スキルで快適!異世界ライフ(痛)

夜夢

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第02章 少年期

16 サキュバス風俗店について

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    サキュバス。魔族としては非常に有名であり、彼女達は人間の精を糧に生きる種族である。吸いすぎると相手を殺してしまうが、吸われた相手は極上の笑みを浮かべながら昇天するのが常だ。

    蓮はそんなサキュバスと組み、羅刹国にサキュバス風俗店を出店させていた。その種類は様々。実際に身体を使うソープから自宅に呼べるデリヘル、身請けも可能な遊郭、果ては酒を飲みながら一夜を楽しむキャバクラまで、羅刹国は巨大な歓楽街を有する街として近隣諸国で有名になっていた。魔族の領地と知りながらも、連日近隣諸国から男が訪れ、金と精を吐き出していく。

「うははははは!笑いが止まらんな!」

「おほほほほほ♪凄いわねっ♪部屋一面金貨のプールだわっ♪」

    サキュバスの長の部屋は金貨が敷き詰められていた。全部が風俗営業で人間の落としていった金だ。

「貴方の商才…半端無いわね!何処でこんな知識を?」

「くくくっ、それは秘密だ。しかし…男はバカだなぁ…。一時の快楽を得る為に自らエサになりに来るとは…。」

「あら?仕方無いわよ。だって私達サキュバスはその道のプロですもの♪けど…こうも簡単に稼げるのは貴方のお陰ね♪魔族領だけじゃこんなに上手くはいかなかったでしょうし。感謝してるわ。」

「いや、此方こそだ。お陰で人間との関係も悪くない方に向かっている。俺の国が有名になったのもサキュバスのお陰だ。ありがとよ。」

「いえいえ♪これからも宜しくね?国王様?」

「ああ。」

    この件で急激に国力を失っていったのが、隣国【バートレット王国】である。歓楽街が出来て以降、バートレット王国の男達は羅刹国に来ては金を落としていく。つまり、バートレットの稼ぎはまるまる羅刹国に入ると言う事態に陥っていた。

「なぁ、また羅刹国行こうぜ?」

「当たり前だ。もうあの国無しじゃ生きていけなくなっちまったぜ…。あぁ…稼ぎたい!」

「しかしよ~、何かバートレットの店、結構潰れてねぇか?あそこの飲食店も閉まっちまったしよ?」

「当然だな。羅刹国に一番近いこの町の店はもうダメだろ。何せ…羅刹国の店は食いもんも安いし、美味いし、店員は薄着な上可愛いし!此処で食うなら羅刹国行って食うわ!」

「「「だな。」」」

    これに不満を抱えるのはバートレットの女達だ。連日バートレットの王城には女達から多数の苦情が寄せられていた。

「はぁぁ…またか。羅刹国に歓楽街が出来てからと言うもの…この手の苦情で持ちきりだな。」

「王よ、如何されますか?民に羅刹国への入国を禁止させますか?」

「そしたら今度は男達から苦情が来るだろうが。実際…歓楽街が出来てからと言うもの、我が国の性犯罪率が下がっておる。今更禁止令等出したら…。」

    早急に対処しなかったバートレットは最早手遅れとなっていた。男の中には羅刹国にそのまま住んでしまった民も多く居る。バートレットの人口は徐々に減っていた。

「これは明らかに侵略行為ですぞ。羅刹国に抗議しては?」

「何と抗議する?男達が行くのは自分の意思だろう。抗議した所であっちからすればじゃあ来なくて結構と言われて終わりだろうに。」

    バートレットに残された手段はもう無かった。

    そんなある日、遂に羅刹国に蓮の店がオープンした。

「お前等、俺の分身として恥ずかしい真似はするなよ?」

「分かってるって。俺達は文字通りお前の分身、ま、姿は弄られてるけどな。」

    蓮は自分の分身を作り、女目当ての店を作っていた。酒と会話と一夜限りの出会いを楽しむ店、【不夜城】。まぁ、ホストクラブだな。

「狙いはバートレットの女達だ。営業行って来い!稼いで稼いで稼ぎまくるぞ!バートレットの女達からあるだけ全部吸い尽くせ!」

「「「うぃ~っス♪」」」

    もう最低だ。

「ちょ~っとゴメンね~?」

    蓮は分身しバートレットの町に向かった。高級なスーツに身を包み、目に付いた女に声を掛ける。

「な、何…わわっ!滅茶苦茶イケメン!?な、なんでしょうか!?」

    蓮は懐から名刺を取り出し、女に渡した。

「今度羅刹国に【不夜城】って店をオープンしてね。あ、俺は【レンジ】って言うんだけどさ。」

「レンジさん…♪」

「そ。初回は小金貨3枚で一時間飲み放題と俺が相手するからさ?良かったら来てよ?もし来てくれたら…もう一時間サービスしちゃうよ?勿論…」

    蓮はこっそり彼女に耳打ちした。

「勿論…個室で一時間たっぷりね。初回はサービスだよ。君可愛いから特別。」

    彼女は顔を真っ赤にしていた。これは間違いなく来る。

    蓮は顔を離して言った。

「店には俺の他にもキャストいるからさ、良かったら友達も連れて来て良いよ。でも…君には俺を選んで欲しいかな?」

「い、行きます!絶対行きます!」

「うん、待ってるね。じゃあ…またね。」

    と、蓮は彼女の頬に軽くキスをし、帰って行った。彼女は腰を抜かした様にヘナヘナと地面に座ってしまった。

「こ…これは………広めなきゃ!女性専用風俗!待っててね!レンジさんっ!貴方の為に頑張るわっ!」

    世界初のホストクラブ。バートレットの女達はこぞって不夜城へと通い出した。

「レンジさ~ん♪」

「やぁ、待ってたよ。あれ、後ろの娘達は?」

「あ、と、友達です。入れますか?」

「勿論♪不夜城へようこそ。レイ、ヒカル、トモ。」

「「「はい。」」」

    蓮の分身が更に3体。

「「「「皆イケメン!!?」」」」

「うわ、マジで!皆滅茶苦茶可愛いじゃん!仕事忘れて楽しんじゃおっかな~?」

「バカ、仕事とか言うなよトモ。俺達だって楽しむんだからさ。確かにお金は貰うけどね。いらっしゃい、来てくれてありがとう。じゃあ…君、僕と行こうか?」

「は、はぃぃぃ…♪」

    こんな感じで1人が客を1人連れて中に入る。全員入った所で説明した。

「じゃあシステムの説明ね。初回一時間はこのメニューの中から好きなお酒を飲み放題で、小金貨3枚ね。フードは今回だけサービスするから好きなの頼んで良いよ。で、もっと居たいなぁって思ってくれたら一時間小金貨3枚で延長出来るからね。で、ここからが本題。個室でのサービスを今回はタダで提供してあげるね。次回からは金貨2枚。オーケー?」

    女が質問した。

「こ、個室では何を?」

「それは…言えないかな。けど…男女が個室に入るんだ。大体想像出来るよね?それで合ってるよ。」

「な…。だ、誰でも?」

「勿論。不夜城を宜しくね?じゃあ…乾杯しよっか。」

「は、はいぃぃぃっ♪」

    この店は滅茶苦茶繁盛した。男はサキュバス、女は蓮でバートレットの人間は骨抜きになっていった。

「ちょっと~?レンく~ん?随分稼いでるみたいじゃない?」

    サキュバスの長が来店した。

「いらっしゃいませ。ご希望のコースは?」

「あん♪勿論、個室直行で♪」

「…では此方へ。」

    蓮はサキュバスの長と個室に入った。

「ふふふ…♪バートレット、落ちたわね。降伏させちゃう?」

「いいや?あっちから頭を下げてきたら考えるわ。」

「しかしまぁ…女を楽しませて落とすなんて…クズねぇ~。」

「心外だなぁ。やってる事はサキュバスと変わらないじゃないか。」

「…全部貴方の分身体じゃない。よくあんなの出来るわねぇ…。今も誰か抱いてるんでしょ?」

「今は…2人個室に入ってるな。あ、3人になったわ。」

「最高にクズい!?」

「ははは、最初はお願いしたが、今はあっちから来てるんだ。これもお前達が男を奪ったからだぞ?」

    サキュバスの長は笑った。

「私達…良いパートナーみたいね♪相性抜群じゃない♪そう思わない?」

「ああ、最高にゲスいな、俺達。この調子で人間ハメて楽しもうぜ。」

「あんっ♪これからもお世話になるわ…♪レンくん…♪んっ…んあっ♪」

    こうして、バートレットは衰退していくのであった。
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