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第3章 打倒、聖フランチェスカ教国編
13 怒る青龍
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青龍が大神殿に向かった三日後、青龍は少女を抱え戻ってきた。アーレスは塔の外で二人と対面する。
「アーレス様、我が姫をあなたの託します」
「はあ? 託すってなんだ。青龍、どこへ行く」
「無論、教皇を氷漬けにし、バラバラにしてやるのです。アレは契約を破り……あろう事か幼い姫様に! 私なら大神殿に入れます。私が奴を殺す!!」
「あ、おいっ!」
青龍はアーレスの制止もきかず、少女をアーレスに手渡し、自分は大神殿へと戻っていった。
「姫ってあいつ……。俺は敵だぞ?」
「んん……青龍……うっうっ……え? あ、あなたは──」
「あ、こら暴れ──」
突如目を覚ました姫がアーレスの腕の中で暴れ始め、そして落下した。
「うぅぅぅぅ~っ! 今までで一番酷かった! 絶対裂けた!」
「お前が暴れたからだろうが、俺は悪くない」
「ならすぐに抜いてくれたら良かったじゃないかっ! それをあんな……!」
「それは……すまん。思いの外良くてつい……」
アーレスは最後まで致していた。
「それよりアーレス様~、青龍を追いかけなくても良いの?」
「追いかけてどうする。結界がある限り俺達は大神殿に入れないんだぞ」
「アーレスちゃん、とりあえずその子離そ? ね?」
「あ、はい……」
ヘラが少女を持ち上げアーレスから引き離す。その時最後まで致した証が垂れたが、少女は構わずアーレスに頭を下げてきた。
「お願いしますっ! 青龍を助けてっ!」
「そうしてやりたいがな……俺達は大神殿に入れないんだ。助けようがない」
「うぅぅぅっ! じゃあどうしたら……」
「とりあえずこの塔は破壊しよう。それから一度大神殿に行ってみるか」
「あ、ありがとう! あ、そうだ。私は龍人族の姫【ウィンディ・チョーカー】です!」
「俺はアーレスだ。さて、塔を破壊するか。閻土魔法──」
アーレスは塔に向かい手をかざす。すると突如大地が揺れ始める。
「な、ななななに!?」
「【ギガントスパイク】」
「え──えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
アーレスが魔法を唱えると氷の塔より一回り大きい岩の槍が地中から生え、一瞬で氷の塔を破壊した。
「す、凄いけど……なに今の……!」
「閻土魔法。魔界の土を操る魔法だ。小閻魔から習った」
「小閻魔??」
「精霊だよ。俺は精霊使いでな。精霊から本物の魔法を習っているんだよ」
「本物の……魔法──! こ、これなら青龍を助けられるかも!」
「助けてやりたいが……な。とにかく行くぞ。ヘラ、朱雀!」
「はぁ~い」
「行こっか~」
そしてアーレスは三人を引き連れ大神殿の入り口に向かった。
「ん? あれは……酷いな」
「み、みんなっ!!」
「あ、朱雀さんっ!!」
大神殿の前には無惨な姿となり、身体を串刺しにされた火鳥族の女が晒し者にされていた。
「酷い……っ。顔もわからないくらい腫れて……」
「朱雀さん……」
遺体は結界の外に置かれていたため、アーレスは五人の火鳥族を杭から外し、地面に寝かせた。
「まだいけるか……とりあえず【ダークヒール】」
アーレスは火鳥族の傷を癒し、綺麗な遺体に変えた。
「どうするのアーレスちゃん?」
「転移魔法陣を使いウルスラを呼んでくる」
「ウルスラ? まさか──」
「ああ。【転移魔法陣】!」
アーレスは地面に魔王国と繋がる転移魔法陣を設置し、ウルスラを呼びに向かう。それからウルスラを従え、再び大神殿の前に転移してきた。
「ウルスラ、なんとかなりそうか?」
「ん、ギリギリ間に合う。任せて」
ウルスラは死者を操る力を持つ。どうやら遺体は死後それほど時間が経っていなかったらしく、ウルスラの死者蘇生が間に合った。
