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第61話 次の竜は
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箱庭に入ったレイは住民達に囲まれていた。
「あ、あああ主殿っ!? う、ううう後ろにドラゴンがっ!!」
「あばばばば!? どうすればっ!?」
「だ、大丈夫ですからっ! このドラゴンはアースドラゴン、僕達に敵意はありませんっ」
《うむ。敵対する意思のない者には矛を向けぬ。やられたらやり返すがな》
「「「「ひぇぇ~……」」」」
騒ぎになったためレイはリリーを家に寝かせアースドラゴンと共に鉱山へと向かった。そしてその山頂を平らに均しアースドラゴンの棲み家とした。
「こんな感じでいいかな?」
《我は眠れれば良い。魔王との対決の日まで何をしても生きねばならぬからの。眠りに就き色々と温存せねばならぬ》
「わかった。じゃあ食事もいらない感じ?」
《あれば助かるが我らはとんでもなく食うぞ》
「そこは大丈夫かな。ならドワーフに運ばせるよ。魔獣の肉と酒──」
酒のフレーズを聞いた瞬間アースドラゴンの目の色が変わった。
《酒だとっ!? 酒があるのか!》
「え? あ、ああうんまぁ。毎日製造されてるけど」
アースドラゴンはぷるぷると震えだし天に向かい吠えた。
《酒をくれぇぇぇっ! もう千年も飲んでおらぬっ! 人との関わりを避けてきたから飲めんかったのだっ!》
「そ、そんなに欲しいの!?」
「「「「話は聞かせてもらった!」」」」
「え?」
そこに樽を担いだドワーフ達が現れた。
「み、皆さん?」
「レイよ。山といったらドワーフ。酒といったらドワーフよっ! アースドラゴン殿! これはお近付きの印じゃ。ドワーフ特製の火酒……さあ、食らってくれいっ!」
「ツマミの肉もあるぞいっ!」
《オ……オアァァァァッ! 感謝するぞドワーフ! 宴だっ!》
「「「「宴じゃあぁぁぁぁぁっ!」」」」
こうして真っ昼間から酒宴が幕を開けた。久しぶりの酒にアースドラゴンは涙を流し喜び、最後には酔い潰れてしまった。
「千年も飲めんかったとは……ワシらなら死んどるぞい」
「んだんだ。よき我慢したもんだ」
「レイよ。アースドラゴンの事はワシらが世話しよう。任せてもらえるかの?」
「もちろんですよ。助かります!」
「なぁに、ワシらも世話になっとるからの。この鉱山は実に良い。助かっとるわい」
そこでアースドラゴンの目が開いた。
《むぅ……だいぶ弱くなっておるな。レイよ、再び眠る前に次なる竜の事を伝える》
「は、はいっ」
《次なる竜の居場所は……ここより南に向かった先にある巨大な湖だ》
「湖? あ、アクアヒルかな?」
《今の地名はわからぬが湖に島が浮いていたら当たりだ》
アクアヒルの湖には人の立ち入りが禁止されている浮島がある。
「ありますね」
《ならばそこに向かい酒を捧げ呼ぶのだ。【アクアドラゴン】とな》
「次はアクアドラゴンですか」
《うむ。アレも我同様酒を断っておるだろうからな。アレは味にもうるさいぞ。安酒では決して姿を見せんだろう。上手く使えば戦わずして仲間になるだろう》
「わかりました。ここで最高の酒を作って持っていきます」
《うむ》
そこでアースドラゴンは再び潰れた。レイはドワーフ達に尋ねる。
「最高の酒に心当たりとかあります?」
「もちろんじゃ。ワシらドワーフとて酒にはかなりうるさいからの。最高の酒といったらこの火酒で決まりじゃ」
「なるほ──」
ここで今まで一枚岩だったドワーフが分裂した。
「それは聞き捨てならんな。火酒なんぞ酒精が強いだけで上手いとは言えんわい。本当に上手い酒は葡萄酒で決まりじゃろ」
「なにぃっ! できたばかりの葡萄酒なんぞドラゴン様に出せるかいっ! よく考えろ! アクアドラゴンと言えば水だろうが!」
「ふむ。確かにな。ならば水を使い造る酒になるか?」
「……米酒か」
「米酒だな。間違いない」
瞬く間に答えに行き着いたドワーフ達は再び一枚岩となった。
「ここにあったか? 米酒は」
「あるにはあるが……まだ試作段階だったな」
「人間は麦酒と葡萄酒、果実酒が好きじゃからのう。米酒は癖が強くこの地方じゃ好まれん」
「ならば早急に造るしかあるまい。ワシらがの」
「「「やるか」」」
ドワーフ達が不敵に笑う。レイは怖さを覚えたがアクアドラゴンに会い戦わず仲間にするために極上の酒が必要となるため従うしかなかった。
「じゃあ工房の隣にも酒造工場を造るから頼めます?」
「「「「任せいっ」」」」
こうしてドワーフ達による酒造りが始まった。
「ダメじゃっ! これではまだ足りんっ! グビグビグビ」
「これも違うのう……グビグビグビ」
「これも美味いは美味いがまだ足りんの。グビグビグビ」
「「「「ぶはぁ~~~」」」」
ドワーフ達は失敗作をとにかく飲んだ。
「あ、あの~……できそうですか?」
「む? う~む……。もう少し掛かるな。ここはワシらに任せレイは町の酒で美味いものを探してみたらどうじゃ? 人間の酒も日々進化しとるじゃろうしの。まあ、ワシらの本気には敵わぬじゃろうがな!」
「は、はぁ。わかりました」
「よ~し再開じゃ! 次はこの組み合わせで」
「それは最初にやったぞ!」
「なにっ! ではこっちだ!」
レイはドワーフ達を見て思った。
「もしかして……ただ飲みたいだけじゃ……」
「「「何か言ったかの?」」」
「い、いえっ! ではよろしくお願いします!」
「「「うむ~」」」
レイはドワーフ達に酒造りを任せ、町で造られている酒を探しに向かうのだった。
「あ、あああ主殿っ!? う、ううう後ろにドラゴンがっ!!」
「あばばばば!? どうすればっ!?」
「だ、大丈夫ですからっ! このドラゴンはアースドラゴン、僕達に敵意はありませんっ」
《うむ。敵対する意思のない者には矛を向けぬ。やられたらやり返すがな》
「「「「ひぇぇ~……」」」」
騒ぎになったためレイはリリーを家に寝かせアースドラゴンと共に鉱山へと向かった。そしてその山頂を平らに均しアースドラゴンの棲み家とした。
「こんな感じでいいかな?」
《我は眠れれば良い。魔王との対決の日まで何をしても生きねばならぬからの。眠りに就き色々と温存せねばならぬ》
「わかった。じゃあ食事もいらない感じ?」
《あれば助かるが我らはとんでもなく食うぞ》
「そこは大丈夫かな。ならドワーフに運ばせるよ。魔獣の肉と酒──」
酒のフレーズを聞いた瞬間アースドラゴンの目の色が変わった。
《酒だとっ!? 酒があるのか!》
「え? あ、ああうんまぁ。毎日製造されてるけど」
アースドラゴンはぷるぷると震えだし天に向かい吠えた。
《酒をくれぇぇぇっ! もう千年も飲んでおらぬっ! 人との関わりを避けてきたから飲めんかったのだっ!》
「そ、そんなに欲しいの!?」
「「「「話は聞かせてもらった!」」」」
「え?」
そこに樽を担いだドワーフ達が現れた。
「み、皆さん?」
「レイよ。山といったらドワーフ。酒といったらドワーフよっ! アースドラゴン殿! これはお近付きの印じゃ。ドワーフ特製の火酒……さあ、食らってくれいっ!」
「ツマミの肉もあるぞいっ!」
《オ……オアァァァァッ! 感謝するぞドワーフ! 宴だっ!》
「「「「宴じゃあぁぁぁぁぁっ!」」」」
こうして真っ昼間から酒宴が幕を開けた。久しぶりの酒にアースドラゴンは涙を流し喜び、最後には酔い潰れてしまった。
「千年も飲めんかったとは……ワシらなら死んどるぞい」
「んだんだ。よき我慢したもんだ」
「レイよ。アースドラゴンの事はワシらが世話しよう。任せてもらえるかの?」
「もちろんですよ。助かります!」
「なぁに、ワシらも世話になっとるからの。この鉱山は実に良い。助かっとるわい」
そこでアースドラゴンの目が開いた。
《むぅ……だいぶ弱くなっておるな。レイよ、再び眠る前に次なる竜の事を伝える》
「は、はいっ」
《次なる竜の居場所は……ここより南に向かった先にある巨大な湖だ》
「湖? あ、アクアヒルかな?」
《今の地名はわからぬが湖に島が浮いていたら当たりだ》
アクアヒルの湖には人の立ち入りが禁止されている浮島がある。
「ありますね」
《ならばそこに向かい酒を捧げ呼ぶのだ。【アクアドラゴン】とな》
「次はアクアドラゴンですか」
《うむ。アレも我同様酒を断っておるだろうからな。アレは味にもうるさいぞ。安酒では決して姿を見せんだろう。上手く使えば戦わずして仲間になるだろう》
「わかりました。ここで最高の酒を作って持っていきます」
《うむ》
そこでアースドラゴンは再び潰れた。レイはドワーフ達に尋ねる。
「最高の酒に心当たりとかあります?」
「もちろんじゃ。ワシらドワーフとて酒にはかなりうるさいからの。最高の酒といったらこの火酒で決まりじゃ」
「なるほ──」
ここで今まで一枚岩だったドワーフが分裂した。
「それは聞き捨てならんな。火酒なんぞ酒精が強いだけで上手いとは言えんわい。本当に上手い酒は葡萄酒で決まりじゃろ」
「なにぃっ! できたばかりの葡萄酒なんぞドラゴン様に出せるかいっ! よく考えろ! アクアドラゴンと言えば水だろうが!」
「ふむ。確かにな。ならば水を使い造る酒になるか?」
「……米酒か」
「米酒だな。間違いない」
瞬く間に答えに行き着いたドワーフ達は再び一枚岩となった。
「ここにあったか? 米酒は」
「あるにはあるが……まだ試作段階だったな」
「人間は麦酒と葡萄酒、果実酒が好きじゃからのう。米酒は癖が強くこの地方じゃ好まれん」
「ならば早急に造るしかあるまい。ワシらがの」
「「「やるか」」」
ドワーフ達が不敵に笑う。レイは怖さを覚えたがアクアドラゴンに会い戦わず仲間にするために極上の酒が必要となるため従うしかなかった。
「じゃあ工房の隣にも酒造工場を造るから頼めます?」
「「「「任せいっ」」」」
こうしてドワーフ達による酒造りが始まった。
「ダメじゃっ! これではまだ足りんっ! グビグビグビ」
「これも違うのう……グビグビグビ」
「これも美味いは美味いがまだ足りんの。グビグビグビ」
「「「「ぶはぁ~~~」」」」
ドワーフ達は失敗作をとにかく飲んだ。
「あ、あの~……できそうですか?」
「む? う~む……。もう少し掛かるな。ここはワシらに任せレイは町の酒で美味いものを探してみたらどうじゃ? 人間の酒も日々進化しとるじゃろうしの。まあ、ワシらの本気には敵わぬじゃろうがな!」
「は、はぁ。わかりました」
「よ~し再開じゃ! 次はこの組み合わせで」
「それは最初にやったぞ!」
「なにっ! ではこっちだ!」
レイはドワーフ達を見て思った。
「もしかして……ただ飲みたいだけじゃ……」
「「「何か言ったかの?」」」
「い、いえっ! ではよろしくお願いします!」
「「「うむ~」」」
レイはドワーフ達に酒造りを任せ、町で造られている酒を探しに向かうのだった。
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