先生もお昼ご飯?」
朝陽が気づいて、先生に駆け寄った。
「青形さん、範囲を逸脱しているのでは?」
阿部先生は、眉を吊り上げて俊也をにらむ。
「阿部先生も、お兄さんがお気に入り?
そうじゃないかと思ったんだ。
プールで仲良くお話してたし。
先生もおごってもらったら?」
なっちゃんこと、木戸菜摘が笑顔で声をかけた。
「よろしければどうぞ。監視の意味で」
俊也は苦笑してそう誘った。
「代金は自分で払います。
だけど、お言葉どおり、がっちり監視はさせていただきます」
こうして、昼食のメンバーが一人増えた。
俊也は保護者として、夏休み中のプール監視当番を務めていた。
夕方にフミ母娘との、デートが予定されているから引き受けた。
なんでも大使館に、案内してくれるらしい。
やっぱり小学生だよな。つるん、ぺたんがほとんどだ。
いや、もちろん透視なんてしないけどね……。
朝陽のやつ、なんかでかくなってる。おっぱい。
こら、そこのガキ! 朝陽様に気安く触るんじゃね~!
男子生徒が、ふざけて朝陽の足をすくった。朝陽はバランスを崩し水面に倒れた。
すぐ起き上がり、男子生徒を追いかける。そしてヘッドロックをかけた。
おい、朝陽、それはむしろご褒美だ!
おっぱい当たってるぞ……。いや、お子ちゃまのやってることだから……。
それにしても……、朝陽、男となれなれし過ぎねえ?
ていうか、あいつの周りに、取り巻きができてる感じ?
俊也がじりじりしながら「監視」していたところ、もう一人の監視当番の女性が、
「十分休憩! 上がりなさい!」
と、大声を出した。まだ三十に届いてないと俊也は思う。
誰かのお姉さん? お母さん、じゃないよね?
「こら! 上がりなさい! 岡田君、江藤君、プールから追い出すわよ!」
プールで粘っていた男子児童二人が、しぶしぶプールから上がった。
「すみません。先生ですか?」
俊也はそう声をかけた。
「朝陽ちゃんのお兄さんですか? 担任の阿部です」
その女性は笑顔で応えた。
俊也は知らなかったが、学校側の当番と、保護者側の当番二人で監督するシステムだった。
「似てますか?」
俊也は思わず聞いた。
「目もとがそっくり。外に出ても平気なんですか?」
「平気ですけど。何か?」
「いえ、なんでもありません」
あ~、そうか。
俊也はその先生の、言いたいことに気づいた。
俊也は「引きこもりのニート」と、世間に公表されていた。
「明るくて、活動的な引きこもりもいていい。そう思いませんか?」
「そうです、かね?
ハハハ、そうですよね。世の中色々ですから」
阿部先生は、心配していたのだ。クラスで一番の人気者、朝陽唯一の問題点を。
「阿部先生、だまされちゃダメですよ。
お兄ちゃん、こう見えて、ひどい女たらしなんですから。
幼女から熟女まで見境なし」
朝陽が駆け寄り、そう言って素早く逃げた。
中(あ)たらずといえども遠からず。
俊也は苦笑するしかなかった。夕方、中一の女の子と、その母親、人妻熟女とのデートなのだから。
「あの~……」
阿部先生は、俊也を「要注意人物」の目で見た。
「小学生は範囲外です!」
俊也は自己弁護した。マサラとエンランは、三十歳余裕オーバーだからいいんだよ!
フミちゃんより、ずっと大人体型だし。
自分自身に対しても自己弁護した。
俊也の任務、ほぼ完了。後は朝陽に昼飯をおごるだけ。
だけど……、
「朝陽殿、聞いていいかな?」
「ん? いいけど」
「君は妹だからよしとしよう。
だけど、この子は?」
「友達のなっちゃん。お兄ちゃんの女性遍歴に、興味があるんだって」
「そうなんですよ、お兄さん! お昼おごってもらうついでに聞かせて下さい。
お兄さんの武勇伝」
俊也の両腕には、妹と彼女の友達が、軽く腕をからめていた。
おごるの確定ですか? さすが朝陽のご学友。すがすがしいまでに厚かましい。
「ん、ん~!」
後方から、わざとらしい咳ばらい。
「阿部先生、先生もお昼ご飯?」
朝陽が気づいて、先生に駆け寄った。
「青形さん、範囲を逸脱しているのでは?」
阿部先生は、眉を吊り上げて俊也をにらむ。
「阿部先生も、お兄さんがお気に入り?
そうじゃないかと思ったんだ。
プールで仲良くお話してたし。
先生もおごってもらったら?」
なっちゃんこと、木戸菜摘が笑顔で声をかけた。
「よろしければどうぞ。監視の意味で」
俊也は苦笑してそう誘った。
「代金は自分で払います。
だけど、お言葉どおり、がっちり監視はさせていただきます」
こうして、昼食のメンバーが一人増えた。
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