「あれ……私達……なんで?」
「みんな!」
「「「「朱雀様!」」」」
朱雀は涙を流しながら五人に抱きついた。
「ごめんみんなぁぁぁっ! ボクが……ボクがアーレス様の仲間になったせいでこんなっ!」
「仲間? 朱雀様、何も謝ることはありません」
「え?」
火鳥族は笑みを浮かべ朱雀を抱き締めた。
「ここに送られた時点でこうなる事は覚悟してました」
「みんな……」
「教国に逆らえる者なんて現れない。私達はいつか死ぬだろうって思ってたんです」
「ま、最後は悲惨な死に方だったけどね。何人から汚されたかわかんなかったし」
「みんなぁ……っ」
「朱雀様。私達は枷にはなりたくありません。死ぬ事で朱雀様を解放してあげられると思ってました。なのに……なぜ生き返ったのでしょう?」
その問い掛けにアーレスが応える。
「君達は正確には生き返っていない。この魔王軍幹部ウルスラの力で生きる屍になったんだ」
「生きる屍……?」
「そうだ。生命活動は停止しているが、心臓の代わりに核が動いている状態だ。だから歳はとらないし、腐りもしない」
「そう……ですか。アーレス様、もう一度朱雀様に会わせて頂き感謝いたします」
「ああ。とりあえず君達はウルスラと共に魔王国に退避しててくれるか? 俺達はこのまま結界を破り大神殿に突入する」
「わ、わかりました。朱雀様……」
火鳥族の五人は立ち上がり朱雀に頭を下げた。
「お力になれず申し訳ありません!」
「必ず教国を倒して下さいっ!」
「あ、中にいる騎士は全員殺して下さいよ?」
「私達を玩具にした人間を焼き殺して下さい!」
「じゃないと……アーレス様を狙っちゃいますよ?」
「お、お前ら! アーレスはボクのだからな! 早く行けっ!」
「「「「「あはははははっ」」」」」
そうしてアーレスは再び転移魔法陣を敷く。
「ウルスラ、魔王国に変わりはないか?」
「ん、ないよ? ただ……魔王様が不機嫌。早く終わらせてきて」
「……それは怖いなぁ。わかった、なるべく早く終わらせて帰るよ」
「ん。じゃあ……また」
こうして火鳥族を復活させたアーレスは大神殿を見上げ呟いた。
「さて、この結界をどうしてくれようか」
アーレスは結界を破る方法を模索するのだった。
「アーレス様、我が姫をあなたの託します」
「はあ? 託すってなんだ。青龍、どこへ行く」
「無論、教皇を氷漬けにし、バラバラにしてやるのです。アレは契約を破り……あろう事か幼い姫様に! 私なら大神殿に入れます。私が奴を殺す!!」
「あ、おいっ!」
青龍はアーレスの制止もきかず、少女をアーレスに手渡し、自分は大神殿へと戻っていった。
「姫ってあいつ……。俺は敵だぞ?」
「んん……青龍……うっうっ……え? あ、あなたは──」
「あ、こら暴れ──」
突如目を覚ました姫がアーレスの腕の中で暴れ始め、そして落下した。
「うぅぅぅぅ~っ! 今までで一番酷かった! 絶対裂けた!」
「お前が暴れたからだろうが、俺は悪くない」
「ならすぐに抜いてくれたら良かったじゃないかっ! それをあんな……!」
「それは……すまん。思いの外良くてつい……」
アーレスは最後まで致していた。
「それよりアーレス様~、青龍を追いかけなくても良いの?」
「追いかけてどうする。結界がある限り俺達は大神殿に入れないんだぞ」
「アーレスちゃん、とりあえずその子離そ? ね?」
「あ、はい……」
ヘラが少女を持ち上げアーレスから引き離す。その時最後まで致した証が垂れたが、少女は構わずアーレスに頭を下げてきた。
「お願いしますっ! 青龍を助けてっ!」
「そうしてやりたいがな……俺達は大神殿に入れないんだ。助けようがない」
「うぅぅぅっ! じゃあどうしたら……」
「とりあえずこの塔は破壊しよう。それから一度大神殿に行ってみるか」
「あ、ありがとう! あ、そうだ。私は龍人族の姫【ウィンディ・チョーカー】です!」
「俺はアーレスだ。さて、塔を破壊するか。閻土魔法──」
アーレスは塔に向かい手をかざす。すると突如大地が揺れ始める。
