夢追い人~異世界に飛ばされた残念な男は気ままに暮らす~

夜夢

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第2章 ダンジョンって美味いの?

01 いざ、ダンジョンへ!

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    愛斗は荷物を整理した後、1人乗り合い馬車でダンジョンを目指していた。

「ダンジョンかぁ~。どんな所だろうなぁ。」

    そんな愛斗に冒険者風の女が話し掛けてきた。

「あんた、見ない顔だね。新人くん?」

「ん?あぁ。最近冒険者になったばかりだ。名はマナト。宜しく。」

「私は【ミュール】。ダンジョンには何回か潜ってる。宜しくね。」

「へぇ~。ダンジョンってやっぱり稼げるの?」

「腕があればね?あんたは腕に自信がありそうだね?」

「そんな事は無いさ。ま、安全に行くよ。無茶はしない。」

「それが良いさね。命あっての物種だしね。じゃ、私は就くまで寝るよ。」

    そう言って女はマントにくるまって寝た。他の冒険者達もダンジョンアタックに備え、休息をとっていた。

「俺も寝るか。」

    馬車は凡そ1日かけて漸くダンジョンへと到着した。皆次々と馬車を降りていく。

「ん~っ!尻がいてぇ…。ずっと座ってたからなぁ。さて、入り口はっと。」

    他の冒険者達に続いて入り口へと向かった。

「これが入り口かぁ。地下に行く仕様なんだな。さて、行きますか、初ダンジョン!」

    愛斗は地下1階へと続く階段を降りて行った。

 《職業:夢追い人がレベルが7にあがりました。》

「おぉ、やはり!夢だったもんなぁダンジョン。さてさて、中はどうなってるのかねぇ♪」

    中は洞窟みたいな感じで岩肌が剥き出しの状態だった。以外にも明るい。光る苔みたいな物が生えており、松明は必要ないみたいだ。

「これなら問題なく戦闘に集中出来そうだ。じゃあ…行くか。」

    愛斗はどんどん先に進む事にした。ゲームでの経験上、浅い階層では大したアイテムは拾えないからだ。駆け出し冒険者達を尻目に、愛斗は次々と階層を攻略し、現在地下10階。巨大な扉の前に立っていた。

「紛れもなく階層ボスが居るなぁこれは。ん?開かないな。誰か中で戦っているのか。仕方ない、暫く待つか。」

    愛斗は干し肉を噛りながら扉が開くのを待っていた。

    カチリ。

    鍵の開く音が聞こえた。

「お、開いたみたいだな。さてさて、初のボスは何かねぇ~。」

    愛斗はワクワクしながら扉を開いて中に入った。

「大きい…ゴブリン?ゴブリンキングか?」

    中には大きなゴブリンが1体、剣を構えて立っていた。

「まぁ…最初だしこんなもんだよな。さっさと倒して次行くか。」

    愛斗は刀を取り出し、正眼に構える。

「コイツ…ツヨイ…。」

「お、喋った?マジか!」

「コイ…!」

「じゃあ遠慮なく。ふっ!!」

    愛斗は地を蹴り、真っ直ぐ敵に斬りかかる。

「ハヤイ…!」

「おせーよ。」

    愛斗は剣を振り下ろそうとした敵の腕をサクッと切り落とした。

「ギャアァァァウ!」

「はいはい、今トドメを刺してあげますからね~。」

    愛斗は敵の腹に拳を撃ち込み、前に崩れてきた敵の首を刀で落とした。首を落とされた敵は光となって消えた。

「お、宝箱発見。中身は…ハイポーションか。一応貰っとくか。」

    敵を倒した事で先に続く扉の鍵が開いた。

「先に進むか。この部屋にあった人骨…負けた奴らのなんだろうなぁ。ナムー。」

    愛斗は祈りを捧げて先へと進んだ。

    その後も大した敵は居なく、愛斗は地下15階まで進む。すると、前方で見知った顔の冒険者を見つけた。

「あれは確か…ミュールだったか。苦戦しているみたいだな。防具もボロボロだし。」

    ミュールはかなり苦戦した様だ。あちこちに傷を負っていた。

「よ、馬車ぶり。」

「あんたは…確かマナトとか言ったな。1人か?」

「まぁな。それより…大分やられたみたいだな。」

「ゴブリンキングで回復薬を使いすぎたのさ。今日はここまでかな。あんたは…平気そうだね?」

「あんなの余裕だっつーの。1人で帰れるか?」

「ああ、脱出アイテムもあるし問題ないさね。じゃ、私はこれで。」

「お~。気を付けてな~。」

    ミュールはアイテムを使いダンジョンから帰って行った。

「あんなのに苦戦する様じゃまだまだだねぇ。さて、俺は進みますか。次のボスは誰かね~。」

    愛斗は相変わらず呑気にダンジョンを探索していた。

「此処等の冒険者はレベルが低いのかな。周りに誰もいなくなったな。」

    それもその筈。愛斗は既に未攻略の地下19階へと到達していた。

「次のボス部屋の前で休むか。どうせ誰も来ないだろうしな。」

    愛斗は地下20階に降り、ボス部屋を見つけるとその扉の脇に結界石を置きテントを出した。

「これでモンスターは近づけないだろ。さて…飯食って寝よ。」

    愛斗は食事をとり、テントの中に入った。

「おやすみ~。」

    突然テントに人が飛び込んで来た。

「た、助かったぁ~。」

「な、ななな誰だよ!折角寝ようとしてたのに!」

「あ、ごめんなさい…。あの…私は国家騎士見習いで名を【ユーキ】と申します。お願い、一晩泊めて!もう限界なの~。」

    ユーキと名乗った女はあちこち傷だらけで、装備もボロボロ。とても大丈夫そうには見えない状態だった。本人の進言通り限界が近い様に見えた。

「一晩だけな。回復したら帰れよ。」

「あの~…回復アイテムと帰還アイテムを持ってたりは…。」

「は?お前…持ってねぇの!?」

「仲間が持ってました…。でも途中でモンスターハウスにハマりまして…。私だけ命からがら逃げて来たのです。」

「そりゃあ災難だったな。ほら、脱出アイテム。明日帰れよ?」

「あ、ありがとうございます!えっと…」

「マナト・シーナだ。マナトで良い。」

「はいっ!マナトさん!あの…マナトさんは1人ですか?」

「見たら分かるだろう?」

「1人で此処まで…随分強いのですね。」

「モンスターハウスにもハマらなかったしな。それより早く休めよ。俺も寝るからさ。じゃあ、おやすみ。」

「は、はい。おやすみなさい。」

    愛斗は横になりユーキに背を向けて寝た。ユーキは壊れた装備を外し、床に置いた。

「う~…。支給された装備がぁ~…。はぁ…。また怒られるのかぁ~…。うぅ…寒いよぉ~。」

「はぁ…毛布いるか?」

「えっ!い、良いのっ!」

「五月蝿くて眠れないからな…。ほら、使えよ。」

「えへへ…ありがとうございます…♪」

    ユーキは毛布を借り身体をくるんだ。愛斗はそれを確認し、横になる。ユーキは頭まで毛布に入り直ぐに寝た様だ。

(帰す前に話を聞くか。理由次第じゃ助けてやらん事もない。)

    愛斗はユーキに背を向け、眠りに就くのであった。
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