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第1章 異世界らしい。
01 此処どこ?
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身体を吹き抜ける風を感じ、愛斗はゆっくりと目を開いた。
「此処は…っつぅ!頭いてぇっ!あれ、俺何してたんだっけ?記憶が曖昧だな…。多分私は3人目だと思うから……って言ってる場合じゃねぇ!?俺確かコミケの入場待ちしてたよなっ!?それが何で…何でこんな草原に1人で居るんだよぉぉぉぉぉぉっ!!?」
愛斗は空に向かって叫んだ。
「俺…もしかして…死んだ?此処は死後の世界ってやつか?花畑じゃ無くて草原ってのは初めて知ったぜ…。」
愛斗は辺りを見回した。
草、草、草、スライム、草、草…………?
「は?ちょ、ちょっと待ってなー。目がイカれたかなー?もう一度。」
草、草、草、スライム、草、草…………。うん、居るね、スライム。って、なんでや!?
愛斗は慌てふためいた。
《!ピキーッ!!》
「ヤベッ!気付かれた!?に、逃げっ…!」
しかし、スライムに回り込まれた。
「ちょぉぉぉぉい!スライムの癖に早ぇぇっ!ぶ、武器、武器は無いのか!?」
愛斗は慌ててカバンの中を漁る。
「カタログ、金、携帯、自作電磁ロッド……これや!」
愛斗はカバンから自作の電磁ロッドを取り出した。コミケには犯罪者もたまに来る。愛斗は自衛の為にと特殊警棒を改造し、先端に電気が流れる仕組みの武器を自作していた。ま、見つかったら事案になるがな。
「よ、よし。これで…!」
愛斗はスライムと対峙する。どうやらあちらさん、殺る気満々らしい。不規則にぽよんぽよんと飛び跳ねていた。
「来ないならこっちから行くぜっ!せいっ!!」
愛斗はスライムに向かって駆け出した。スライムは上空高く飛び上がり、急降下し愛斗に襲い掛かってきた。
「甘いぜ、大根切りぃぃぃぃっ!」
《ピッ、ピキィィィィィッ!》
スライムはしゅわぁぁぁっ…と溶けて消えた。
「はぁっはぁっ…!な、何だったんだ?死後の世界にはモンスターまで現れるのか?死後の世界で更に死ぬとか…世界はどうやら優しく出来ていないようだな……って言ってる場合かよ!?ま、町っ!どっちだ!?このままじゃまた死ぬっ!!」
愛斗は慌てて辺りを見回した。
「は、ははは…。道もねぇ…。草だらけ…。詰んだ…。」
愛斗は地面に寝転んだ。
「分けわかんねぇ~…。どうやら確実に日本…いや地球ですら無いのは分かった。どうすりゃ良いんだよ…。」
愛斗は目を瞑りながら思案していた。そしていつの間にか寝ていた。
不意に声が聞こえた。
「もしも~し……。生きてますかぁ~?もしも~し?」
「ん…………。何だ…寝てたのか俺…。」
愛斗は目を開き上を見た。
「青…か、ふむ。良きっ。」
「ば、ばばばばバカー!」
「ぐふぅっ…!」
愛斗は腹を思いっきり踏まれた。
「こ、こここのヘンタイ!折角心配してあげたのにっ!」
「ぐおぉぉ…。そ、そんな場所に立ってる方が悪い…ぐほぉっ!?」
「死ねっ、死ねぇぇぇっ!」
「や、やめ…死ぬっ、マジで死ぬっ!?」
愛斗は横に転がり、踏み抜きを躱わすと、目の前の脚をとり、相手を地面に転がす。
「きゃっ!?」
その後、すかさずマウントをとり相手を抑えつけた。
「形勢逆転だ!よくもやって………は?じ、獣人?」
「は、は~な~せ~っ!」
女の子は愛斗の下でジタバタ暴れた。
「離しても良いが…襲わないと誓うか?」
「誓う、誓うから降りてよっ!」
愛斗は素早くマウントを解除し、バックステップで距離をとる。
「全く…心配して損したわっ!じゃあねっ、人間!」
「ちょぉぉぉぉっと待ったぁぁぁぁっ!!」
「な、何よ!?」
愛斗は女の子を全力で呼び止めた。
「助けてくれっ。道に迷ったんだ!」
「はぁ?何で私がヘンタイを助けなきゃいけないのよ?寝言は寝てから言いなさいよねっ!」
「た、頼むよっ!此処で見捨てられたら確実に野垂れ死んじまうっ!」
女の子の目が光った。
「ふ~ん…じゃあ土下座して助けて下さいミーア様って言ってみなさいよ?」
「助けて下さいミーア様。」
愛斗は光の速さで土下座した。
「ち、ちょっと!あなたプライドってものは無いの!?」
「プライドで生きられるなら苦労はせんわっ!?んなもんドブに捨てても俺は助かりたいんだよっ!」
「へ、ヘンタイな上にプライドも無いなんて…。あなた…男としてそれで良いの!?」
「知らねーよ!?兎に角助けてくれ!いきなり草原に放り出されて分けわかんねぇんだよ!」
「は?何それ?」
愛斗は女の子に事情を話した。
「ふ~ん…。確かに見た事無い物だらけだけどさ~…。」
「本当なんだって!信じてくれよぉ~。ここで捨てられたら確執に死ぬ!せめて人里まで案内プリーズ!」
「えぇ~…。報酬も無いのに?」
「ほ、報酬?」
「そ、報酬。世の中タダより高いモノは無いってね?あなたお金…持ってる訳ないよね。」
「日本円しかないな。ま、この世界じゃゴミでしかないんだろう。」
「あなた、何か金を稼ぐ手段はある?貸しにしといてもいいけど。」
愛斗は考えた。
「手っ取り早く稼ぐならカジノだな。カードがあればなお良い。」
「ギャンブルってあんた…クズね。」
「仕方無いだろう!?こんな危ない世界で大金稼ぐなんてそれしか思い浮かばねぇんだからよ!?」
「はぁ…。分かったわよ。じゃあ…取り敢えず町までは連れて行くけど、そこからはあなたの好きにしたら良いわ。報酬は忘れないでよね?」
「た、助かる!」
こうして愛斗はいきなり不思議な世界に飛ばされ、偶然通り掛かった女の子、ミーアに救われたのであった。
「此処は…っつぅ!頭いてぇっ!あれ、俺何してたんだっけ?記憶が曖昧だな…。多分私は3人目だと思うから……って言ってる場合じゃねぇ!?俺確かコミケの入場待ちしてたよなっ!?それが何で…何でこんな草原に1人で居るんだよぉぉぉぉぉぉっ!!?」
愛斗は空に向かって叫んだ。
「俺…もしかして…死んだ?此処は死後の世界ってやつか?花畑じゃ無くて草原ってのは初めて知ったぜ…。」
愛斗は辺りを見回した。
草、草、草、スライム、草、草…………?
「は?ちょ、ちょっと待ってなー。目がイカれたかなー?もう一度。」
草、草、草、スライム、草、草…………。うん、居るね、スライム。って、なんでや!?
