魔族と組んで異世界無双!リメイク

夜夢

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第一章 異世界転移編

11 モンスター狩り

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 森の入り口に差し掛かる手前、黒い毛皮の小動物の様なモノが十五体程大きな耳を羽のように動かし飛んでいた。
 枢は初めて見るモンスターに興奮していた。ちなみにスライムは真白で轢いたため見てすらいない。

「リミラあれがトビウサギか?」
「そうデス☆ 素早いけど力はあまりないので攻撃が当たれば簡単に倒せるデス☆」
「そうか、そうか。では気付かれない内に……スキル【創造魔法】! 作成【ライトアロー】十五連!」

 枢はさっそく勇者から貰ったスキルで魔法を作り、容赦なく放った。

「ちっ、二体外したかっ!」

 いきなり不意打ちをくらい仲間を失ったトビウサギはこちらに気付いたのか、物凄い速さでこちらに向かって飛んで来た。枢は腰からナイフを取り出し両手に構える。

「どんなに速くてもよぉ……、真っ直ぐ向かって来たら意味無ぇぜっ!」
 
 枢は向かって来たトビウサギの一体を半身になり交わし進む。そして二体目のトビウサギの耳を両手に持ったナイフで切り落とした。そして地面に落ちたトビウサギの首を足で踏んで折り、先ほど躱わしたトビウサギが背後に迫ってきたのでナイフを投げる。眉間に深々とナイフが突き刺さったトビウサギは絶命した。

「ふぅ、まぁこんなもんかな。しかし、命のやり取りをしたってのに……何も感じないなぁ」

 ナイフを振り刃に付着した血を飛ばす。戦闘が終わるとリミラが駆け寄ってきた。

「枢お兄ちゃん凄いデス☆ とても初戦闘には見えなかったデス~☆」
「まぁ、魔物相手じゃないけど地球でも散々やってたからな~。後……来るまでにレベルが上がって力がついてたからかな? おおよそ理想通りに動けたわ」
「さすがバイオレンスお兄ちゃんデス☆ これなら安心して見ていられるデス☆ さぁ、続けてサクサクいきまショ~! ここから森に少し入ると土蜘蛛がいるみたいデスよ? 土蜘蛛は口から糸を吐いて動けなくするのデス。後、噛まれたら毒を受けるから気をつけるのデス!」

 枢は森を見て戦い方を考えた。

(糸……か。焼き切るのは不味いかな。森に火がうつって燃え広がるかもしれないし。……ふむ、あれで行くか)

 戦い方を決めた枢は躊躇する事なく先へと進んだ。入り口から少し進んだ所で地面にいた巨大なタランチュラの様なモノが何かを食べていた。

「あ。あれはこの前いなくなった兵士さんデス?」

 リミラが声を出したせいで土蜘蛛が枢達に気付いた。

「ちょっ!? 何してくれてるんですかっ!?」
「あはは、ついデス~……。あ、来たデスよ?」
「あぁぁぁっ、もうっ! また不意打ちで楽に倒せるハズだったのにっ! 仕方ないっ!」

 土蜘蛛は地面を這いながら向かって来る。中々に速い。土蜘蛛は瞬く間に間合いに入り、枢に向けて糸を吐いた。

「スキル【創造魔法】! 作成【アースウォール】!」

 枢が出した土の壁に糸が貼り付く。攻撃が失敗したと判断した土蜘蛛は頭上にある太い枝に向かって糸を吐き昇っていった。

「想定内だな。スキル【創造魔法】! 作成【リーフカッター】!」

 魔法で出した葉の刃が土蜘蛛に向かい襲い掛かる。葉刃は土蜘蛛が吐いた糸と手足を切り落とし、胴体ごと地面に落とした。

「ほい、サヨウナラ」

 枢は地面に落下し、手足を失って動けなくなった土蜘蛛にナイフを突き刺しトドメをさした。そして真面目に戦うハメになった元凶にくるりと振り返る。

「リ~ミ~ラさ~ん!?」
「ご、ごごごゴメンなさいデス~~~っ!」

 リミラは必死に謝った。枢は次やらかしたらO・SHI・O・KIだからな~と許した。リミラは両手で猫耳を隠し震えていた。
 ここで空が赤く染まりはじめる。

「さて、今日は疲れたし……日も暮れ始めてきたからそろそろ戻ろうか」

    そう言って狩りを終え森を後にしようとすると、枢に向かい物凄い速さで何かが突っ込んで来た。

「ぐっ、いてぇっ!? な、なんだこいつっ!!」

 咄嗟に出した左腕に毛むくじゃらの何かが噛みついていた。

「枢お兄ちゃん!! そいつはファングウルフリーダーデスッ!」 

 枢はリミラが叫ぶ前に思考完了していた。どうすればこの犬っころを倒せるのかを。
 枢は右手をファングウルフリーダーの口に当てた。

「スキル【創造魔法】! 作成【リキッドボム】!」

 枢は口から液状の爆発魔法を流し込んだ。すると、それを飲んだファングウルフリーダーの身体がボコッボコッと膨らんでいき……。

《ガルッ!? ……キャゥッッ……!!》

 爆ぜた。枢は大量の液体を被る。

「ぶはっ、気持ちわりぃぃぃぃぃぃっ!!」
「だ、大丈夫!? 枢お兄ちゃん! 【マジック・ヒール】、【クリーン】!」

 リミラの魔法で噛みつかれた腕の傷が治り、被った液体は輝きと共に消えた。

「ふぅ、危なかった。創造魔法がなけりゃ死んでたな……」
「もぅっ! 気をつけるデス枢お兄ちゃん! 枢お兄ちゃんが死んだらリミラすっごく泣くのデスよっ!!」

 リミラは枢を失ってしまうのかと本気で怖がって抱きついてきていた。枢は大丈夫と言ってそっと頭を撫でてあげた。

「あれくらいどうって事ないさ。俺には創造魔法があるだろう? いざとなったら回復だって出来るんだからさ」
「……あ」
「な? さ、今度こそ帰ろうか」
「……はいデス!」

 森での初戦闘を終え、二人は手をつないで真城白の待つ森の入り口へと戻っていくのであった。


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