87 / 227
第4章 シーガロン大陸編
17 さらに貧しい国
しおりを挟む
ジェイドの魔導具でここウェスプール王国は冬でも快適な国に変わった。白虎族や黒狼族も順調に個体数を増やしている。それもジェイドの種でだ。このハーフ達はレベル上限値が五千前後となっており、この世界に最強の種族が生まれたと同義となっていた。
そんなこんなでシーガロン大陸の半分は平和になった。そして残るはもう一つの国【イースプール王国】。俺は商人達にその国にも魔導具の情報を流すように言ったが、未だに買いには来ていない。
「隣の国の奴ら、買いにこねーのな」
すると元王妃が俺に言った。
「もしかすると……買いたくても買えないくらい貧しくなってるんじゃないかしら……」
「あん? それはないだろ。邪神教に入れば実質無料だしよ」
「いえ、買ったらまた持って帰らなきゃならないじゃないですか? その運賃やら移動費が捻出できないのではないかと」
「……嘘だろ。そこまで貧しいのか?」
「はい。こちらも例年より早く雪が積もりギリギリでしたし……、港のないあちらはさらに切迫しているのかも……」
ジェイドはどうしようか考える。
「そのイースプールの人口は?」
「約一万と言った所かしら……? あちらは岩場も多く、あまり人が住める環境ではないので」
「それじゃ畑も作れないか」
「はい。平地はほとんどが森。毎年薪を売りにこちらに来ますが、今年来ない所を見るに……あちらも薪作りに失敗したのではないかと」
「ふむ。なら今は去年の残りだけで生活してるってわけか」
出荷できる物が薪しかないか。さぞ貧しいんだろうな。
「仕方ない、ちょっと俺から言ってくるわ」
「え? そんなぁ……。それじゃあしばらくできなく……」
「お前な……、よし。なら今から孕ませてやる」
「え?」
「孕んだらしばらく出来なくなるだろ。今から全員集めて妊娠パーティーだ!」
この後全員漏れなく俺に孕まされた。俺はハーデスにこの国を任せ、スキル【飛行】で隣国へと飛ぶ。
「ふむ。町が一つしかないのか。あそこが唯一の平地なんだろうな。人口一万人とか国じゃなく町レベルじゃね?」
町には城が一つ。そこを中心とし、円形に町が広がっている。そして海側の外壁が高い。冷たい海からの風を防ぐためだろうか。だがその壁も大分朽ちている。その内崩れるかもしれないな。
そして多少暖かくなったはずだが人気が少ない。空から見た限り歩いている人影がほとんど見られない。
「薪の乾燥作業でもしてんのか?」
俺はとりあえず町の入り口に降り立った。入り口には普通兵士が立っているのだが、そこにも人はいない。とりあえず俺は町に入り酒場に向かった。
「お、人がいるじゃん」
酒場の中は人で溢れていた。
「寒いから酒飲んで暖まるしかないんだよなぁ……」
「全くだ。これからくる冬はどう乗りきればいいんだ……」
「隣の国じゃ薪のいらない暖房器具が販売されてぬくぬく暮らしてんだろうな。こっちは寒さで震えてんのはによぉ……」
楽しい酒のはずなのにそこにいた客からは愚痴しか溢れていなかった。
「いらっしゃい、なんにする? っても酒しか出せないんだけどね」
「ツマミは?」
「火を使わない料理なら。薪も残り少ないんだよ。悪いね……」
「酒だけか。悪酔いしそうだな」
「ここの酒は度数高いからねぇ。ヴォッカって酒なんだけどさ、身体を暖めるために飲む酒なんだよ。あんた、旅人だろ?」
「旅人……いや、違うね」
「え?」
俺は店主に言った。
「出張販売に来た商人だ。薪のいらない魔導具、欲しくない?」
「「「「なんだとっ!!」」」」
「え?」
盗み聞きしていたのだろうか、店内にいた全ての客がガタガタッと椅子を鳴らしこちらに向かってきた。
「あ、あんた……! 魔導具売りに来たって……本当か!?」
「ええ。ウェスプール王国の方にはだいたい行き渡りましたからね。こちらのイースプール王国の方が来られないのでどうしたのかと様子を伺いに来たんですよ」
「う、売ってくれ! いくらだ!?」
俺は群がる客ではなく、酒場の店主にまず交渉した。
「店主、まずはあなたに売りましょう」
「お、俺に?」
「ええ。まずはあなたに宣伝役になってもらいます。邪神教に入っていただければお代はいりません。それで薪のいらないキッチン、食糧を保存出来る冷蔵庫、夏でも冬でも快適に暮らせるエアコンをお譲りしますよ」
「入る! 今すぐ工事してくれ! 頼むっ!」
「わかりました。ではこちらの入団申請書にサインを。ああ、一度入団しましたら抜けられませんよ。よく読んでサインを……」
「これで良いか?」
店主は読む事なくサインを完了させていた。こいつは詐欺に引っ掛かるタイプだな。
「ありがとうございます。では今から取り掛かりましょう」
俺はまずその場でエアコンを創り壁に設置した。
「「「おぉぉぉぉ!? 暖かい風が!?」」」
「「「い、今どうやったんだ!?」」」
次は調理場に入り、元あった釜戸を異次元ボックスに収納、代わりに魔導システムキッチンをセットしてやった。
「な、なんだこれっ!?」
「魔導システムキッチン。店舗用の新商品です。コンロは鍋やフライパンを乗せ、ボタンを押せば熱が出ます。で、調理スペースとその隣に蛇口。排水口の出口は異次元に繋がってますから汚水はそこに流して下さい。では今から簡単に料理をしてみせますから見て覚えて下さい」
「お、おぉ……」
俺はその場でオーク肉のステーキを焼いて見せた。店内に香ばしい良い匂いが漂う。
「……腹減ったな」
「あれ……食いてぇ……!」
俺は肉を焼くと同時に隣のフライパンで赤ワインソースを作り、適当な皿に焼き加減レアのオーク肉ステーキの赤ワインソースがけを盛り付け店主に渡した。
「どうぞ、召し上がれ」
「……ごくり」
店主はナイフとフォークで肉を切り分け口に運ぶ。
「うっ……うめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!? な、なんだこれっ!? 肉が口の中で溶けて消えたっ!? こんなの初めて食ったぞっ!?」
俺は調理場に業務用の冷蔵庫を出して扉を開いた。
「中にオーク肉を入れておきました。サービスです。皆さんに振る舞って下さい」
「い、良いのか!?」
「はい。その代わり……店の一角を貸して下さい。皆さんにも邪神教に入団申請書類にサインしていただきたいので」
「いくらでも使ってくれ! よし、久しぶりに腕を振るうか!」
それから酒場は押し掛けた人でごった返すのであった。
そんなこんなでシーガロン大陸の半分は平和になった。そして残るはもう一つの国【イースプール王国】。俺は商人達にその国にも魔導具の情報を流すように言ったが、未だに買いには来ていない。
「隣の国の奴ら、買いにこねーのな」
すると元王妃が俺に言った。
「もしかすると……買いたくても買えないくらい貧しくなってるんじゃないかしら……」
「あん? それはないだろ。邪神教に入れば実質無料だしよ」
「いえ、買ったらまた持って帰らなきゃならないじゃないですか? その運賃やら移動費が捻出できないのではないかと」
「……嘘だろ。そこまで貧しいのか?」
「はい。こちらも例年より早く雪が積もりギリギリでしたし……、港のないあちらはさらに切迫しているのかも……」
ジェイドはどうしようか考える。
「そのイースプールの人口は?」
「約一万と言った所かしら……? あちらは岩場も多く、あまり人が住める環境ではないので」
「それじゃ畑も作れないか」
「はい。平地はほとんどが森。毎年薪を売りにこちらに来ますが、今年来ない所を見るに……あちらも薪作りに失敗したのではないかと」
「ふむ。なら今は去年の残りだけで生活してるってわけか」
出荷できる物が薪しかないか。さぞ貧しいんだろうな。
「仕方ない、ちょっと俺から言ってくるわ」
「え? そんなぁ……。それじゃあしばらくできなく……」
「お前な……、よし。なら今から孕ませてやる」
「え?」
「孕んだらしばらく出来なくなるだろ。今から全員集めて妊娠パーティーだ!」
この後全員漏れなく俺に孕まされた。俺はハーデスにこの国を任せ、スキル【飛行】で隣国へと飛ぶ。
「ふむ。町が一つしかないのか。あそこが唯一の平地なんだろうな。人口一万人とか国じゃなく町レベルじゃね?」
町には城が一つ。そこを中心とし、円形に町が広がっている。そして海側の外壁が高い。冷たい海からの風を防ぐためだろうか。だがその壁も大分朽ちている。その内崩れるかもしれないな。
そして多少暖かくなったはずだが人気が少ない。空から見た限り歩いている人影がほとんど見られない。
「薪の乾燥作業でもしてんのか?」
俺はとりあえず町の入り口に降り立った。入り口には普通兵士が立っているのだが、そこにも人はいない。とりあえず俺は町に入り酒場に向かった。
「お、人がいるじゃん」
酒場の中は人で溢れていた。
「寒いから酒飲んで暖まるしかないんだよなぁ……」
「全くだ。これからくる冬はどう乗りきればいいんだ……」
「隣の国じゃ薪のいらない暖房器具が販売されてぬくぬく暮らしてんだろうな。こっちは寒さで震えてんのはによぉ……」
楽しい酒のはずなのにそこにいた客からは愚痴しか溢れていなかった。
「いらっしゃい、なんにする? っても酒しか出せないんだけどね」
「ツマミは?」
「火を使わない料理なら。薪も残り少ないんだよ。悪いね……」
「酒だけか。悪酔いしそうだな」
「ここの酒は度数高いからねぇ。ヴォッカって酒なんだけどさ、身体を暖めるために飲む酒なんだよ。あんた、旅人だろ?」
「旅人……いや、違うね」
「え?」
俺は店主に言った。
「出張販売に来た商人だ。薪のいらない魔導具、欲しくない?」
「「「「なんだとっ!!」」」」
「え?」
盗み聞きしていたのだろうか、店内にいた全ての客がガタガタッと椅子を鳴らしこちらに向かってきた。
「あ、あんた……! 魔導具売りに来たって……本当か!?」
「ええ。ウェスプール王国の方にはだいたい行き渡りましたからね。こちらのイースプール王国の方が来られないのでどうしたのかと様子を伺いに来たんですよ」
「う、売ってくれ! いくらだ!?」
俺は群がる客ではなく、酒場の店主にまず交渉した。
「店主、まずはあなたに売りましょう」
「お、俺に?」
「ええ。まずはあなたに宣伝役になってもらいます。邪神教に入っていただければお代はいりません。それで薪のいらないキッチン、食糧を保存出来る冷蔵庫、夏でも冬でも快適に暮らせるエアコンをお譲りしますよ」
「入る! 今すぐ工事してくれ! 頼むっ!」
「わかりました。ではこちらの入団申請書にサインを。ああ、一度入団しましたら抜けられませんよ。よく読んでサインを……」
「これで良いか?」
店主は読む事なくサインを完了させていた。こいつは詐欺に引っ掛かるタイプだな。
「ありがとうございます。では今から取り掛かりましょう」
俺はまずその場でエアコンを創り壁に設置した。
「「「おぉぉぉぉ!? 暖かい風が!?」」」
「「「い、今どうやったんだ!?」」」
次は調理場に入り、元あった釜戸を異次元ボックスに収納、代わりに魔導システムキッチンをセットしてやった。
「な、なんだこれっ!?」
「魔導システムキッチン。店舗用の新商品です。コンロは鍋やフライパンを乗せ、ボタンを押せば熱が出ます。で、調理スペースとその隣に蛇口。排水口の出口は異次元に繋がってますから汚水はそこに流して下さい。では今から簡単に料理をしてみせますから見て覚えて下さい」
「お、おぉ……」
俺はその場でオーク肉のステーキを焼いて見せた。店内に香ばしい良い匂いが漂う。
「……腹減ったな」
「あれ……食いてぇ……!」
俺は肉を焼くと同時に隣のフライパンで赤ワインソースを作り、適当な皿に焼き加減レアのオーク肉ステーキの赤ワインソースがけを盛り付け店主に渡した。
「どうぞ、召し上がれ」
「……ごくり」
店主はナイフとフォークで肉を切り分け口に運ぶ。
「うっ……うめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!? な、なんだこれっ!? 肉が口の中で溶けて消えたっ!? こんなの初めて食ったぞっ!?」
俺は調理場に業務用の冷蔵庫を出して扉を開いた。
「中にオーク肉を入れておきました。サービスです。皆さんに振る舞って下さい」
「い、良いのか!?」
「はい。その代わり……店の一角を貸して下さい。皆さんにも邪神教に入団申請書類にサインしていただきたいので」
「いくらでも使ってくれ! よし、久しぶりに腕を振るうか!」
それから酒場は押し掛けた人でごった返すのであった。
0
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる