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第3章 打倒、聖フランチェスカ教国編
17 教皇親衛騎士隊
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アーレス達が大神殿に突入し数分後、首と胴がお別れしていた白虎の胴体が不意に動き、背に亀裂が走った。
「なんっだアイツ!? 何されたか全くわからないまま首落ちたぞ!?」
白虎の体内から一回り小さい白虎が無傷の状態で現れた。
「全く、俺様の職業が【人形師】で助かったぜ」
白虎の職業は人形師だった。この人形師とは他者を操る能力がある他、自身を人形にする事もできる。先ほどアーレスの一閃を受けた瞬間、白虎のスキルが自動発動し、絶命には至らなかったのである。
ただ、このスキルは死に瀕する度に身体が一回り小さくなるデメリットを持つ。死ぬ前は三メートルほどあった巨大な体躯も、今は五十センチほど縮んでいた。
「くそっ、悔しいが今の俺様じゃアイツに勝てる気がしねぇ。どうやら結界も消えたようだし……戦場になる前にここを脱出しちまうか。アイツ……確か魔王国とか言ってやがったな。なら……目指すは南の大陸だな。そこで力を蓄えて必ず復讐してやるぜぇぇぇっ! 覚えてやがれよっ!!」
白虎はしぶとくも生き残り、港へと向かい中央大陸から泳いで逃げ出したのだった。
そしてそれを知らないアーレスは大神殿の中を歩きながらヘラに謝っていた。
「白虎は私が殺るって言ったのに~!」
「すまん母さん。いきなり現れたものでつい反射的に身体が動いて……」
「ついじゃありませんっ! アーレスちゃん!」
「は、はい」
ヘラは地下牢へ下りる階段を背にし、アーレスに言った。
「この戦いが終わったら罰を与えます!」
「ば、罰?」
「ええ。だから……必ず生きて! 教皇を殺して皆で魔王国に帰るわよ!」
「あ、ああ。わかった。今度こそ約束しよう」
そしてヘラ達は地下牢に進み、アーレスは一人エントランスを歩き上へと進んだ。
「……さて、そろそろ出てきたらどうだ?」
アーレスはエントランス中央で止まり、その場で辺りに聞こえるように声を発した。すると周りにあった柱の陰から四人の騎士が姿を見せた。
「気配は完全に絶っていたはずですがね」
「私達に気付くなど……中々やるようですね」
「教皇様に逆らう者は容赦しないわよ」
「世界の平和を乱す悪人め! この勇者が相手になるわっ!」
現れた四人はヘラから耳にした情報通り、教皇親衛騎士隊のようだ。だがアーレスは知らない振りをし、四人に問い掛けた。
「誰だお前ら。騎士なら名前くらい名乗れよな」
「……ふむ。悪人に名乗る名などないが……貴様を殺す者の名を知らねば未練が残るやもしれんからな。仕方ないが名乗るとしようか」
そう言い、丹精なマスクに鍛え上げられた腹筋をのぞかせる青い髪を肩まで伸ばした眼鏡の男が名乗る。
「俺は闘神【ヴェルティゴ】だ。闘いにおいて右に出る者はいない」
次に武術着を着た細身の男が名乗る。
「私は武神【アンバー】だ。あらゆる武を極めし者なり」
続いて派手なローブをまとい、大きな膨らみを強調する女が杖を構えながら名乗った。
「私は賢神【アニエス】よ。あらゆる魔法を使いこなす魔法のエキスパートってとこかしら」
そして最後に黒髪で黒い瞳を持ち、身の丈にそぐわない大剣を背負う少女が名乗る。
「私は教皇親衛騎士隊隊長を務める勇者【マドカ】よ! 悪人は私が倒すんだから!」
どうやら間違いなくこの四人は教皇親衛騎士隊だと確信したアーレスは四人に向かい自身の名を告げた。
「俺は魔王国バハートス国王のアーレスだ。職業は精霊使い、貴様らの使う借り物の魔法とは違う本物の魔法を使う者だ」
この名乗りにいち早く反応したのが賢神アニエスだ。
