48 / 81
第48話 嵐が過ぎて
しおりを挟む
領主館に宿泊して早三日。嵐は一向に鎮まる気配すら見せず、むしろ日に日に勢いを増していた。
「ずいぶん長い嵐ですね。いつもこうなんですか?」
「はい。しかしこの嵐さえ過ぎ去ってしまえば数ヶ月は雨は降れど波は穏やかになるのです。けど今年は少し風が強いですね。慣れてる住民でもなるべく家で過ごしているようです」
「これで少しですか」
風の勢いはもはや気軽に外を歩けないほどだ。ただこの嵐を経験したレイは町の作りが特殊だった理由に気づいた。
「だから屋根がないんですね」
「はい。ここでは毎年必ず嵐がきます。その都度修繕していたらキリがありませんし、費用もばかになりませんので」
ルーベルの建物は全て屋根がなく四角い形に統一されている。領主館も例外はなく四角い。そして外壁は丘からの土砂崩れを防ぐ理由で建設されている。
「あの、この嵐はやはり一週間くらいで鎮まるのでしょうか?」
「そうですね。おそらく明日がピークで明後日からは徐々に治まるかと」
「そうですか。しかし……する事がないですね」
「ふふっ、退屈ですか?」
屋敷に来て三日。する事といえば領主との会話くらいしかない。あてがわれた部屋で箱庭に入っても良いのだが、万が一知られでもしたら面倒な事になる。そのため気軽に箱庭の中にも入れずにいた。
「あまりじっとしているのは得意ではなくて」
「冒険者ですものね。生まれはフォールガーデンでしたか。これは聞いても良いか悩みましたが……なぜエルドニアに? エルドニアはフォールガーデンに比べて何もないでしょう?」
「……っ。実は……」
レイはスキルの事を誤魔化しつつ、自らの境遇を語った。
「そんな……。たかだかスキル一つで追放だなんてっ」
「イストリア家は武門の家なので仕方ないんですよ。正直スキルなんて努力で越えられると思っていましたが……現実はそう甘くなかったという事ですね」
「で、でもレイ様はたったお一人で反乱を!」
「それは追放された後に身に付けた力のおかげですよ」
アリスは悲しそうな表情を浮かべレイに尋ねた。
「……レイ様はフォールガーデンに戻りたいとは……、自分を追放した家を憎いとは思わないのですか?」
「う~ん……」
レイは以前にも語った胸の内をアリスに告げた。
「正直今は何とも思ってないよ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。僕からは二度と帰りたいとも思わないし、仮に呼び戻されたとしても帰る気はないね。そして……万が一戦になって敵対したとしてもあっちの味方はしない。僕はエルドニアが好きだからね」
「レイ様……」
その日の夜。アリスは部屋に使用人達を集め会議を開いていた。
「コード0。レイ様のスキルはわかりましたか?」
「はい、アリス様。彼のスキルは【箱庭】。効果は不明です」
「箱庭? 聞いた事がありませんね。コード1、イストリア家はどうなっておりますか?」
「はい。イストリア家に動きはありません。もう半年もすれば次男のノワールが儀式を受けます。ここで剣聖、もしくは賢者を授かればイストリア家はノワールが継ぐ事になるかと」
「そう。評判は?」
「すこぶる悪く、すでにイストリア領から住民が流出し始めておりました」
「そ。ありがとう」
暗い室内にメイド、執事の他黒い衣装に身を包んだ性別不明の人影が五つ。これらの正体はアリス・ルーベルが私設部隊【コードフィフス】。これらは諜報から調略、はたまた暗殺までこなす特殊部隊だ。
「コード3、エスタの現状は?」
「はっ。現在エスタは軍が制圧し、町の機能を停止したままエルドニアの防衛拠点となっております」
「そう。消えた住民達の消息は?」
「わかりません。しかしレイ様が関わっている事は確かです」
「レイ様が……ですか?」
「はい。兵士の一人がエスタから去るレイ様を見たと証言しました」
「なるほど。コード4、レイ様は部屋でなにを?」
そう尋ねると尋ねられたコード4が言葉に詰まる。
「こ、これはアリス様にはちょっと……」
「は? 何か怪しい儀式でもしてたのかしら?」
