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第7章 島国ヤマト編
27 異変
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ここは邪神国デルモート。ジェイドが二体目の神獣青龍を堕とした瞬間、邪神デルモートに異変が起きていた。
「む……むむむっ! ふぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「デ、デルモート様っ!? 如何なされましたかっ!? 」
突然立ち上がり叫ぶデルモートをモーリーが驚き声を掛ける。
「ふ……ふふふふ……ふははははは~! ジェイドめ、やってくれたわ!」
「な、なにをです?」
デルモートの身体からは黒い霧が漏れ出ていた。
「おそらく二体目の神獣が堕ちたな」
「し、神獣? 白虎様のようなですか?」
「うむ。力が漲ってくるわ。これで神獣は二体ずつ、そして神界にはもう神の気配がない。ゼウスめ、主神でありたいがために全ての神を追放したようじゃな。くくくくっ……そろそろ仕掛けようかのう」
「仕掛ける……ですか?」
「うむ」
デルモートは部屋を出るとジェイドの置いていった分身に声を掛けた。
「ジェイド」
「ん? どうした、デルモート」
「至急じゃ、本体を戻すのじゃ」
「あぁ? わあったよ、ちっと待ってな」
それから二時間後、俺は邪神国に戻った。とりあえず青龍族の洞穴を改造し、洞穴内を家に変えていたのだ。決してやっていたわけではないぞ。
「待たせたな、どうしたよ?」
「うむ。ジェイドよ、お主二体目の神獣を堕としたな?」
「ん? ああ、今まさにそいつらの家を作ってたとこだよ。今回堕としたのは青龍族だな」
「やはりな。ジェイドよ、そろそろ神界に行くぞ」
「はぁ?」
俺は突然の話に驚いた。
「神界って俺もか?」
「無論。主の働きで妾は邪神から暗黒神へと進化したのじゃ。そして……おめでとう、次の邪神はお主じゃジェイド」
「はぁぁぁっ!? 何してくれんの!? 俺は神になんかなりたくねぇっつーの」
「妾がしたわけではない。お主が自分でなったのじゃ」
「はぁ? どうやってよ?」
デルモートは俺のシンボルを指差してニヤリと笑った。
「お主、それで神獣二体とやりまくったじゃろ?」
「……ま、まさか……」
心当たりがありすぎる。神獣ばかりか神ともやったぞ。
「神と交わる度にお主は神に近付いていき……妾が進化した事でお主も進化したようじゃ。妾らは繋がっておるからの。ようこそ神の世界へ」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁっ!? 俺は神になんかならんっ! くそ面倒な事が増えるだけじゃねぇか!」
「じゃからもうなっておると言うのに。それにの……神でなければ神界には行けんのじゃ。ゼウスに復讐するのじゃろ?」
「……ゼウスかぁ。あんなボケ老人なんぞもうどうでも良いかなぁ……。それによ、まだ世界も半分しか征服してねぇし。まだ知らん穴が山ほどあるってのによ」
デルモートはずっ転けた。
「ば、ばかか! 神界に行かぬ理由が女!?」
「十分過ぎる理由だろうが。何が悲しくてジジイを殺るために神界なんぞに行かなきゃならんのだ。お前だけでも十分だろ? それとも……どうにかして俺を神界に連れていきたい理由でもあんのか?」
「う……ぐ……」
デルモートが急に口ごもった。どうやら何か理由があるらしい。
「ああ、そうじゃ! 妾は邪神! 神界での人望? など皆無じゃ! 仮にゼウスを殺ったとしても誰も妾には従わんじゃろうっ!」
ぼっち邪神か。あ、泣いてる。なんて可哀想な神だ。
「泣くなよ、別に人望なんてなくても大丈夫だって。逆らう奴は力でねじ伏せりゃ良いだろうがよ」
「ぐすっ。それはダメじゃ。そうすれば確かに簡単に神界を手に入れられるじゃろう。じゃが……それではゼウスとなんら変わらん。妾は……和気藹々とした神界にしたいのじゃ……」
「和気藹々って……。はぁ……、で? 俺が行く理由は?」
「うむ! 女神をそれで食いまくり堕とすのじゃ!」
「なにをしているデルモート! 早くしろっ! 今すぐ乗り込むぞっ!!」
デルモートは再びずっ転けた。俺は華麗な手のひら返しを披露し、ヤる気に満ち溢れている。
「お主なぁ……」
「んだよ、ジジイの相手はお前がするんだろ? なら俺は女神の相手をしようじゃないか! はははははっ!」
ジェイドは知らなかった。今の神界に女神は一柱もいない事を。そしてデルモートもあえて女神がいないとは告げなかった。もし今いないと知ればジェイドは絶対について来ないと思ったからだ。
「全く……。ジェイドよ、一つ言っておくが神界と人間界では時間の流れが違う」
「あん?」
「人間界の一秒が神界では一年となるのじゃ」
「ほ~ん。なら神界に行ってる間もこっちじゃそんなに時間が進まないって事か?」
「うむ。神界で百年過ごそうが人間界では百秒じゃ。じゃから思う存分女神を堕とすが良い」
「言われなくてもヤりまくってやんよ。んじゃ行く前に皆に挨拶しとこうぜ」
「そうじゃな」
俺は関わった国々に置いた分身を通し、少しの間姿を消すと宣言した。そして必ず戻ってくるのでいない間国を頼むと告げた。
ジェイドの愛した者達は文句一つ言わずにある者はジェイドとの子を抱え、またある者は腹を撫でながら帰りを待つと宣言する。
これが今までやってきた成果だ。どの国も争う事なく平和を享受している。人間界を離れると言ってもほんの数日の事だ。残る半分の大陸の事は気にかかるがまずは女神だ。
全ての女神を虜にし、神界をデルモートのものにする。これで俺を拾ってくれた恩を返せるだろう。
俺は愛した者達に少しの間別れを告げ、デルモートの開いたゲートに並んで進むのであった。
「む……むむむっ! ふぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「デ、デルモート様っ!? 如何なされましたかっ!? 」
突然立ち上がり叫ぶデルモートをモーリーが驚き声を掛ける。
「ふ……ふふふふ……ふははははは~! ジェイドめ、やってくれたわ!」
「な、なにをです?」
デルモートの身体からは黒い霧が漏れ出ていた。
「おそらく二体目の神獣が堕ちたな」
「し、神獣? 白虎様のようなですか?」
「うむ。力が漲ってくるわ。これで神獣は二体ずつ、そして神界にはもう神の気配がない。ゼウスめ、主神でありたいがために全ての神を追放したようじゃな。くくくくっ……そろそろ仕掛けようかのう」
「仕掛ける……ですか?」
「うむ」
デルモートは部屋を出るとジェイドの置いていった分身に声を掛けた。
「ジェイド」
「ん? どうした、デルモート」
「至急じゃ、本体を戻すのじゃ」
「あぁ? わあったよ、ちっと待ってな」
それから二時間後、俺は邪神国に戻った。とりあえず青龍族の洞穴を改造し、洞穴内を家に変えていたのだ。決してやっていたわけではないぞ。
「待たせたな、どうしたよ?」
「うむ。ジェイドよ、お主二体目の神獣を堕としたな?」
「ん? ああ、今まさにそいつらの家を作ってたとこだよ。今回堕としたのは青龍族だな」
「やはりな。ジェイドよ、そろそろ神界に行くぞ」
「はぁ?」
俺は突然の話に驚いた。
「神界って俺もか?」
「無論。主の働きで妾は邪神から暗黒神へと進化したのじゃ。そして……おめでとう、次の邪神はお主じゃジェイド」
「はぁぁぁっ!? 何してくれんの!? 俺は神になんかなりたくねぇっつーの」
「妾がしたわけではない。お主が自分でなったのじゃ」
「はぁ? どうやってよ?」
デルモートは俺のシンボルを指差してニヤリと笑った。
「お主、それで神獣二体とやりまくったじゃろ?」
「……ま、まさか……」
心当たりがありすぎる。神獣ばかりか神ともやったぞ。
「神と交わる度にお主は神に近付いていき……妾が進化した事でお主も進化したようじゃ。妾らは繋がっておるからの。ようこそ神の世界へ」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁっ!? 俺は神になんかならんっ! くそ面倒な事が増えるだけじゃねぇか!」
「じゃからもうなっておると言うのに。それにの……神でなければ神界には行けんのじゃ。ゼウスに復讐するのじゃろ?」
「……ゼウスかぁ。あんなボケ老人なんぞもうどうでも良いかなぁ……。それによ、まだ世界も半分しか征服してねぇし。まだ知らん穴が山ほどあるってのによ」
デルモートはずっ転けた。
「ば、ばかか! 神界に行かぬ理由が女!?」
「十分過ぎる理由だろうが。何が悲しくてジジイを殺るために神界なんぞに行かなきゃならんのだ。お前だけでも十分だろ? それとも……どうにかして俺を神界に連れていきたい理由でもあんのか?」
「う……ぐ……」
デルモートが急に口ごもった。どうやら何か理由があるらしい。
「ああ、そうじゃ! 妾は邪神! 神界での人望? など皆無じゃ! 仮にゼウスを殺ったとしても誰も妾には従わんじゃろうっ!」
ぼっち邪神か。あ、泣いてる。なんて可哀想な神だ。
「泣くなよ、別に人望なんてなくても大丈夫だって。逆らう奴は力でねじ伏せりゃ良いだろうがよ」
「ぐすっ。それはダメじゃ。そうすれば確かに簡単に神界を手に入れられるじゃろう。じゃが……それではゼウスとなんら変わらん。妾は……和気藹々とした神界にしたいのじゃ……」
「和気藹々って……。はぁ……、で? 俺が行く理由は?」
「うむ! 女神をそれで食いまくり堕とすのじゃ!」
「なにをしているデルモート! 早くしろっ! 今すぐ乗り込むぞっ!!」
デルモートは再びずっ転けた。俺は華麗な手のひら返しを披露し、ヤる気に満ち溢れている。
「お主なぁ……」
「んだよ、ジジイの相手はお前がするんだろ? なら俺は女神の相手をしようじゃないか! はははははっ!」
ジェイドは知らなかった。今の神界に女神は一柱もいない事を。そしてデルモートもあえて女神がいないとは告げなかった。もし今いないと知ればジェイドは絶対について来ないと思ったからだ。
「全く……。ジェイドよ、一つ言っておくが神界と人間界では時間の流れが違う」
「あん?」
「人間界の一秒が神界では一年となるのじゃ」
「ほ~ん。なら神界に行ってる間もこっちじゃそんなに時間が進まないって事か?」
「うむ。神界で百年過ごそうが人間界では百秒じゃ。じゃから思う存分女神を堕とすが良い」
「言われなくてもヤりまくってやんよ。んじゃ行く前に皆に挨拶しとこうぜ」
「そうじゃな」
俺は関わった国々に置いた分身を通し、少しの間姿を消すと宣言した。そして必ず戻ってくるのでいない間国を頼むと告げた。
ジェイドの愛した者達は文句一つ言わずにある者はジェイドとの子を抱え、またある者は腹を撫でながら帰りを待つと宣言する。
これが今までやってきた成果だ。どの国も争う事なく平和を享受している。人間界を離れると言ってもほんの数日の事だ。残る半分の大陸の事は気にかかるがまずは女神だ。
全ての女神を虜にし、神界をデルモートのものにする。これで俺を拾ってくれた恩を返せるだろう。
俺は愛した者達に少しの間別れを告げ、デルモートの開いたゲートに並んで進むのであった。
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