「借り物の魔法ですって? それは聞き捨てならないわね。あなた、私に魔法勝負で勝てるとでも?」
「ああ、余裕だね。賢神? 後ろに見習いでも付けたらどうだ?」
「──っ! ふ……ふふふふっ! 決めたわ! あんたは私が殺す!! 三人は手を出さないで」
アーレスは心の中で笑った。
「アニエス、どうみても今のは挑発だろう。四人で戦えば良いではないか」
「うるさいヴェルティゴ! 私の魔法がバカにされたのよ!?」
「わかった。なら一人で殺ってみせろ」
「言われなくても!」
三人は上の階へと続く階段前まで下がり、エントランスの中央でアーレスとアニエスが対峙する。
「魔法勝負よ。魔法の腕に自身があるんでしょ? まさか逃げたりしないわよね?」
「逃げる? 弱者から逃げたりするわけないだろう」
「こ──い、良いわ。勝ち負けはどうする?」
「死ぬか降参を口にした時点で負けでどうだ?」
「良いわ。ああ、あと後ろの三人には戦いが終わるまで手を出さないでちょうだい」
「構わんよ」
挑発されたかと思いきやアニエス達は冷静だった。どうやらアニエスは挑発されたふりをし、先鋒として三人にアーレスの力を確認させる役割を選択したようだ。
「いくわよっ! 炎よ巻き起これ!! 【ファイアストーム】!!」
「はぁ? なんだそれ? 【ダークウォーター】」
「え? なっ!?」
確かにアーレスを炎の嵐が包み込んだ。だがアーレスは全くの無傷で、しかも冥水の下級魔法を無詠唱で使い、難なくアニエスの放った炎の嵐を消した。
「ダ、ダークウォーターってなによ!」
「はあ? おいおい、あんたあらゆる魔法を使いこなすって言ってなかったか? まさか知らないとでも?」
「うぐっ! し、知ってるわよそれくらい!! 賢神を舐めるんじゃないわよっ!」
「ははははっ、舐めるのはこれからだ。ほら、早く次の魔法を撃てよ。じゃないとこっちから撃つぞ?」
「くっ──! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アニエスは怒りに任せ魔法を連発するのだった。
「なんっだアイツ!? 何されたか全くわからないまま首落ちたぞ!?」
白虎の体内から一回り小さい白虎が無傷の状態で現れた。
「全く、俺様の職業が【人形師】で助かったぜ」
白虎の職業は人形師だった。この人形師とは他者を操る能力がある他、自身を人形にする事もできる。先ほどアーレスの一閃を受けた瞬間、白虎のスキルが自動発動し、絶命には至らなかったのである。
ただ、このスキルは死に瀕する度に身体が一回り小さくなるデメリットを持つ。死ぬ前は三メートルほどあった巨大な体躯も、今は五十センチほど縮んでいた。
「くそっ、悔しいが今の俺様じゃアイツに勝てる気がしねぇ。どうやら結界も消えたようだし……戦場になる前にここを脱出しちまうか。アイツ……確か魔王国とか言ってやがったな。なら……目指すは南の大陸だな。そこで力を蓄えて必ず復讐してやるぜぇぇぇっ! 覚えてやがれよっ!!」
白虎はしぶとくも生き残り、港へと向かい中央大陸から泳いで逃げ出したのだった。
そしてそれを知らないアーレスは大神殿の中を歩きながらヘラに謝っていた。
「白虎は私が殺るって言ったのに~!」
「すまん母さん。いきなり現れたものでつい反射的に身体が動いて……」
「ついじゃありませんっ! アーレスちゃん!」
「は、はい」
ヘラは地下牢へ下りる階段を背にし、アーレスに言った。
「この戦いが終わったら罰を与えます!」
「ば、罰?」
「ええ。だから……必ず生きて! 教皇を殺して皆で魔王国に帰るわよ!」
「あ、ああ。わかった。今度こそ約束しよう」
そしてヘラ達は地下牢に進み、アーレスは一人エントランスを歩き上へと進んだ。
「……さて、そろそろ出てきたらどうだ?」
アーレスはエントランス中央で止まり、その場で辺りに聞こえるように声を発した。すると周りにあった柱の陰から四人の騎士が姿を見せた。
「気配は完全に絶っていたはずですがね」
「私達に気付くなど……中々やるようですね」
「教皇様に逆らう者は容赦しないわよ」
「世界の平和を乱す悪人め! この勇者が相手になるわっ!」
現れた四人はヘラから耳にした情報通り、教皇親衛騎士隊のようだ。だがアーレスは知らない振りをし、四人に問い掛けた。
「誰だお前ら。騎士なら名前くらい名乗れよな」
「……ふむ。悪人に名乗る名などないが……貴様を殺す者の名を知らねば未練が残るやもしれんからな。仕方ないが名乗るとしようか」
そう言い、丹精なマスクに鍛え上げられた腹筋をのぞかせる青い髪を肩まで伸ばした眼鏡の男が名乗る。
「俺は闘神【ヴェルティゴ】だ。闘いにおいて右に出る者はいない」
次に武術着を着た細身の男が名乗る。
「私は武神【アンバー】だ。あらゆる武を極めし者なり」
続いて派手なローブをまとい、大きな膨らみを強調する女が杖を構えながら名乗った。
「私は賢神【アニエス】よ。あらゆる魔法を使いこなす魔法のエキスパートってとこかしら」
そして最後に黒髪で黒い瞳を持ち、身の丈にそぐわない大剣を背負う少女が名乗る。
「私は教皇親衛騎士隊隊長を務める勇者【マドカ】よ! 悪人は私が倒すんだから!」
どうやら間違いなくこの四人は教皇親衛騎士隊だと確信したアーレスは四人に向かい自身の名を告げた。
「俺は魔王国バハートス国王のアーレスだ。職業は精霊使い、貴様らの使う借り物の魔法とは違う本物の魔法を使う者だ」
この名乗りにいち早く反応したのが賢神アニエスだ。
「借り物の魔法ですって? それは聞き捨てならないわね。あなた、私に魔法勝負で勝てるとでも?」
「ああ、余裕だね。賢神? 後ろに見習いでも付けたらどうだ?」
「──っ! ふ……ふふふふっ! 決めたわ! あんたは私が殺す!! 三人は手を出さないで」
アーレスは心の中で笑った。
「アニエス、どうみても今のは挑発だろう。四人で戦えば良いではないか」
「うるさいヴェルティゴ! 私の魔法がバカにされたのよ!?」
「わかった。なら一人で殺ってみせろ」
「言われなくても!」
三人は上の階へと続く階段前まで下がり、エントランスの中央でアーレスとアニエスが対峙する。
「魔法勝負よ。魔法の腕に自身があるんでしょ? まさか逃げたりしないわよね?」
「逃げる? 弱者から逃げたりするわけないだろう」
「こ──い、良いわ。勝ち負けはどうする?」
「死ぬか降参を口にした時点で負けでどうだ?」
「良いわ。ああ、あと後ろの三人には戦いが終わるまで手を出さないでちょうだい」
「構わんよ」
挑発されたかと思いきやアニエス達は冷静だった。どうやらアニエスは挑発されたふりをし、先鋒として三人にアーレスの力を確認させる役割を選択したようだ。
「いくわよっ! 炎よ巻き起これ!! 【ファイアストーム】!!」
「はぁ? なんだそれ? 【ダークウォーター】」
「え? なっ!?」
確かにアーレスを炎の嵐が包み込んだ。だがアーレスは全くの無傷で、しかも冥水の下級魔法を無詠唱で使い、難なくアニエスの放った炎の嵐を消した。
「ダ、ダークウォーターってなによ!」
「はあ? おいおい、あんたあらゆる魔法を使いこなすって言ってなかったか? まさか知らないとでも?」
「うぐっ! し、知ってるわよそれくらい!! 賢神を舐めるんじゃないわよっ!」
「ははははっ、舐めるのはこれからだ。ほら、早く次の魔法を撃てよ。じゃないとこっちから撃つぞ?」
「くっ──! はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アニエスは怒りに任せ魔法を連発するのだった。
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