夢追い人~異世界に飛ばされた残念な男は気ままに暮らす~

夜夢

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第1章 異世界らしい。

02 欲望の町ガラテア

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    愛斗はミーアと言う獣人に連れられ町へと向かっていた。その間に、この世界について話を聞いていた。

    どうやらこの世界は死後の世界では無いらしい。

    この世界はユースティアと言われる世界で、多数の種族が暮らす剣と魔法が存在する世界らしい。命の価値はとても安く、殺人や犯罪は日常茶飯事らしい。何て世界だ…涙が出るぜ。

    通貨についても教えて貰った。この世界は共通の貨幣がある。銅貨、銀貨、金貨、後は手形だ。価値は銅貨が100円、銀貨が1000円、金貨が10000円、手形は100万以上からだそうだ。

    そして、この世界で稼ぐ方法も教えて貰った。

    まずは冒険者。これは冒険者ギルドと言う施設に登録し、命を賭けて稼ぐ手段。勿論却下だ。俺はただの人間だ。そんなのはチーターがやれば良い。俺は多少心得があるだけの一般人だ。 

    次に商人。町から町へ物資を運び、客のニーズに合わせて品物を売り買いする。これは商業ギルドと言う施設に登録が必要らしい。勿論、これも却下だ。そもそもこの世界について全くの初心者な俺には不可能だ。

    最後にギャンブル。いわゆるカジノだ。これから行く町には運良くカジノがあるらしい。一番楽だがリスキーだ。そもそも無一文な俺には無理かもしれない。早急に種銭が必要だ。何か売れる物がないか先に店に行ってみなきゃな。

    そんな話をしている内に町に着いた。

「止まれ、身分証を見せろ。無いなら銀貨1枚だ。」

「み、ミーアさぁん?」

「もうっ!貸しだかんね!?ちゃんと返してよ!? 」

「あざまっす!えと、はい。銀貨1枚。」

「うむ、確かに。お前、身分証無いのか?無いなら冒険者ギルドに行って作って貰うと良いぞ?無いと毎回銀貨1枚だからな?不便だろうに。」

「は、はぁ。まぁ、暫く町から出ないんで。必要になったら行きますわ。」

「そうか、まぁ君の自由だからな。ようこそ、ガラテアへ。」

    愛斗は漸く人里に辿り着いた。

「じゃ、私は冒険者ギルドに行くから。あ、後私はこの町の宿に泊まってるから、報酬、ちゃんと持ってきなさいよね?」

「分かったよ。じゃあ、世話になったな。」

    愛斗はミーアと別れ、道具屋を探した。

「すいませ~ん。」

「はいは~い、んっ♪…ちょっと待ってね~。あっ♪」

    奥から声が聞こえた。ふむ、何をしていたかは知らないフリをしよう。

「お、お待たせしましたぁ。ご用は?」

    現れたのは巨乳の兎獣人だった。ミーアが戦闘力1としたら、この女店主は100はあるだろう。うむ、眼福だ。上気した顔も艶っぽい。いやいや、リアル女はいらん。俺は二次元に生きると決めたのだ!…決めたが…これは反則だろう…。

「じゃ、またのご利用を。」

「また注文するわ~。で、貴方は?」

「今のは?」

「王都からの仕入れ。此処は冒険者もそんなに強くないからポーションとか大量に必要なのよねぇ~。って、だから用は?」

「あ、ああ。すまない、買い取りを頼みたいんだが。」

「買い取り?何を?」

    愛斗はカバンの中身をカウンターに乗せていく。

「これらの中でどれか買える物はあるか?」

    店主は手に取り品物を確認していく。

「これは?」

「ボールペンだな。インクをつけなくても書けるタイプの奴だ。中にインクが入っている。」

「へぇ~。金貨1枚。次、これ。」

「螺巻き式の時計だな。ここが1日24時間なら問題なく使える。」

「ふ~ん?珍しいわね。1日は24時間だから問題なく使えそう。これは金貨10枚。次は…これは?」

「それは結束バンドだな。穴に通して使う。バラバラになるのを防ぐ便利道具だ。それに使い方次第では人を拘束出来る。」

「ふ~ん…、金貨2枚ね。後はダメね。合計金貨13枚だけど、それでいいかな?」

    えっと…金貨13枚だから13万か。

「因みに宿屋1泊幾らかわかります?」

「確か…ご飯別で1日銀貨5枚だったかしら。」

    ふむ、十分だな。

「はい、金貨13枚で大丈夫です。」

    愛斗は店主から、代金を受け取り道具屋を出た。

「さて、取り敢えずこの世界の貨幣は手に入った。先ずは拠点となる宿屋に行くか。暫くはカジノ通いと情報集めだな。やれやれ…どうなるやら。」

    愛斗は通行人に道を尋ねながら宿屋とカジノの場所を確認した。

「よし、カジノの場所は把握した。明日から世話になるぜ…くくくくっ。」

    愛斗は悪い笑みを浮かべカジノを見上げた後、拠点となる宿屋へと向かった。

「あ、ミーアさん?」

「あら?愛斗だったわね、金を返しに来たのかしら?」

「あ、はい。これ、借りた金っす。」

「うん、確かに。じゃ、私はギルド行くわ。じゃあね~。」

「うぃっす。」

    愛斗はミーアに挨拶をし、宿屋の店主にチェックインを頼んだ。

「すまない、取り敢えず1週間借りたいのだが。」

「ウチは前払いだよ。金貨3枚に銀貨5枚ね。」

    愛斗は代金を支払い、鍵を受けとり、借りた部屋に入った。

「ふぅ~…やっと休める…。異世界ハード過ぎだろう…。地球人には少し厳しいぜ…。」

    愛斗はベッドになった途端眠ってしまった。何もかもが初めての事でかなり気を使っていたのだろう。朝まで起きる事は無かった。 
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