「な、ななななに!?」
「【ギガントスパイク】」
「え──えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」
アーレスが魔法を唱えると氷の塔より一回り大きい岩の槍が地中から生え、一瞬で氷の塔を破壊した。
「す、凄いけど……なに今の……!」
「閻土魔法。魔界の土を操る魔法だ。小閻魔から習った」
「小閻魔??」
「精霊だよ。俺は精霊使いでな。精霊から本物の魔法を習っているんだよ」
「本物の……魔法──! こ、これなら青龍を助けられるかも!」
「助けてやりたいが……な。とにかく行くぞ。ヘラ、朱雀!」
「はぁ~い」
「行こっか~」
そしてアーレスは三人を引き連れ大神殿の入り口に向かった。
「ん? あれは……酷いな」
「み、みんなっ!!」
「あ、朱雀さんっ!!」
大神殿の前には無惨な姿となり、身体を串刺しにされた火鳥族の女が晒し者にされていた。
「酷い……っ。顔もわからないくらい腫れて……」
「朱雀さん……」
遺体は結界の外に置かれていたため、アーレスは五人の火鳥族を杭から外し、地面に寝かせた。
「まだいけるか……とりあえず【ダークヒール】」
アーレスは火鳥族の傷を癒し、綺麗な遺体に変えた。
「どうするのアーレスちゃん?」
「転移魔法陣を使いウルスラを呼んでくる」
「ウルスラ? まさか──」
「ああ。【転移魔法陣】!」
アーレスは地面に魔王国と繋がる転移魔法陣を設置し、ウルスラを呼びに向かう。それからウルスラを従え、再び大神殿の前に転移してきた。
「ウルスラ、なんとかなりそうか?」
「ん、ギリギリ間に合う。任せて」
ウルスラは死者を操る力を持つ。どうやら遺体は死後それほど時間が経っていなかったらしく、ウルスラの死者蘇生が間に合った。
「あれ……私達……なんで?」
「みんな!」
「「「「朱雀様!」」」」
朱雀は涙を流しながら五人に抱きついた。
「ごめんみんなぁぁぁっ! ボクが……ボクがアーレス様の仲間になったせいでこんなっ!」
「仲間? 朱雀様、何も謝ることはありません」
「え?」
火鳥族は笑みを浮かべ朱雀を抱き締めた。
「ここに送られた時点でこうなる事は覚悟してました」
「みんな……」
「教国に逆らえる者なんて現れない。私達はいつか死ぬだろうって思ってたんです」
「ま、最後は悲惨な死に方だったけどね。何人から汚されたかわかんなかったし」
「みんなぁ……っ」
「朱雀様。私達は枷にはなりたくありません。死ぬ事で朱雀様を解放してあげられると思ってました。なのに……なぜ生き返ったのでしょう?」
その問い掛けにアーレスが応える。
「君達は正確には生き返っていない。この魔王軍幹部ウルスラの力で生きる屍になったんだ」
「生きる屍……?」
「そうだ。生命活動は停止しているが、心臓の代わりに核が動いている状態だ。だから歳はとらないし、腐りもしない」
「そう……ですか。アーレス様、もう一度朱雀様に会わせて頂き感謝いたします」
「ああ。とりあえず君達はウルスラと共に魔王国に退避しててくれるか? 俺達はこのまま結界を破り大神殿に突入する」
「わ、わかりました。朱雀様……」
火鳥族の五人は立ち上がり朱雀に頭を下げた。
「お力になれず申し訳ありません!」
「必ず教国を倒して下さいっ!」
「あ、中にいる騎士は全員殺して下さいよ?」
「私達を玩具にした人間を焼き殺して下さい!」
「じゃないと……アーレス様を狙っちゃいますよ?」
「お、お前ら! アーレスはボクのだからな! 早く行けっ!」
「「「「「あはははははっ」」」」」
そうしてアーレスは再び転移魔法陣を敷く。
「ウルスラ、魔王国に変わりはないか?」
「ん、ないよ? ただ……魔王様が不機嫌。早く終わらせてきて」
「……それは怖いなぁ。わかった、なるべく早く終わらせて帰るよ」
「ん。じゃあ……また」
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