「い、いえっ。その……言わなきゃダメですか?」
「速やかに報告を」
コード4はアリスに近づきそっと耳打ちした。
「えぇっ!? それは本当ですか!?」
「は、はい。ご立派でした……」
「ふぬぬぬ……! ズルいですわコード4!」
「レイ様の監視を命じられたのはアリス様ですが? 役得でした……」
アリスは真っ赤な顔でコード4を睨み拳を震わせていた。
「もう良いわ。コード5、シーサーペントの様子は?」
「はっ。変わらず沖で近付く者を見境なしに襲っておりました」
「くっ……、そうですか。あなたが倒せませんか?」
「無理ですな。地上ならまだしも海上、海中は範囲外ですな」
「そうですか。他に報告のある者は?」
集まった人物達からは他に声は上がらなかった。
「結構。ではコード4以外は引き続き任務を続行です」
「アリス様! そんな酷い!」
「お黙りなさいっ! 私の知らないレイ様の個人情報を独占などさせませんよ!」
「なら私はなにをすれば!?」
「メイドでもしてなさい。メイド長、コード4に一番キツい仕事を回しなさい」
「かしこまりました」
「ひ、酷いっス!」
報告が終わり室内で一人になったアリスは窓から雨の降る外を眺めた。
「レイ様のは……はふぅ~……。言って下さればお手伝……いえ、まだ時期尚早。焦りは禁物ですわ」
アリスは拳を握り涎を拭った。
「あぁっ、レイ様ぁっ! あと数日しか一緒に暮らせないなんてっ! いっそこのまま嵐が続いたら良いの……いえ、それでは民が困りますね。どうにか長く留まっていただけないかしら。彼こそ私の操を捧げるに相応しい相手っ! 逃しませんわっ!」
アリスはやる気に満ち溢れ拳を振り上げるのだった。
「ずいぶん長い嵐ですね。いつもこうなんですか?」
「はい。しかしこの嵐さえ過ぎ去ってしまえば数ヶ月は雨は降れど波は穏やかになるのです。けど今年は少し風が強いですね。慣れてる住民でもなるべく家で過ごしているようです」
「これで少しですか」
風の勢いはもはや気軽に外を歩けないほどだ。ただこの嵐を経験したレイは町の作りが特殊だった理由に気づいた。
「だから屋根がないんですね」
「はい。ここでは毎年必ず嵐がきます。その都度修繕していたらキリがありませんし、費用もばかになりませんので」
ルーベルの建物は全て屋根がなく四角い形に統一されている。領主館も例外はなく四角い。そして外壁は丘からの土砂崩れを防ぐ理由で建設されている。
「あの、この嵐はやはり一週間くらいで鎮まるのでしょうか?」
「そうですね。おそらく明日がピークで明後日からは徐々に治まるかと」
「そうですか。しかし……する事がないですね」
「ふふっ、退屈ですか?」
屋敷に来て三日。する事といえば領主との会話くらいしかない。あてがわれた部屋で箱庭に入っても良いのだが、万が一知られでもしたら面倒な事になる。そのため気軽に箱庭の中にも入れずにいた。
「あまりじっとしているのは得意ではなくて」
「冒険者ですものね。生まれはフォールガーデンでしたか。これは聞いても良いか悩みましたが……なぜエルドニアに? エルドニアはフォールガーデンに比べて何もないでしょう?」
「……っ。実は……」
レイはスキルの事を誤魔化しつつ、自らの境遇を語った。
「そんな……。たかだかスキル一つで追放だなんてっ」
「イストリア家は武門の家なので仕方ないんですよ。正直スキルなんて努力で越えられると思っていましたが……現実はそう甘くなかったという事ですね」
「で、でもレイ様はたったお一人で反乱を!」
「それは追放された後に身に付けた力のおかげですよ」
アリスは悲しそうな表情を浮かべレイに尋ねた。
「……レイ様はフォールガーデンに戻りたいとは……、自分を追放した家を憎いとは思わないのですか?」
「う~ん……」
レイは以前にも語った胸の内をアリスに告げた。
「正直今は何とも思ってないよ」
「そ、そうなんですか?」
「うん。僕からは二度と帰りたいとも思わないし、仮に呼び戻されたとしても帰る気はないね。そして……万が一戦になって敵対したとしてもあっちの味方はしない。僕はエルドニアが好きだからね」
「レイ様……」
その日の夜。アリスは部屋に使用人達を集め会議を開いていた。
「コード0。レイ様のスキルはわかりましたか?」
「はい、アリス様。彼のスキルは【箱庭】。効果は不明です」
「箱庭? 聞いた事がありませんね。コード1、イストリア家はどうなっておりますか?」
「はい。イストリア家に動きはありません。もう半年もすれば次男のノワールが儀式を受けます。ここで剣聖、もしくは賢者を授かればイストリア家はノワールが継ぐ事になるかと」
「そう。評判は?」
「すこぶる悪く、すでにイストリア領から住民が流出し始めておりました」
「そ。ありがとう」
暗い室内にメイド、執事の他黒い衣装に身を包んだ性別不明の人影が五つ。これらの正体はアリス・ルーベルが私設部隊【コードフィフス】。これらは諜報から調略、はたまた暗殺までこなす特殊部隊だ。
「コード3、エスタの現状は?」
「はっ。現在エスタは軍が制圧し、町の機能を停止したままエルドニアの防衛拠点となっております」
「そう。消えた住民達の消息は?」
「わかりません。しかしレイ様が関わっている事は確かです」
「レイ様が……ですか?」
「はい。兵士の一人がエスタから去るレイ様を見たと証言しました」
「なるほど。コード4、レイ様は部屋でなにを?」
そう尋ねると尋ねられたコード4が言葉に詰まる。
「こ、これはアリス様にはちょっと……」
「は? 何か怪しい儀式でもしてたのかしら?」
「い、いえっ。その……言わなきゃダメですか?」
「速やかに報告を」
コード4はアリスに近づきそっと耳打ちした。
「えぇっ!? それは本当ですか!?」
「は、はい。ご立派でした……」
「ふぬぬぬ……! ズルいですわコード4!」
「レイ様の監視を命じられたのはアリス様ですが? 役得でした……」
アリスは真っ赤な顔でコード4を睨み拳を震わせていた。
「もう良いわ。コード5、シーサーペントの様子は?」
「はっ。変わらず沖で近付く者を見境なしに襲っておりました」
「くっ……、そうですか。あなたが倒せませんか?」
「無理ですな。地上ならまだしも海上、海中は範囲外ですな」
「そうですか。他に報告のある者は?」
集まった人物達からは他に声は上がらなかった。
「結構。ではコード4以外は引き続き任務を続行です」
「アリス様! そんな酷い!」
「お黙りなさいっ! 私の知らないレイ様の個人情報を独占などさせませんよ!」
「なら私はなにをすれば!?」
「メイドでもしてなさい。メイド長、コード4に一番キツい仕事を回しなさい」
「かしこまりました」
「ひ、酷いっス!」
報告が終わり室内で一人になったアリスは窓から雨の降る外を眺めた。
「レイ様のは……はふぅ~……。言って下さればお手伝……いえ、まだ時期尚早。焦りは禁物ですわ」
アリスは拳を握り涎を拭った。
「あぁっ、レイ様ぁっ! あと数日しか一緒に暮らせないなんてっ! いっそこのまま嵐が続いたら良いの……いえ、それでは民が困りますね。どうにか長く留まっていただけないかしら。彼こそ私の操を捧げるに相応しい相手っ! 逃しませんわっ!」
アリスはやる気に満ち溢れ拳を振り上げるのだった。
3
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~
エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます!
2000年代初頭。
突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。
しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。
人類とダンジョンが共存して数十年。
元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。
なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。
これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる