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216 少しは涼しくなった?
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カムハン帝国、南部の抑え牛後城。ワン将軍は、いらだっていた。
それというのも、あろうことかヤン将軍の大軍が、引き返してきたのだ。
ヤン将軍は、皇帝から命令を受けていたはず。アルスを攻略するまで、何があっても進軍を止めてはならぬ、と。
さすがにイスタルトまで、攻略せよとは言われなかったようだが、場合によっては開戦も辞さず。
その場合、ワン将軍も救援に駆けつけなければならない。ワン将軍はイスタルトと戦うことになるだろうと、兵糧を蓄え、兵を鍛え続けている。
ヤン将軍は、文字通り連戦連勝。カムハン帝国の武威を示し続けている。
ワン将軍はそれが面白くなかった。
三大英傑? 四大英傑だろうが!
いつの場所や時代でも、ひがみキャラは存在する。ワン将軍は、大きな功績を上げていない。
派手な戦場は、みんな「三大英傑様」がかっさらっていった。
実力じゃ、負けてないもんね!
それに血筋が違う!
ワン将軍は、皇后の実弟。皇帝はカム王朝由緒ある血筋の、突出を恐れているだけだ!
だから俺を、こんな辺境に閉じ込めている。
ワン将軍が守りを固めるカムハン南部に、隣接する強国は存在しない。つまりカムハン帝国に逆らう国など皆無だった。
こんな場所じゃ、手柄の立てようがないでしょ!
そんなわけで、ワン将軍は、対イスタルト戦こそ絶好のチャンスと、密かに意気込んでいた。
ワン将軍は、うかつなことに、カントの化け物の噂を流していた。
「将軍! こんなものが!」
千騎長が何やら書状を携え、将軍の下に駆け寄った。
「なんだ? 騒々しい」
ワン将軍は書状を受け取る。
『戦、あきちゃった。
おうちへ帰る。
邪魔したらぶっ殺すぞ!
次期皇帝 ヤン・ハン』
「次期皇帝…だと!
兵に告げよ!
奸臣ヤンを討つ!」
ワン将軍は、奮い立った。
ヤン将軍が、なんぼのもんじゃい!
イスタルトよりましでしょ!
少々情けない奮い立ち方だった。
ずっ、し~~~ん!
城塞が震えた。
「何事だ!」
ワン将軍は左右に問う。側近は、さて~? と首をひねる。
「将軍! 南城門前に、巨大な…つらら?
それが降って参りました!」
青ざめた物見兵がそう告げた。
「はあ? つ・ら・ら?
ここをどこだと思っておる!」
「つららだとしか、言いようがないような……。
半透明で、氷だとしか思えません!」
ず、し~~~ん、ずっし~~~ん、ずっし~~~ん……。城が震えまくった。
「将軍! すべての城門……、巨大なつららで、ふさがれましたぁ~~~!」
別の物見兵がご注進。
開け放った窓から声が響く。
『少しは涼しくなっただろ?
俺のプレゼント、気に入ってもらえた?
投降しろ!
バイ 次期皇帝、ヤンでした!』
ワン将軍は、へなへな~っと崩れ落ちた。
それというのも、あろうことかヤン将軍の大軍が、引き返してきたのだ。
ヤン将軍は、皇帝から命令を受けていたはず。アルスを攻略するまで、何があっても進軍を止めてはならぬ、と。
さすがにイスタルトまで、攻略せよとは言われなかったようだが、場合によっては開戦も辞さず。
その場合、ワン将軍も救援に駆けつけなければならない。ワン将軍はイスタルトと戦うことになるだろうと、兵糧を蓄え、兵を鍛え続けている。
ヤン将軍は、文字通り連戦連勝。カムハン帝国の武威を示し続けている。
ワン将軍はそれが面白くなかった。
三大英傑? 四大英傑だろうが!
いつの場所や時代でも、ひがみキャラは存在する。ワン将軍は、大きな功績を上げていない。
派手な戦場は、みんな「三大英傑様」がかっさらっていった。
実力じゃ、負けてないもんね!
それに血筋が違う!
ワン将軍は、皇后の実弟。皇帝はカム王朝由緒ある血筋の、突出を恐れているだけだ!
だから俺を、こんな辺境に閉じ込めている。
ワン将軍が守りを固めるカムハン南部に、隣接する強国は存在しない。つまりカムハン帝国に逆らう国など皆無だった。
こんな場所じゃ、手柄の立てようがないでしょ!
そんなわけで、ワン将軍は、対イスタルト戦こそ絶好のチャンスと、密かに意気込んでいた。
ワン将軍は、うかつなことに、カントの化け物の噂を流していた。
「将軍! こんなものが!」
千騎長が何やら書状を携え、将軍の下に駆け寄った。
「なんだ? 騒々しい」
ワン将軍は書状を受け取る。
『戦、あきちゃった。
おうちへ帰る。
邪魔したらぶっ殺すぞ!
次期皇帝 ヤン・ハン』
「次期皇帝…だと!
兵に告げよ!
奸臣ヤンを討つ!」
ワン将軍は、奮い立った。
ヤン将軍が、なんぼのもんじゃい!
イスタルトよりましでしょ!
少々情けない奮い立ち方だった。
ずっ、し~~~ん!
城塞が震えた。
「何事だ!」
ワン将軍は左右に問う。側近は、さて~? と首をひねる。
「将軍! 南城門前に、巨大な…つらら?
それが降って参りました!」
青ざめた物見兵がそう告げた。
「はあ? つ・ら・ら?
ここをどこだと思っておる!」
「つららだとしか、言いようがないような……。
半透明で、氷だとしか思えません!」
ず、し~~~ん、ずっし~~~ん、ずっし~~~ん……。城が震えまくった。
「将軍! すべての城門……、巨大なつららで、ふさがれましたぁ~~~!」
別の物見兵がご注進。
開け放った窓から声が響く。
『少しは涼しくなっただろ?
俺のプレゼント、気に入ってもらえた?
投降しろ!
バイ 次期皇帝、ヤンでした!』
ワン将軍は、へなへな~っと崩れ落ちた。
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