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第一章 最初の国エルローズにて
第22話 悪党退治
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村から南東に進む事数時間、馬車よりも速く、鳥よりも高く飛べる総一朗はすでにコルセット領にあるドーン・コルセット侯爵の住む町へと潜入していた。
「なんだこの暗い雰囲気の町は……。それに歩いているのは男ばかりだ。どうなってやがる」
何の情報も仕入れずいきなり侯爵邸へと乗り込む総一朗ではない。仮にこれが弁慶と義経ならば町にすら入れなかっただろう。
「……情報を集めるなら酒場だな。行ってみるか」
総一朗は黒い布で顔を隠し酒場に向かった。
「……いらっしゃい」
「「「……」」」
店主も客も暗く沈んでいた。まるで通夜のようだ。
「なんにします?」
「とりあえずエールを」
「はいよ」
しばらくするとカウンターのテーブルにエールが置かれた。
「あんた……冒険者かい?」
「そうだが何か?」
「ちっ、まさか侯爵の部下になりにきたわけじゃねぇだろうな」
「なに?」
店主は顔をしかめながら洗い物を始めた。
「この町の冒険者はよぉ、高い金を払ってくれる侯爵の私兵になってんだ」
「ほう、冒険者がか」
「そうだ。しかもその金がどこから出てるかわかるか? 妻や恋人、娘を侯爵に奪われた俺達の税金だ! やってられっかよ……くそがっ」
「それは……たまらんな。その奪われた女達はどうしてるんだ?」
「あぁっ!?」
店主の表情がさらに険しくなった。
「侯爵に汚されて……気に入られたら強制的にメイドだ。気に入られなかった奴は奴隷落ちだ。買い戻すにも金はねぇ。助けたくても助けられねぇんだ!」
「国はなんとかしてくれないのか?」
「するわけがねぇ。侯爵の裏には隣国の【ドミニオン帝国】がついている。奴はそこの犬だ。この国は小せぇ国だ。もし侯爵の機嫌を損ねたら帝国が戦を仕掛けてきかねねぇ。国王は裁きたくても裁けねぇのさ」
「なるほど。なら聞くが……仮に侯爵が突然死んだらどうなる?」
「あ? そりゃあ……皆喜ぶに決まってるだろ」
「違う。帝国は動くのか聞いている」
「……さあな。死に方にもよるんじゃねぇ……ってお前さん、なぜそんな事を聞く……」
総一朗はカウンターに銀貨を一枚置き席を立った。
「お、おい釣り」
「いらん。とっておけ。それと……今夜侯爵は死ぬ」
「なっ!? ま、まさかあんた……暗部の?」
「なんだそれは。俺はただの冒険者だ。酒、美味かったぜ。じゃあな」
「お、おい!」
総一朗は振り返らずに酒場を出た。
「侯爵が死ぬ……だ? まさかあいつ……殺る気か?」
それに居合わせた客が口を出す。
「無理だろ。侯爵の館には何人冒険者がいると思ってんだか」
「そうだな。明日にはあいつの死体が川に浮かんでるだろうよ」
「奴は侯爵の力を知らないんだ。期待させるような事言うなっつーの」
「……そうだよな」
そうして酒場内が再び暗くなった頃、総一朗は闇に紛れて侯爵邸に侵入していた。
「ふぁぁぁ……あ。暇だな。見回りなんて意味あんのかねぇ」
屋敷内の廊下を男が一人で巡回していた。
「ん? むぐっ!? んぅぅぅっ!?」
総一朗は気配を殺し男の背後をとり口を塞ぐ。そして短刀で喉を切り裂いた。
「こういう奴が出るから見回りは必要なんだよ。覚えておきな」
そして死体と血溜まりを魔法の袋に詰め込み、再び姿を消し移動する。そうして進む事三階、扉の前に二人の男が立っていた。
「あぁ~だりぃな。侯爵様は今頃中でお楽しみ、羨ましいねぇ」
「まぁまぁ。俺達にも回ってくんじゃねぇか」
「それでも侯爵の後だろ? 汚くて使えねぇよ。あんな豚の後にやれっかよ」
「ああ、そりゃあるな」
なんて下品な会話だと思ったがひとまず様子を見る事にした。
それからしばらくすると扉が開き、中からオークに似た男が現れた。男は女を廊下に投げ捨て男二人に言った。
「そいつを奴隷商人に売り払え。股も緩いし相手にならん」
「へ、へぇ」
「わかりやした。おい、運ぶぞ」
「ふんっ」
男二人が女を抱え反対側の廊下へと消えた。オークは肩をいからせ扉を閉める。
「……行くか」
総一朗は足音を消しながら扉の前に立ちノックした。
「侯爵様! あの女が逃げ出しました!」
「なにぃっ! 早く捕まえろ! 殺しても構わんっ!」
「そ、それが……侯爵様の大事にしていた品を持ち出しまして……」
「な、なんだとぉぉぉぉぉっ!!」
ドスドスと足音が扉に近づいてくる。
「ワシのコレクションを盗まれたのか! ってあん? 誰も……ぐっ──!?」
「おやすみ、豚侯爵」
「き……さ……」
総一朗は侯爵の首に手刀を食らわせ意識を飛ばした。そして中に入り侯爵を椅子に座らせる。
「さあ、俺からのプレゼントだ。好きなだけ飲めよ」
総一朗は失神した侯爵を椅子に座らせ口の中にどんどんアルコールを流し込んでやった。そして十本入れた辺りで今度は窓を開けバルコニーへと引きずっていく。
「酒に酔ったお前は風に当たろうとし、ここから落ちるんだ。俺の女に手を出そうとした罰だ。あの世で反省しておきな」
そう冷たく言い放ち、総一朗は欄干にかけた侯爵を蹴り落とした。数秒後、肉が潰れる音が聞こえた。
「さて、次は家捜しだ」
総一朗は室内をくまなく捜索し、侯爵に加担した冒険者リストを手にした。それと奴隷として売られた女の契約書も奪い、再び闇に紛れて屋敷を後にした。
「後はこの契約書を国王に……いや、公爵に届けるか。人格者らしいからな。そんでこっちは冒険者ギルドだ。確か規約では悪事を働いたら資格剥奪だったな。ま、身から出た錆びだ。せいぜい苦しめ」
そして翌早朝、公爵邸に侯爵が死んだ旨の手紙と無理矢理奴隷契約させられた女のリストが届けられた。これを見た公爵はすぐさま動き、侯爵によって拐われた女達を救い出した。中には間に合わなかった者もいたがそこはどうしようもない。
それと時を同じくし、悪事に加担した冒険者全てが全世界で賞金をかけられ指名手配された。冒険者ギルドは世界中に支部をもっている。これで侯爵に加担した冒険者達にも明日はない。
そして総一朗が立ち寄った酒場では……。
「あ、あなた……あなたぁぁぁぁぁっ!」
「お、お前! どうして!」
「侯爵が死んだのっ! そして……公爵様の軍が私を買った屋敷に来て……! 契約は無効だって……! 今他の人達も帰ってきてるわっ!」
「そうか……! 生きてて良かった! よく生きててくれたっ!」
「あなたっ!」
店主はボロボロになった妻を抱きかかえた。そしてカウンターを見る。
「まさかあの兄ちゃんが……。いや、ありえねぇよな。一人で殺るなんて」
「どうしたのあなた?」
「いや……なんでもねぇ。さ、ゆっくり休め。疲れただろ?」
「えぇ……」
そして公爵邸では公爵が敷地に投げ込まれた手紙をずっと眺めていた。
「この手紙……差出人はいったい誰だろうな、セバス」
「私にはわかりかねますなぁ。朝庭を掃除していたら投げ込まれたもので」
「ふっ、まぁ良い。これで膿が一つ消えた。誰かは知らんがなかなかやりおるわ。わざわざ事故に見せ掛けて殺すとはな。恐らく帝国の怒りを買わないためにこうしたのだろう。少し興味が沸いたな」
「探させますか?」
「いや、もしかしたらもう一つの膿も消してくれるかも知れんからな。もうしばらく泳がせておこう。暗部には伯爵をマークさせておけ」
「かしこまりました」
こうして、侯爵の件は事故死として処理され、コルセット領は公爵の息がかかった新たな貴族へと引き継がれるのであった。
「なんだこの暗い雰囲気の町は……。それに歩いているのは男ばかりだ。どうなってやがる」
何の情報も仕入れずいきなり侯爵邸へと乗り込む総一朗ではない。仮にこれが弁慶と義経ならば町にすら入れなかっただろう。
「……情報を集めるなら酒場だな。行ってみるか」
総一朗は黒い布で顔を隠し酒場に向かった。
「……いらっしゃい」
「「「……」」」
店主も客も暗く沈んでいた。まるで通夜のようだ。
「なんにします?」
「とりあえずエールを」
「はいよ」
しばらくするとカウンターのテーブルにエールが置かれた。
「あんた……冒険者かい?」
「そうだが何か?」
「ちっ、まさか侯爵の部下になりにきたわけじゃねぇだろうな」
「なに?」
店主は顔をしかめながら洗い物を始めた。
「この町の冒険者はよぉ、高い金を払ってくれる侯爵の私兵になってんだ」
「ほう、冒険者がか」
「そうだ。しかもその金がどこから出てるかわかるか? 妻や恋人、娘を侯爵に奪われた俺達の税金だ! やってられっかよ……くそがっ」
「それは……たまらんな。その奪われた女達はどうしてるんだ?」
「あぁっ!?」
店主の表情がさらに険しくなった。
「侯爵に汚されて……気に入られたら強制的にメイドだ。気に入られなかった奴は奴隷落ちだ。買い戻すにも金はねぇ。助けたくても助けられねぇんだ!」
「国はなんとかしてくれないのか?」
「するわけがねぇ。侯爵の裏には隣国の【ドミニオン帝国】がついている。奴はそこの犬だ。この国は小せぇ国だ。もし侯爵の機嫌を損ねたら帝国が戦を仕掛けてきかねねぇ。国王は裁きたくても裁けねぇのさ」
「なるほど。なら聞くが……仮に侯爵が突然死んだらどうなる?」
「あ? そりゃあ……皆喜ぶに決まってるだろ」
「違う。帝国は動くのか聞いている」
「……さあな。死に方にもよるんじゃねぇ……ってお前さん、なぜそんな事を聞く……」
総一朗はカウンターに銀貨を一枚置き席を立った。
「お、おい釣り」
「いらん。とっておけ。それと……今夜侯爵は死ぬ」
「なっ!? ま、まさかあんた……暗部の?」
「なんだそれは。俺はただの冒険者だ。酒、美味かったぜ。じゃあな」
「お、おい!」
総一朗は振り返らずに酒場を出た。
「侯爵が死ぬ……だ? まさかあいつ……殺る気か?」
それに居合わせた客が口を出す。
「無理だろ。侯爵の館には何人冒険者がいると思ってんだか」
「そうだな。明日にはあいつの死体が川に浮かんでるだろうよ」
「奴は侯爵の力を知らないんだ。期待させるような事言うなっつーの」
「……そうだよな」
そうして酒場内が再び暗くなった頃、総一朗は闇に紛れて侯爵邸に侵入していた。
「ふぁぁぁ……あ。暇だな。見回りなんて意味あんのかねぇ」
屋敷内の廊下を男が一人で巡回していた。
「ん? むぐっ!? んぅぅぅっ!?」
総一朗は気配を殺し男の背後をとり口を塞ぐ。そして短刀で喉を切り裂いた。
「こういう奴が出るから見回りは必要なんだよ。覚えておきな」
そして死体と血溜まりを魔法の袋に詰め込み、再び姿を消し移動する。そうして進む事三階、扉の前に二人の男が立っていた。
「あぁ~だりぃな。侯爵様は今頃中でお楽しみ、羨ましいねぇ」
「まぁまぁ。俺達にも回ってくんじゃねぇか」
「それでも侯爵の後だろ? 汚くて使えねぇよ。あんな豚の後にやれっかよ」
「ああ、そりゃあるな」
なんて下品な会話だと思ったがひとまず様子を見る事にした。
それからしばらくすると扉が開き、中からオークに似た男が現れた。男は女を廊下に投げ捨て男二人に言った。
「そいつを奴隷商人に売り払え。股も緩いし相手にならん」
「へ、へぇ」
「わかりやした。おい、運ぶぞ」
「ふんっ」
男二人が女を抱え反対側の廊下へと消えた。オークは肩をいからせ扉を閉める。
「……行くか」
総一朗は足音を消しながら扉の前に立ちノックした。
「侯爵様! あの女が逃げ出しました!」
「なにぃっ! 早く捕まえろ! 殺しても構わんっ!」
「そ、それが……侯爵様の大事にしていた品を持ち出しまして……」
「な、なんだとぉぉぉぉぉっ!!」
ドスドスと足音が扉に近づいてくる。
「ワシのコレクションを盗まれたのか! ってあん? 誰も……ぐっ──!?」
「おやすみ、豚侯爵」
「き……さ……」
総一朗は侯爵の首に手刀を食らわせ意識を飛ばした。そして中に入り侯爵を椅子に座らせる。
「さあ、俺からのプレゼントだ。好きなだけ飲めよ」
総一朗は失神した侯爵を椅子に座らせ口の中にどんどんアルコールを流し込んでやった。そして十本入れた辺りで今度は窓を開けバルコニーへと引きずっていく。
「酒に酔ったお前は風に当たろうとし、ここから落ちるんだ。俺の女に手を出そうとした罰だ。あの世で反省しておきな」
そう冷たく言い放ち、総一朗は欄干にかけた侯爵を蹴り落とした。数秒後、肉が潰れる音が聞こえた。
「さて、次は家捜しだ」
総一朗は室内をくまなく捜索し、侯爵に加担した冒険者リストを手にした。それと奴隷として売られた女の契約書も奪い、再び闇に紛れて屋敷を後にした。
「後はこの契約書を国王に……いや、公爵に届けるか。人格者らしいからな。そんでこっちは冒険者ギルドだ。確か規約では悪事を働いたら資格剥奪だったな。ま、身から出た錆びだ。せいぜい苦しめ」
そして翌早朝、公爵邸に侯爵が死んだ旨の手紙と無理矢理奴隷契約させられた女のリストが届けられた。これを見た公爵はすぐさま動き、侯爵によって拐われた女達を救い出した。中には間に合わなかった者もいたがそこはどうしようもない。
それと時を同じくし、悪事に加担した冒険者全てが全世界で賞金をかけられ指名手配された。冒険者ギルドは世界中に支部をもっている。これで侯爵に加担した冒険者達にも明日はない。
そして総一朗が立ち寄った酒場では……。
「あ、あなた……あなたぁぁぁぁぁっ!」
「お、お前! どうして!」
「侯爵が死んだのっ! そして……公爵様の軍が私を買った屋敷に来て……! 契約は無効だって……! 今他の人達も帰ってきてるわっ!」
「そうか……! 生きてて良かった! よく生きててくれたっ!」
「あなたっ!」
店主はボロボロになった妻を抱きかかえた。そしてカウンターを見る。
「まさかあの兄ちゃんが……。いや、ありえねぇよな。一人で殺るなんて」
「どうしたのあなた?」
「いや……なんでもねぇ。さ、ゆっくり休め。疲れただろ?」
「えぇ……」
そして公爵邸では公爵が敷地に投げ込まれた手紙をずっと眺めていた。
「この手紙……差出人はいったい誰だろうな、セバス」
「私にはわかりかねますなぁ。朝庭を掃除していたら投げ込まれたもので」
「ふっ、まぁ良い。これで膿が一つ消えた。誰かは知らんがなかなかやりおるわ。わざわざ事故に見せ掛けて殺すとはな。恐らく帝国の怒りを買わないためにこうしたのだろう。少し興味が沸いたな」
「探させますか?」
「いや、もしかしたらもう一つの膿も消してくれるかも知れんからな。もうしばらく泳がせておこう。暗部には伯爵をマークさせておけ」
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