45 / 227
第2章 改革
20 召還命令
しおりを挟む
あれから数回戦い、ミーニャは単独でホーリードラゴンを圧倒できるまで成長を遂げていた。
「むふー。ミーニャかなりつよくなった!」
「そうだな。いや、獣人は強いな。人間とは性能が違うわ……」
ホーリードラゴンとの戦いでミーニャのレベルは100まで上がっていた。動きも鍛練を始める前と今とではまるで別物だ。素早さに関しては常時高速移動を使っているかのように速い。
「さて、そろそろ鍛練を始めて一ヶ月になるか。一度屋敷に戻ろうか」
「ん! ひさしぶりにベッドでごろごろ!」
「ははっ、そうだな」
このダンジョンは転移が可能らしい。俺は二十一階層へと降りる階段の前で屋敷へと転移した。
「だだいま~」
「あ、ミーニャちゃん! ご主人様も」
屋敷に戻るとすぐに少女達が出迎えてくれた。
「戻った。不在の間変わりはなかったか?」
「私達に変わりはなかったです。ですが三日前にこれが」
「ん?」
俺は少女から封筒を受け取った。封筒の裏には王家の封蝋が押されている。
「これは王家からの手紙じゃないか」
俺は書斎にいき内容を確認した。
《ジェイド子爵。これを読み次第登城されたし。これからの事について話がある。私も多忙な身ではあるが、いつそなたが来ても良いように時間は開けておく。 グラムヘイズ王国国王 オッド・グラムヘイズ》
「これからの話か。ついに邪神教が国教となる日がきたようだな。辺境伯については思わぬトラブルがあり、公爵の時はかなり強引な手を使った。だが全てはこのためだ。さあ、邪神教の名世界に轟かせてやろうじゃないか」
俺は正装に着替え、腰に烏丸を備えて城門前へと向かった。ちなみに手紙は一度デルモートに届いたそうだ。国王は俺が王都に屋敷を持っている事を知らないらしい。別に教える義理もないが。
「ジェイド子爵、国王より手紙を賜った。命に応じ推参した。お目通り願う」
「はっ! どうぞ、ジェイド子爵様」
俺は別室に通され国王の準備が整うのを待つ。しばらく待つと国王の準備が整ったのか、兵が迎えにきた。俺は兵の案内に従い謁見の間へと向かう。
「お久しぶりです、国王様」
「きたか、ジェイド子爵よ。ライゼの件ではすまなかったな」
「いえ」
「加えて、弟からも邪神教を認めると話があった。これでお主は私の出した条件を全て満たした事になるな」
「はい」
国王は長く息を吐き、俺に言った。
「ジェイド子爵よ、そなたとの約束通り、このグラムヘイズ王国は私の権限に於いて国教を邪神教とする」
ようやくここまできたか。
「なお、これは私の代だけの措置とし、次代の王とは改めて話し合いをせよ。不服はあるか?」
なるほどな。何かあっても切れるように今代限定にしたのか。中々頭が回るようだ。不服を申し立てたら不敬罪にあたる。やってくれるな。
「いえ、不服などありません」
「そうか。では話は以上だ。国の名を汚さぬようにこれからも励んでくれい」
「……はっ」
俺は謁見の間を後にした。そして屋敷の書斎へと戻る。
「……クソがっ! 今代限りだと? 誰が言い出した……」
俺は謁見した時の状況を振り返る。
「あのニヤケ面……、言い出したのは宰相か。クソが。それに流される王も王だ。どうやら仕置きが必要なようだな」
ひとまず俺は魔都デルモートに戻りモーリーと邪神に邪神教が期間限定で国教となった事を伝えた。
「ついにやりましたな! あの底辺だった邪神教が国に認められるように……!」
「アホか。全然認められてねぇよ」
「え?」
デルモートも理解しているようだ。
「そうじゃな。これで喜ぶのはアホモーリーくらいじゃ」
「え? え?」
「わからぬか? 国王は今代限りと言ったのじゃ。明日にでも王が代わればまた振り出しに戻る。王はまだ認めてはおらんのじゃ」
「そ、そんな……! だってあちらから出された条件は全て満たしたはず! なぜ……」
俺はソファーに投げ出した身体を起こしながらモーリーに言った。
「宰相だ。奴は謁見の際に俺を見ながら笑っていた。おそらくこれを考えたのはあのクソ野郎だ。確かに俺は永続的に国教にしろとは言わなかった。どうやら甘かったらしい」
「……ふむ。ジェイド、どうする?」
俺は灰色の脳細胞をフル稼働させ、どうこの国を乗っ取ろうか考える。もちろんあの宰相はぶっ殺す。
「あ、そうだジェイド」
「ん?」
隣に座る邪神が何かを思い出したかのように俺に言った。
「ミューズ男爵が死んだぞ」
「……は? あの殺しても死にそうにない男爵がか?」
「うむ。北の森で竜の群れに遭遇したらしくてな。コルドら騎士を逃がすために自ら時間を稼いだらしい。戻ったコルドから話を聞き妾が確認に行ったが……、聞いた場所には血塗れの鎧しかなかった」
あの婆さん死んだのか。惜しい人物を亡くしたな。
「……そうか。コルドはどうしてる?」
「己の未熟さを悔やみながら毎日ハードな訓練を重ねておるようじゃ。限界レベルにまで成長しておるからもう強くはなれんと言うのにのう……」
「はぁ……。限界レベルか。キツイな」
「限界レベルは親に依存しておる。主神がそう決めたのじゃ。クソじゃろ?」
「ああ、クソ過ぎるわ。歪んだ世界だな、ここは」
その後俺は訓練場へと向かう。そこでは蒼騎士やミューズに命を救われた騎士達が鬼のような形相で剣を振っていた。
「クソッ! 俺がもっと強かったら……っ!」
「ミューズ男爵……! 厳しいけど優しい方だった……! 俺は仇すら討てないのかっ!」
「くそぉっ……くそぉぉぉぉぉぉっ!!」
痛々しい姿だ。これが真に愛された者の最後だ。
「……何とかしてやりたいが今の俺じゃなにもしてやれん。頑張って乗り越えてくれ、コルド……」
俺は静かに訓練場を後にし、屋敷へと戻るのであった。
「むふー。ミーニャかなりつよくなった!」
「そうだな。いや、獣人は強いな。人間とは性能が違うわ……」
ホーリードラゴンとの戦いでミーニャのレベルは100まで上がっていた。動きも鍛練を始める前と今とではまるで別物だ。素早さに関しては常時高速移動を使っているかのように速い。
「さて、そろそろ鍛練を始めて一ヶ月になるか。一度屋敷に戻ろうか」
「ん! ひさしぶりにベッドでごろごろ!」
「ははっ、そうだな」
このダンジョンは転移が可能らしい。俺は二十一階層へと降りる階段の前で屋敷へと転移した。
「だだいま~」
「あ、ミーニャちゃん! ご主人様も」
屋敷に戻るとすぐに少女達が出迎えてくれた。
「戻った。不在の間変わりはなかったか?」
「私達に変わりはなかったです。ですが三日前にこれが」
「ん?」
俺は少女から封筒を受け取った。封筒の裏には王家の封蝋が押されている。
「これは王家からの手紙じゃないか」
俺は書斎にいき内容を確認した。
《ジェイド子爵。これを読み次第登城されたし。これからの事について話がある。私も多忙な身ではあるが、いつそなたが来ても良いように時間は開けておく。 グラムヘイズ王国国王 オッド・グラムヘイズ》
「これからの話か。ついに邪神教が国教となる日がきたようだな。辺境伯については思わぬトラブルがあり、公爵の時はかなり強引な手を使った。だが全てはこのためだ。さあ、邪神教の名世界に轟かせてやろうじゃないか」
俺は正装に着替え、腰に烏丸を備えて城門前へと向かった。ちなみに手紙は一度デルモートに届いたそうだ。国王は俺が王都に屋敷を持っている事を知らないらしい。別に教える義理もないが。
「ジェイド子爵、国王より手紙を賜った。命に応じ推参した。お目通り願う」
「はっ! どうぞ、ジェイド子爵様」
