159 / 230
159 土俵際までいったんだ?
しおりを挟む
※前の158話、手違いで前話の一部をコピーし、そのまま投稿してしまいました。
11/13 18時に前話を訂正しております。よろしければ一話帰ってお読みください。
せっかく研究室に来たのだからと、アンが用意していた薬草と調合レシピを、準教授に渡した。
その薬品は強い解毒作用があり、ひょっとしたらアレルギー反応に効果的なのではないかと、俊也は想像している。
俊也の周りには、アレルギーを持っている者がいないので、未確認だが。
三人は車に帰りかけ、アンがふと立ち止まった。
「俊也さん、あれ、なんですか?」
アンが上空を指さす。
「ドローンだ。四つのプロペラで……。
あれ、使えるな」
俊也はナームがミストに侵攻した場合、ミスト側につく腹を固めている。
ドローンを導入したら、高位の魔導師を探し出せば、最小限の打撃を与えるだけで、戦いを勝利に導ける。
俊也は広場で、ドローンを操縦している学生たちに近づいた。
「すみません。ドローンの実験ですよね?
見せてもらってもいいですか?」
四人の学生に声をかけた。
「いいよ…って、青形」
操縦をしていたのは、教習所でいっしょだった太田だった。
そして、他の三人の中には、海水浴場で琴音とカナにナンパを試みた小林と河合がいた。
「太田、七万円、どうなったのかな?」
俊也は忘れていたが、太田には七万円の貸し付けがあった。
なんの連絡もなかったことに、ちょっぴりムカついた。
「大学にまで取り立て?
いや、払う気持ちはあるんだよ」
太田は、しどろもどろで取り繕う。
「その気持ち、どう証明する?
返済がいつになるか、メールでも全然言ってこなかった。
信用できないな」
今や、王族や貴族とも、対等に渡り合える俊也だった。太田はその迫力に、すっかりびびる。
「すまん! 必ず払うから」
「そのドローンの操縦法教えろ。
それで利子はチャラだ」
俊也は格好の教官を、見つけてしまった。
タイゾークンが遊びにくるというので、俊也は静香とアンを先に返した。
帰りは猫又になって、転移魔法を使えば楽チンだし。
「青形、さっきの人、マジで高校生?
超色っぽいんだけど。
もう一人の人は、スッゲー美人だ」
太田は一通りドローンの操縦法を教え、そう聞いた。
そういえば、高校生のカノジョがいると話したな。
あのときはカナを想定してたんだけど。
「あの二人は別のカノジョだ。
言い方が悪かった。
高校生のカノジョ、も、いる。
ちなみに、年配の方とは入籍している。
俺のマジ嫁だ。
動かしていいか?」
俊也は操縦装置を持って答える。
「ちょっと待てよ。
マジ嫁がいて、他にもカノジョがいるの?」
太田は驚いて聞く。
「二十人は超えてないから」
魔法研修生は、まだカウント外だよね? 俊也はそう思いながら応える。
「大いに待てよ!
そんなにいっぱいいるの?
それでマジ嫁、なんにも言わないの?」
太田は憤りながら言う。
「全然。さっきだって、アンとのプレイ見てた。
今妊娠初期だから、参加できないのが残念だ。
そんなこと言ってたよ。
動かすぞ」
俊也はニマっと笑って、ドローンを離陸させた。
俊也は「ドローン研究サークル」の四人を誘って、大学そばの喫茶店へ訪れた。
さっき動かしたドローンは、エンジン以外この四人が中心となって制作したという。
ドローンの機能自体は、あれで不満はないが、もっと高性能のズームレンズが欲しい。
それと機体の迷彩機能。廃魔石のペインティングをしたら、迷彩魔法がかけられるように思う。
ちょっとした魔法が使えたら、ドローンを地上から撃ち落とすことも可能だから。
アメリカ軍に協力させたら手っ取り早いだろうが、頼る気はない。見えないドローンなんて開発させたら物騒だから。
「高性能のカメラを搭載ね……。何に使う気?」
四人の中で一番理性派の小林が言う。
「戦闘。のぞきなんかに使う気はないよ。
いくらでも見せてもらえるし」
俊也はしれ~っと答える。
「こいつ、カンちゃん以上だ」
小林は河合をちらっと見てふてくされる。
「お前はカナちゃん一筋だからな。けなげだと思うよ」
河合は小林を鼻で笑う。
「カナちゃん?」
太田は小林をにらみながら言う。
太田は小林を非リア充仲間だと思っていた。客観的に見て、自分より相当上だとみているから、彼の動向が気になっている。
「海で振られたジョシコーセイだよ。
俺も琴ちゃんに振られたけど。
土俵際でうっちゃり、って感じ?」
カナちゃんに琴ちゃん? 二人で海へ行ったという話は聞いたけど。
「その二人、この子たちじゃないだろうな?」
俊也は二人のスマホ写真を、念のために呼び出す。
「あ~! この二人だよ! 知り合い?」
河合は写真を見て驚く。
「まさか、カノジョ?」
小林は祈るような気分で聞く。彼はいまだにひきずっていた。
「そうだけど。手を出すんじゃね~ぞ!」
俊也はドスをきかせて二人をにらんだ。手を出そうとしたら、二人が気の毒なことになるから。土俵際でうっちゃった? 土俵際までいったんだ? 琴音、お仕置き決定だ!
そのころ、噂のカナと琴音は、俊也を迎えるため、いそいそと夕食の支度をしていた。
11/13 18時に前話を訂正しております。よろしければ一話帰ってお読みください。
せっかく研究室に来たのだからと、アンが用意していた薬草と調合レシピを、準教授に渡した。
その薬品は強い解毒作用があり、ひょっとしたらアレルギー反応に効果的なのではないかと、俊也は想像している。
俊也の周りには、アレルギーを持っている者がいないので、未確認だが。
三人は車に帰りかけ、アンがふと立ち止まった。
「俊也さん、あれ、なんですか?」
アンが上空を指さす。
「ドローンだ。四つのプロペラで……。
あれ、使えるな」
俊也はナームがミストに侵攻した場合、ミスト側につく腹を固めている。
ドローンを導入したら、高位の魔導師を探し出せば、最小限の打撃を与えるだけで、戦いを勝利に導ける。
俊也は広場で、ドローンを操縦している学生たちに近づいた。
「すみません。ドローンの実験ですよね?
見せてもらってもいいですか?」
四人の学生に声をかけた。
「いいよ…って、青形」
操縦をしていたのは、教習所でいっしょだった太田だった。
そして、他の三人の中には、海水浴場で琴音とカナにナンパを試みた小林と河合がいた。
「太田、七万円、どうなったのかな?」
俊也は忘れていたが、太田には七万円の貸し付けがあった。
なんの連絡もなかったことに、ちょっぴりムカついた。
「大学にまで取り立て?
いや、払う気持ちはあるんだよ」
太田は、しどろもどろで取り繕う。
「その気持ち、どう証明する?
返済がいつになるか、メールでも全然言ってこなかった。
信用できないな」
今や、王族や貴族とも、対等に渡り合える俊也だった。太田はその迫力に、すっかりびびる。
「すまん! 必ず払うから」
「そのドローンの操縦法教えろ。
それで利子はチャラだ」
俊也は格好の教官を、見つけてしまった。
タイゾークンが遊びにくるというので、俊也は静香とアンを先に返した。
帰りは猫又になって、転移魔法を使えば楽チンだし。
「青形、さっきの人、マジで高校生?
超色っぽいんだけど。
もう一人の人は、スッゲー美人だ」
太田は一通りドローンの操縦法を教え、そう聞いた。
そういえば、高校生のカノジョがいると話したな。
あのときはカナを想定してたんだけど。
「あの二人は別のカノジョだ。
言い方が悪かった。
高校生のカノジョ、も、いる。
ちなみに、年配の方とは入籍している。
俺のマジ嫁だ。
動かしていいか?」
俊也は操縦装置を持って答える。
「ちょっと待てよ。
マジ嫁がいて、他にもカノジョがいるの?」
太田は驚いて聞く。
「二十人は超えてないから」
魔法研修生は、まだカウント外だよね? 俊也はそう思いながら応える。
「大いに待てよ!
そんなにいっぱいいるの?
それでマジ嫁、なんにも言わないの?」
太田は憤りながら言う。
「全然。さっきだって、アンとのプレイ見てた。
今妊娠初期だから、参加できないのが残念だ。
そんなこと言ってたよ。
動かすぞ」
俊也はニマっと笑って、ドローンを離陸させた。
俊也は「ドローン研究サークル」の四人を誘って、大学そばの喫茶店へ訪れた。
さっき動かしたドローンは、エンジン以外この四人が中心となって制作したという。
ドローンの機能自体は、あれで不満はないが、もっと高性能のズームレンズが欲しい。
それと機体の迷彩機能。廃魔石のペインティングをしたら、迷彩魔法がかけられるように思う。
ちょっとした魔法が使えたら、ドローンを地上から撃ち落とすことも可能だから。
アメリカ軍に協力させたら手っ取り早いだろうが、頼る気はない。見えないドローンなんて開発させたら物騒だから。
「高性能のカメラを搭載ね……。何に使う気?」
四人の中で一番理性派の小林が言う。
「戦闘。のぞきなんかに使う気はないよ。
いくらでも見せてもらえるし」
俊也はしれ~っと答える。
「こいつ、カンちゃん以上だ」
小林は河合をちらっと見てふてくされる。
「お前はカナちゃん一筋だからな。けなげだと思うよ」
河合は小林を鼻で笑う。
「カナちゃん?」
太田は小林をにらみながら言う。
太田は小林を非リア充仲間だと思っていた。客観的に見て、自分より相当上だとみているから、彼の動向が気になっている。
「海で振られたジョシコーセイだよ。
俺も琴ちゃんに振られたけど。
土俵際でうっちゃり、って感じ?」
カナちゃんに琴ちゃん? 二人で海へ行ったという話は聞いたけど。
「その二人、この子たちじゃないだろうな?」
俊也は二人のスマホ写真を、念のために呼び出す。
「あ~! この二人だよ! 知り合い?」
河合は写真を見て驚く。
「まさか、カノジョ?」
小林は祈るような気分で聞く。彼はいまだにひきずっていた。
「そうだけど。手を出すんじゃね~ぞ!」
俊也はドスをきかせて二人をにらんだ。手を出そうとしたら、二人が気の毒なことになるから。土俵際でうっちゃった? 土俵際までいったんだ? 琴音、お仕置き決定だ!
そのころ、噂のカナと琴音は、俊也を迎えるため、いそいそと夕食の支度をしていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる