【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

文字の大きさ
217 / 230

217 嫁としての責任とれる?

しおりを挟む
※前の二編が短いので、もう一話おまけに投稿します。寒い! ちなみに、猫又は暖房抜きで投稿してます。


「ナイト君、おはよう」
 フレアが、布団にもぐりこんでいたナイトを抱き上げ、鼻ツン。

「おはよう……」
 俊也は人間体に還る。

「朝陽ちゃんと菜摘ちゃんが来てますよ」
「ふ~ん……。そういや、春休みか」
 俊也は下着を身につける。

「この部屋で、どんな遊びしてるんですか?」
 フレアは苦笑して聞く。

「うん。そうね……」
 超答えにくい。

「まあ、お二人がいいならいいんですけど。
アンさんは、もうお出かけしました。
クレオは長野に跳んで鹿狩りです。
私とのデートの約束は、午後からでいいです。
菜摘ちゃんから、たってのお願いがあるそうですよ」
 フレアは淡々と報告したが、なんとなくとげが感じられた。

「あの子、また何かしでかしたのかな?」
 俊也は、ぼそりとつぶやき、着替えを急いだ。


「アニキ、カムハンの方は順調?」
 一階のロビーに降りたら、朝陽がそう声をかけた。

「うん。ヤン将軍の進軍道中で、時々魔法のデモンストレーションかましてる。
うまくいけば、ほぼ無血革命が実現するかも。
今日は何?」
 朝陽は微妙な表情。俊也は探るような目でそう聞いた。

「単刀直入に言う。なっちゃんを抱いて」
 朝陽はズバリと切り出す。

俊也は納得。フレアの言葉のとげはそれか。

フレアは、新しい女への嫉妬を、まだ克服しきってない。

そういうところが、かわゆいともいえるが。
他の嫁は、達観しきって張り合いがないほど。

「もちろん俺は大歓迎なんだけど、何かあったの?」
 俊也は、平然とソファーに座る、菜摘に視線を向ける。

そうなんだよね……。
この子、セックスなんて、なんとも思ってない感じ。

もちろん、ウエルカム・エブリボーイでは、ないようだが。

「これまでのボーイフレンド、物足りなくなったんだって。
要するに、自分の欲望だけで手一杯。
付き合ってて余裕が感じられない、っていうことね」
 朝陽は菜摘の気分を代弁する。

「そうなんですよ。
その点、俊也さんは満たされてます。
普通の男なら、満たされすぎて身が持たないほど。
だから超余裕がある。
男の人、童貞だと落ち着かないんでしょ? 
女にもある程度、それは言えてると思うんです。
処女を卒業し、もっと落ち着いた目で男性を見たい。
そんな感じです」
 菜摘は他人事のように、さらりと言ってのけた。

「俺は愛せそうな女性は愛する。
そのためにその女性を抱いてる。
愛せそうにない女性は絶対抱かない。
それが俺のイズム。
君はちょっと醒めすぎじゃない?」

「私を愛せそうにないということですか?」
 菜摘は初めて不安の色を浮かべた。

「違う。思い切り愛しちゃいそう。
君が小学生のときから、ずっと気になってた。
俺の嫁は、俺の愛情に責任を持って応えてくれる。
事情があって応えきれない女性は愛人どまり。
君を抱くからには、嫁になってもらいたい。
責任とれる?」
 俊也は小学生のころから、菜摘はお気に入りだった。だが、彼女の成長をずっと見てきた。
 ちょうど妹の朝陽と同じように。

 肉体的に成長した現在でも、性的な対象と、とらえにくい。

「責任をとるって、具体的には? 
要するに、他の男とエッチするな?」
 菜摘みは幾分皮肉を込めて言った。あんなに多くの女性とエッチしてるくせに……。

「最低限、それは守ってもらいたい。
完全に俺のエゴだけど、自分の独占欲をコントロールしきれない。
もちろん、館内の秩序を守る意味もでかいけど。
『離反者』が出たら、ばらばらになりかねないということ」
 俊也は本音を語る。俊也は独占している以上、どの嫁に対しても、責任を持っているつもりだ。独占を認めない女性まで、責任を取り切れない。
 また、嫁が独占を求めたら、館の館の秩序は、とても保ちきれない。
 男女平等の観点において、はなはだ不平等であることは認める。だが、集団を円満に成立させるためには、規律が必要だ。
 つまり、俊也は責任をもって嫁たちを愛し、全力で庇護する。嫁は責任をもって、俊也以外の男にぶれない。
その契約を守り、守ってもらうことが、絶対譲れない条件なのだ。

 俊也は、さらに言葉を続ける。
「アンはさ、おもしろい女なんだ。
他の男とデートしまくってる。
微妙な距離を保って。
俺が思うに、他人と交流を持ちたいんだ。
その反面、他人との交流を拒んでもいる。
ひどく矛盾してるよね? 
彼女の生い立ちに原因があると思う。
彼女は小さい頃母親を亡くした。
母親ゆずりの特殊な才能があったから、彼女は生きてこられた。
だけど、その才能は、他人にとってひどく貴重な才能なんだ。
利用したら、いくらでも金儲けができる。
そんな種類の才能。
だから彼女は、文字通り一人で生きてきた。
そんな事情で、他人がひどく怖い。
だけど、一人であることもひどく怖い。
わかるだろ?」

「わかります…わかる気がします。
だけど、どう関係するんですか?」
 菜摘は、なじるように聞いた。

「朝陽から大体は聞いてる。
君はアンと全く逆の環境で生まれ育った。
つまり、両親の愛情が重すぎる。
だから、君は誰とも深くつながりたくないんだ。
違ってる?」

 菜摘は蒼白になった。
「どういうことですか? 
わかんない! 
そんなのわかんないですよ!」

「いや。君はわかってる。
だからそんなにうろたえる。
そんな醒めた自分も嫌い。だから快活に振舞う。
あどけなさを演じて、人の心に踏み込む。
重く感じられたら、するりと逃げる。
俺の言いたいことは、要するに、抱くなら君を逃がさないということだ。
もちろん自由は束縛しないよ。
だけど、君の臆病な心は絶対逃がさない。
断じて俺の保護下に置く。
アンと同じように」

 黙ってやりとりを聞いていた朝陽が口を開いた。
「全面的にアニキに賛成。
アニキに抱かれて、自由になりなさい。
心がアニキに捕まえられたら、あなたは自由になれる。
本当の意味で。
フレアさん、私とデートしてください」
 朝陽は、微妙な表情のフレアに微笑みかけた。朝陽も内心は微妙だが。

彼女は高校生になってから、俊也を「兄さん」ではなく、「アニキ」と呼び始めた。
血のつながった「兄妹」としての、気分的なけじめをつける意味で。

「なっちゃん、悔しいけど、朝陽ちゃんの言ってること、多分本当だよ。
私も自由になれた。
貴族の束縛から解放されたの。
俊也さんに抱かれて。
俊也さんの嫁になって。
朝陽ちゃん、ど~んとおごってあげる。行こう!」
 フレアは笑顔になってそう言った。それは俊也の嫁としての責任だと、わかっているから


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

処理中です...