愛斗は慌てふためいた。
《!ピキーッ!!》
「ヤベッ!気付かれた!?に、逃げっ…!」
しかし、スライムに回り込まれた。
「ちょぉぉぉぉい!スライムの癖に早ぇぇっ!ぶ、武器、武器は無いのか!?」
愛斗は慌ててカバンの中を漁る。
「カタログ、金、携帯、自作電磁ロッド……これや!」
愛斗はカバンから自作の電磁ロッドを取り出した。コミケには犯罪者もたまに来る。愛斗は自衛の為にと特殊警棒を改造し、先端に電気が流れる仕組みの武器を自作していた。ま、見つかったら事案になるがな。
「よ、よし。これで…!」
愛斗はスライムと対峙する。どうやらあちらさん、殺る気満々らしい。不規則にぽよんぽよんと飛び跳ねていた。
「来ないならこっちから行くぜっ!せいっ!!」
愛斗はスライムに向かって駆け出した。スライムは上空高く飛び上がり、急降下し愛斗に襲い掛かってきた。
「甘いぜ、大根切りぃぃぃぃっ!」
《ピッ、ピキィィィィィッ!》
スライムはしゅわぁぁぁっ…と溶けて消えた。
「はぁっはぁっ…!な、何だったんだ?死後の世界にはモンスターまで現れるのか?死後の世界で更に死ぬとか…世界はどうやら優しく出来ていないようだな……って言ってる場合かよ!?ま、町っ!どっちだ!?このままじゃまた死ぬっ!!」
愛斗は慌てて辺りを見回した。
「は、ははは…。道もねぇ…。草だらけ…。詰んだ…。」
愛斗は地面に寝転んだ。
「分けわかんねぇ~…。どうやら確実に日本…いや地球ですら無いのは分かった。どうすりゃ良いんだよ…。」
愛斗は目を瞑りながら思案していた。そしていつの間にか寝ていた。
不意に声が聞こえた。
「もしも~し……。生きてますかぁ~?もしも~し?」
「ん…………。何だ…寝てたのか俺…。」
愛斗は目を開き上を見た。
「青…か、ふむ。良きっ。」
「ば、ばばばばバカー!」
「ぐふぅっ…!」
愛斗は腹を思いっきり踏まれた。
「こ、こここのヘンタイ!折角心配してあげたのにっ!」
「ぐおぉぉ…。そ、そんな場所に立ってる方が悪い…ぐほぉっ!?」
「死ねっ、死ねぇぇぇっ!」
「や、やめ…死ぬっ、マジで死ぬっ!?」
愛斗は横に転がり、踏み抜きを躱わすと、目の前の脚をとり、相手を地面に転がす。
「きゃっ!?」
その後、すかさずマウントをとり相手を抑えつけた。
「形勢逆転だ!よくもやって………は?じ、獣人?」
「は、は~な~せ~っ!」
女の子は愛斗の下でジタバタ暴れた。
「離しても良いが…襲わないと誓うか?」
「誓う、誓うから降りてよっ!」
愛斗は素早くマウントを解除し、バックステップで距離をとる。
「全く…心配して損したわっ!じゃあねっ、人間!」
「ちょぉぉぉぉっと待ったぁぁぁぁっ!!」
「な、何よ!?」
愛斗は女の子を全力で呼び止めた。
「助けてくれっ。道に迷ったんだ!」
「はぁ?何で私がヘンタイを助けなきゃいけないのよ?寝言は寝てから言いなさいよねっ!」
「た、頼むよっ!此処で見捨てられたら確実に野垂れ死んじまうっ!」
女の子の目が光った。
「ふ~ん…じゃあ土下座して助けて下さいミーア様って言ってみなさいよ?」
「助けて下さいミーア様。」
愛斗は光の速さで土下座した。
「ち、ちょっと!あなたプライドってものは無いの!?」
「プライドで生きられるなら苦労はせんわっ!?んなもんドブに捨てても俺は助かりたいんだよっ!」
「へ、ヘンタイな上にプライドも無いなんて…。あなた…男としてそれで良いの!?」
「知らねーよ!?兎に角助けてくれ!いきなり草原に放り出されて分けわかんねぇんだよ!」
「は?何それ?」
愛斗は女の子に事情を話した。
「ふ~ん…。確かに見た事無い物だらけだけどさ~…。」
「本当なんだって!信じてくれよぉ~。ここで捨てられたら確執に死ぬ!せめて人里まで案内プリーズ!」
「えぇ~…。報酬も無いのに?」
「ほ、報酬?」
「そ、報酬。世の中タダより高いモノは無いってね?あなたお金…持ってる訳ないよね。」
「日本円しかないな。ま、この世界じゃゴミでしかないんだろう。」
「あなた、何か金を稼ぐ手段はある?貸しにしといてもいいけど。」
愛斗は考えた。
「手っ取り早く稼ぐならカジノだな。カードがあればなお良い。」
「ギャンブルってあんた…クズね。」
「仕方無いだろう!?こんな危ない世界で大金稼ぐなんてそれしか思い浮かばねぇんだからよ!?」
「はぁ…。分かったわよ。じゃあ…取り敢えず町までは連れて行くけど、そこからはあなたの好きにしたら良いわ。報酬は忘れないでよね?」
「た、助かる!」
こうして愛斗はいきなり不思議な世界に飛ばされ、偶然通り掛かった女の子、ミーアに救われたのであった。
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