俺は別室に通され国王の準備が整うのを待つ。しばらく待つと国王の準備が整ったのか、兵が迎えにきた。俺は兵の案内に従い謁見の間へと向かう。
「お久しぶりです、国王様」
「きたか、ジェイド子爵よ。ライゼの件ではすまなかったな」
「いえ」
「加えて、弟からも邪神教を認めると話があった。これでお主は私の出した条件を全て満たした事になるな」
「はい」
国王は長く息を吐き、俺に言った。
「ジェイド子爵よ、そなたとの約束通り、このグラムヘイズ王国は私の権限に於いて国教を邪神教とする」
ようやくここまできたか。
「なお、これは私の代だけの措置とし、次代の王とは改めて話し合いをせよ。不服はあるか?」
なるほどな。何かあっても切れるように今代限定にしたのか。中々頭が回るようだ。不服を申し立てたら不敬罪にあたる。やってくれるな。
「いえ、不服などありません」
「そうか。では話は以上だ。国の名を汚さぬようにこれからも励んでくれい」
「……はっ」
俺は謁見の間を後にした。そして屋敷の書斎へと戻る。
「……クソがっ! 今代限りだと? 誰が言い出した……」
俺は謁見した時の状況を振り返る。
「あのニヤケ面……、言い出したのは宰相か。クソが。それに流される王も王だ。どうやら仕置きが必要なようだな」
ひとまず俺は魔都デルモートに戻りモーリーと邪神に邪神教が期間限定で国教となった事を伝えた。
「ついにやりましたな! あの底辺だった邪神教が国に認められるように……!」
「アホか。全然認められてねぇよ」
「え?」
デルモートも理解しているようだ。
「そうじゃな。これで喜ぶのはアホモーリーくらいじゃ」
「え? え?」
「わからぬか? 国王は今代限りと言ったのじゃ。明日にでも王が代わればまた振り出しに戻る。王はまだ認めてはおらんのじゃ」
「そ、そんな……! だってあちらから出された条件は全て満たしたはず! なぜ……」
俺はソファーに投げ出した身体を起こしながらモーリーに言った。
「宰相だ。奴は謁見の際に俺を見ながら笑っていた。おそらくこれを考えたのはあのクソ野郎だ。確かに俺は永続的に国教にしろとは言わなかった。どうやら甘かったらしい」
「……ふむ。ジェイド、どうする?」
俺は灰色の脳細胞をフル稼働させ、どうこの国を乗っ取ろうか考える。もちろんあの宰相はぶっ殺す。
「あ、そうだジェイド」
「ん?」
隣に座る邪神が何かを思い出したかのように俺に言った。
「ミューズ男爵が死んだぞ」
「……は? あの殺しても死にそうにない男爵がか?」
「うむ。北の森で竜の群れに遭遇したらしくてな。コルドら騎士を逃がすために自ら時間を稼いだらしい。戻ったコルドから話を聞き妾が確認に行ったが……、聞いた場所には血塗れの鎧しかなかった」
あの婆さん死んだのか。惜しい人物を亡くしたな。
「……そうか。コルドはどうしてる?」
「己の未熟さを悔やみながら毎日ハードな訓練を重ねておるようじゃ。限界レベルにまで成長しておるからもう強くはなれんと言うのにのう……」
「はぁ……。限界レベルか。キツイな」
「限界レベルは親に依存しておる。主神がそう決めたのじゃ。クソじゃろ?」
「ああ、クソ過ぎるわ。歪んだ世界だな、ここは」
その後俺は訓練場へと向かう。そこでは蒼騎士やミューズに命を救われた騎士達が鬼のような形相で剣を振っていた。
「クソッ! 俺がもっと強かったら……っ!」
「ミューズ男爵……! 厳しいけど優しい方だった……! 俺は仇すら討てないのかっ!」
「くそぉっ……くそぉぉぉぉぉぉっ!!」
痛々しい姿だ。これが真に愛された者の最後だ。
「……何とかしてやりたいが今の俺じゃなにもしてやれん。頑張って乗り越えてくれ、コルド……」
俺は静かに訓練場を後にし、屋敷へと戻るのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる