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第03章 バハロス帝国編
13 最強勇者はシスコン
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勇者の証となる聖なる武器、いや防具も存在する事からこれからは聖なる武具と呼ぼう。その聖なる武具を三つ保持する人類最強の勇者ロキ。蓮太はそのロキを妹のレーナがいる港町へと転移で送り届けてやった。
「レェェェェェナァァァァァァッ! レーナ、レーナレェェェェェナァァァァァァッ!」
「もぉぉぉぉっ! お兄ちゃんウザいっ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!」
初対面で受けた印象は今まさにガラガラと音をたてて崩れ落ちていった。
「……ターニア、あれはなんだ」
「ん。ロキは重度のシスコン」
ロキはレーナにすがりつきながら涙を流し再会を喜んでいた。
「離してよぉっ! レンタさんに見られてるからっ!」
「……ぴくっ」
レーナが蓮太の名を出した瞬間、ロキはスッと立ち上がり蓮太を見た。そしておもむろに聖剣エクスカリバーを顕現させた。
「あなたは僕のレーナの何だっ!」
「……は?」
「レーナが頼るのは兄である僕だけで良いっ! 不穏な芽は今の内に摘んでおかなきゃ……ふふ……ふふふふっ」
「こ、こいつ! 病んでやがるっ!?」
「僕達の未来のために死ねぇぇぇぇぇぇっ!」
「うぉっ!?」
嫉妬に狂ったロキの凶刃が蓮太に向かって振り下ろされる。
「止めなさぁぁぁぁぁぁいっ!」
「んがっ!?」
迎撃してやろうかと拳を構えた瞬間、ロキの頭にレーナから天罰が落ちた。
「なにしてるんですかお兄ちゃんっ!」
「うぐぅぅぅ……っ」
ロキは頭を抱えてしゃがんでいた。
「レンタさんは私達に協力してくれてるんですよっ! 私のためにお兄ちゃんを連れてきてくれたのにっ! ちゃんと謝って!」
「うぅ、すまない。取り乱してしまった。僕は妹の事になると我を忘れてしまう癖があって……」
「まぁ……うん。止められて良かったな。じゃなきゃ死んでたぞロキ」
「え?」
そこでターニアが二人に言ってしまった。
「レンタは真なる勇者っ!」
「おまっ、ターニア!」
ターニアは学習したのか、蓮太から離れた場所でそう口にした。
「え? レ、レンタさん? 本当なのですか?」
「し、真なる勇者だって? 実在していたのか……」
「レンタは強い! 私の持ってた手裏剣にも認められた!」
「え? あの星型の小さな武器に? 僕でも使い方すらわからなかったのに?」
使い方すらわからない。当然だ。あれは日本人にしか使えないだろう。
「もしかして他にも持ってるのかい?」
「え? ああ。今持ってるのは……」
もはや誤魔化しはきかないと、蓮太は今持っている聖なる武具を全て顕現させた。
「あれ? それは聖槍ロンギヌスじゃないか? なぜ君がそれを……」
「何か勇者に無理矢理渡されたんだよ」
「ホーリングスターにドン○リ包丁、手裏剣にロンギヌス……。レンタさんは四つも扱えるんですね!」
「むっ!」
レーナが蓮太に尊敬の眼差しを向けるとロキは対抗し全ての聖なる武具を顕現させた。
「ぼ、僕だって負けてないっ! 今は三つしか扱えないけど必ず追い越すんだからなっ!」
「好きにしてくれ」
蓮太はロキの扱いをどうするか真剣に考え始めるのだった。
「それよりだ、レーナ。他の勇者達は来たか?」
「……いえ。まだ誰も……」
「誰も? そうか。他の勇者達はどこで何をしてんだろうなぁ……」
そこでロキが口を挟む。
「もしかすると他の勇者達は来ないかもしれない」
「なぜだ?」
「僕達は転送される際に転送先の国に庇護を求めろと言われていたんだ。僕はレーナを探すため、ターニアは……庇護の意味すら知らなかったんだと思う」
「む。それくらいわかる! 私は勇者だから魔族と戦わなきゃならない」
「いや、だから今はまだその時じゃないんだって。魔族達がなぜ聖なる武具を集めているかもわかってないんだからさ」
「そうですね。ナーザリーを一夜で壊滅させた魔族達の動きは妙です。その気になればあっという間に世界を滅ぼせると思うのですが……」
そこでシルファから連絡が入った。
「……待て。シルファか、どうした」
《レンタさんっ、魔族の企みがわかりました!》
「なにっ!?」
三人は突然一人で喋り出した蓮太を怪訝な目で見ていた。
《魔族は聖なる武具を集め、それを触媒にバベルの塔を封印するつもりです!》
「バベルの塔を封印?」
《はいっ! 聖なる武具の封印は他の魔族を地上に出さないため! 今ナーザリーには星八つを持つ魔王がいます! 魔王の目的はこの地上世界を支配し、自らの力を増やすためだと判明しました!》
「魔王か。わかった、引き続き調査を頼む」
《はいっ!》
そして蓮太は今の話を三人に伝えた。
「ほ、ほほほほ星八つ……! そんなっ」
「魔王……か。魔王はこの地上世界を自分が強くなるための狩場にするつもりだったのか!」
「……許せない」
レーナは慌て、ロキは表情を歪ませる。そしてターニアは怒りに震えていた。
「まぁ落ち着け」
「え?」
蓮太は困惑する三人にこう告げた。
「魔王がバベルの塔を封印してくれるなら、これは俺達にとってそう悪くない話だ」
「な、なぜです?」
「そ、そうか! わかったぞ!」
「え? え?」
どうやらロキは蓮太の考えを悟ったようだ。
「バベルの塔が封印されてしまえばこれ以上魔族は地上に出て来られない。つまり、今地上にいる魔族を全て倒してしまえば平和は保たれる、そうだな?」
「ああ。魔王とやらがどれだけ自信家か知らんが……自分の手で増援を絶つんだ。どうにか聖なる武具を魔族に渡し、封印までいった後に魔族を叩く。どうよ?」
ロキは唾を飲み込みニヤリと笑った。
「良い考えだと思う。僕は次々に魔界から魔族がやってくるのだとばかり思っていた。だが……使い手のいない聖なる武具を魔族に与える事で後続を絶てるなら悪くない作戦だと思う。だけど……」
ロキは真っ直ぐ蓮太を見て言った。
「この方法は将来現れるかもしれない希望を自らの手で絶つ事になりかねない。レンタ、君は今いる勇者だけで地上にいる全ての魔族と魔王を殲滅できると思うかい?」
その真剣な問い掛けに、蓮太は余裕でこう言った。
「できるに決まってるだろ。魔王なんぞワンパンよ。だが、俺は目立ちたくない。そこでロキ、お前に功績を譲ってやる」
「……はい?」
「俺が魔族を全て殲滅する。だが世間に公表するのはお前がやった事になるんだと言ってんの」
「な、なぜそうなる!? もし本当に魔族を殲滅したら君は英雄になれるんだぞ!?」
「だからそんなもんに興味がないって言ってんの。俺は戦いが嫌いだ。俺の夢は湖畔に家を建てて畑を耕し、湖で釣りをし、家族でのんびりまったり生涯を終えるだ。英雄なんぞ言い替えればただの雑用じゃねぇか。何かあれば権力者に利用され、戦が起これば真っ先に向かわされる。そんな生活なんざ真っ平御免なんだよ」
「湖畔に家……家族で……良いかも……」
レーナは脳内で自分に都合の良い妄想をしているようだが関わらないでおく。
「……変わった奴だな君は。勇者とは全ての民から尊敬され、導く者でなければならない。僕達はそう教わってきたんだけどね」
「あいにくと俺は生粋の勇者じゃないんでね。まぁ、守らなきゃいけない奴らもいるし、魔族の好きにされんのも癪だからな。これが俺にとって最後の戦いになるだろう。だから後を頼むわ、ロキ」
そう言い、蓮太はロキに手を差し出した。
「わかったよ。だが今その手は握れない。人類最強の勇者である僕はかなりの数の聖なる武具を持ってるからね。君に所有権がいっちゃうと困るからさ」
「ははっ、それは俺も困るわ。じゃあロキはその聖なる武具をナーザリーの近くに捨てて来てくれ。それで任務は完了だ」
「わかった。君はどうする?」
「俺はちょっと野暮用だ。その用事を片付けたら戻る」
「そうか。なら僕はさっそく移動するとしよう。人類の未来は君の手にかかってる。頑張ってくれよ」
「ああ」
そうしてロキは聖なる武具を魔族の手に渡すため、ナーザリーの近くへと旅立った。そして蓮太はレーナとターニアの二人を港町へと残し、ドワーフとエルフの合コンを開くため、エルフィリアへと戻るのだった。
「レェェェェェナァァァァァァッ! レーナ、レーナレェェェェェナァァァァァァッ!」
「もぉぉぉぉっ! お兄ちゃんウザいっ!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっ!」
初対面で受けた印象は今まさにガラガラと音をたてて崩れ落ちていった。
「……ターニア、あれはなんだ」
「ん。ロキは重度のシスコン」
ロキはレーナにすがりつきながら涙を流し再会を喜んでいた。
「離してよぉっ! レンタさんに見られてるからっ!」
「……ぴくっ」
レーナが蓮太の名を出した瞬間、ロキはスッと立ち上がり蓮太を見た。そしておもむろに聖剣エクスカリバーを顕現させた。
「あなたは僕のレーナの何だっ!」
「……は?」
「レーナが頼るのは兄である僕だけで良いっ! 不穏な芽は今の内に摘んでおかなきゃ……ふふ……ふふふふっ」
「こ、こいつ! 病んでやがるっ!?」
「僕達の未来のために死ねぇぇぇぇぇぇっ!」
「うぉっ!?」
嫉妬に狂ったロキの凶刃が蓮太に向かって振り下ろされる。
「止めなさぁぁぁぁぁぁいっ!」
「んがっ!?」
迎撃してやろうかと拳を構えた瞬間、ロキの頭にレーナから天罰が落ちた。
「なにしてるんですかお兄ちゃんっ!」
「うぐぅぅぅ……っ」
ロキは頭を抱えてしゃがんでいた。
「レンタさんは私達に協力してくれてるんですよっ! 私のためにお兄ちゃんを連れてきてくれたのにっ! ちゃんと謝って!」
「うぅ、すまない。取り乱してしまった。僕は妹の事になると我を忘れてしまう癖があって……」
「まぁ……うん。止められて良かったな。じゃなきゃ死んでたぞロキ」
「え?」
そこでターニアが二人に言ってしまった。
「レンタは真なる勇者っ!」
「おまっ、ターニア!」
ターニアは学習したのか、蓮太から離れた場所でそう口にした。
「え? レ、レンタさん? 本当なのですか?」
「し、真なる勇者だって? 実在していたのか……」
「レンタは強い! 私の持ってた手裏剣にも認められた!」
「え? あの星型の小さな武器に? 僕でも使い方すらわからなかったのに?」
使い方すらわからない。当然だ。あれは日本人にしか使えないだろう。
「もしかして他にも持ってるのかい?」
「え? ああ。今持ってるのは……」
もはや誤魔化しはきかないと、蓮太は今持っている聖なる武具を全て顕現させた。
「あれ? それは聖槍ロンギヌスじゃないか? なぜ君がそれを……」
「何か勇者に無理矢理渡されたんだよ」
「ホーリングスターにドン○リ包丁、手裏剣にロンギヌス……。レンタさんは四つも扱えるんですね!」
「むっ!」
レーナが蓮太に尊敬の眼差しを向けるとロキは対抗し全ての聖なる武具を顕現させた。
「ぼ、僕だって負けてないっ! 今は三つしか扱えないけど必ず追い越すんだからなっ!」
「好きにしてくれ」
蓮太はロキの扱いをどうするか真剣に考え始めるのだった。
「それよりだ、レーナ。他の勇者達は来たか?」
「……いえ。まだ誰も……」
「誰も? そうか。他の勇者達はどこで何をしてんだろうなぁ……」
そこでロキが口を挟む。
「もしかすると他の勇者達は来ないかもしれない」
「なぜだ?」
「僕達は転送される際に転送先の国に庇護を求めろと言われていたんだ。僕はレーナを探すため、ターニアは……庇護の意味すら知らなかったんだと思う」
「む。それくらいわかる! 私は勇者だから魔族と戦わなきゃならない」
「いや、だから今はまだその時じゃないんだって。魔族達がなぜ聖なる武具を集めているかもわかってないんだからさ」
「そうですね。ナーザリーを一夜で壊滅させた魔族達の動きは妙です。その気になればあっという間に世界を滅ぼせると思うのですが……」
そこでシルファから連絡が入った。
「……待て。シルファか、どうした」
《レンタさんっ、魔族の企みがわかりました!》
「なにっ!?」
三人は突然一人で喋り出した蓮太を怪訝な目で見ていた。
《魔族は聖なる武具を集め、それを触媒にバベルの塔を封印するつもりです!》
「バベルの塔を封印?」
《はいっ! 聖なる武具の封印は他の魔族を地上に出さないため! 今ナーザリーには星八つを持つ魔王がいます! 魔王の目的はこの地上世界を支配し、自らの力を増やすためだと判明しました!》
「魔王か。わかった、引き続き調査を頼む」
《はいっ!》
そして蓮太は今の話を三人に伝えた。
「ほ、ほほほほ星八つ……! そんなっ」
「魔王……か。魔王はこの地上世界を自分が強くなるための狩場にするつもりだったのか!」
「……許せない」
レーナは慌て、ロキは表情を歪ませる。そしてターニアは怒りに震えていた。
「まぁ落ち着け」
「え?」
蓮太は困惑する三人にこう告げた。
「魔王がバベルの塔を封印してくれるなら、これは俺達にとってそう悪くない話だ」
「な、なぜです?」
「そ、そうか! わかったぞ!」
「え? え?」
どうやらロキは蓮太の考えを悟ったようだ。
「バベルの塔が封印されてしまえばこれ以上魔族は地上に出て来られない。つまり、今地上にいる魔族を全て倒してしまえば平和は保たれる、そうだな?」
「ああ。魔王とやらがどれだけ自信家か知らんが……自分の手で増援を絶つんだ。どうにか聖なる武具を魔族に渡し、封印までいった後に魔族を叩く。どうよ?」
ロキは唾を飲み込みニヤリと笑った。
「良い考えだと思う。僕は次々に魔界から魔族がやってくるのだとばかり思っていた。だが……使い手のいない聖なる武具を魔族に与える事で後続を絶てるなら悪くない作戦だと思う。だけど……」
ロキは真っ直ぐ蓮太を見て言った。
「この方法は将来現れるかもしれない希望を自らの手で絶つ事になりかねない。レンタ、君は今いる勇者だけで地上にいる全ての魔族と魔王を殲滅できると思うかい?」
その真剣な問い掛けに、蓮太は余裕でこう言った。
「できるに決まってるだろ。魔王なんぞワンパンよ。だが、俺は目立ちたくない。そこでロキ、お前に功績を譲ってやる」
「……はい?」
「俺が魔族を全て殲滅する。だが世間に公表するのはお前がやった事になるんだと言ってんの」
「な、なぜそうなる!? もし本当に魔族を殲滅したら君は英雄になれるんだぞ!?」
「だからそんなもんに興味がないって言ってんの。俺は戦いが嫌いだ。俺の夢は湖畔に家を建てて畑を耕し、湖で釣りをし、家族でのんびりまったり生涯を終えるだ。英雄なんぞ言い替えればただの雑用じゃねぇか。何かあれば権力者に利用され、戦が起これば真っ先に向かわされる。そんな生活なんざ真っ平御免なんだよ」
「湖畔に家……家族で……良いかも……」
レーナは脳内で自分に都合の良い妄想をしているようだが関わらないでおく。
「……変わった奴だな君は。勇者とは全ての民から尊敬され、導く者でなければならない。僕達はそう教わってきたんだけどね」
「あいにくと俺は生粋の勇者じゃないんでね。まぁ、守らなきゃいけない奴らもいるし、魔族の好きにされんのも癪だからな。これが俺にとって最後の戦いになるだろう。だから後を頼むわ、ロキ」
そう言い、蓮太はロキに手を差し出した。
「わかったよ。だが今その手は握れない。人類最強の勇者である僕はかなりの数の聖なる武具を持ってるからね。君に所有権がいっちゃうと困るからさ」
「ははっ、それは俺も困るわ。じゃあロキはその聖なる武具をナーザリーの近くに捨てて来てくれ。それで任務は完了だ」
「わかった。君はどうする?」
「俺はちょっと野暮用だ。その用事を片付けたら戻る」
「そうか。なら僕はさっそく移動するとしよう。人類の未来は君の手にかかってる。頑張ってくれよ」
「ああ」
そうしてロキは聖なる武具を魔族の手に渡すため、ナーザリーの近くへと旅立った。そして蓮太はレーナとターニアの二人を港町へと残し、ドワーフとエルフの合コンを開くため、エルフィリアへと戻るのだった。
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