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第1章
<8話>通学路の乱(其の1)
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『通学路』・・・各学校が
児童や生徒の通学の安全の確保と
教育的環境維持のために
指定している道路。
僕達の通う天原中学校の通学路は、
人や家が殆どなく、
国道から遠い為車も全然通らない、
田んぼや畑ばかりの農業地帯なので、
非常に静かで安全である。
と、思っていた。今日までは。
今日この日、4月18日から、
僕はこの説明の前半部分は嘘だと、
生涯主張し続けようと心に決めた。
なにせ今現在16時40分、
悲鳴と怒号と衝撃音が鳴り響く
どう考えても安全ではない通学路で、
僕とフセは襲撃者から
必死に逃げているのだから。
「なんで襲ってくるんだよ!?
もう和解したはずなのに!
あとなんでそんなに涼しい顔なの!?」
僕が息を弾ませながらフセに
怒鳴るように質問する。
『さあ、
何かしら誤解があったんじゃない?
あと、疲れてないのは
シンジュウの疲労は
宿り主にいくから。』
📄シンジュウは疲れないが、
その分の疲労は宿り主にいく。
「ってふざけんな!不公へ・・・」
い、といいきれなかったのは、
僕の左耳を拳くらいの何かがかすめ、
そして破壊音とともに数メートル先の
電柱に着弾したからだ。
電柱は枯れ木のようにへし折れた。
凄まじいのは、
一撃で太さ30cmのコンクリートの柱を
破壊した凶器が、
野球の硬式ボールだということである。
当たれば人間の頭など、
豆腐みたいに弾け飛ぶだろう。
「・・・無理だね。逃げきれないよ。
面と向かって、話し合って、
ちゃんと誤解を解かなくちゃ。」
僕は急ブレーキをかけて振り返り、
恐怖心を必死に押し殺そうと、
右手にある『世離』を強く握りながら、
道のど真ん中に仁王立ちする。
やがてコツコツという音とともに、
襲撃者が近づいてきた。
手にはボールが握られているから、
まだ完全に臨戦態勢の様だ。
僕は震える足をぶん殴って黙らせ、
ありったけの声を張り上げる。
「信じてください!
本当に斯波には何もしていないんです!
斯波やピノからも聞いてるでしょう!?
僕らは敵じゃありません!
敵対の意思はありません、
勿論戦う気もありませんし、
第一、今の僕達じゃ戦っても
貴方には勝てません!
寧ろこのままじゃ僕はそのうち力尽きて
そのボールに狙撃されて
おそらく死んでしまいます!
だから攻撃をやめてください・・・」
僕は一呼吸置いてから、
一層声を張り上げる。
「三好さん!」
児童や生徒の通学の安全の確保と
教育的環境維持のために
指定している道路。
僕達の通う天原中学校の通学路は、
人や家が殆どなく、
国道から遠い為車も全然通らない、
田んぼや畑ばかりの農業地帯なので、
非常に静かで安全である。
と、思っていた。今日までは。
今日この日、4月18日から、
僕はこの説明の前半部分は嘘だと、
生涯主張し続けようと心に決めた。
なにせ今現在16時40分、
悲鳴と怒号と衝撃音が鳴り響く
どう考えても安全ではない通学路で、
僕とフセは襲撃者から
必死に逃げているのだから。
「なんで襲ってくるんだよ!?
もう和解したはずなのに!
あとなんでそんなに涼しい顔なの!?」
僕が息を弾ませながらフセに
怒鳴るように質問する。
『さあ、
何かしら誤解があったんじゃない?
あと、疲れてないのは
シンジュウの疲労は
宿り主にいくから。』
📄シンジュウは疲れないが、
その分の疲労は宿り主にいく。
「ってふざけんな!不公へ・・・」
い、といいきれなかったのは、
僕の左耳を拳くらいの何かがかすめ、
そして破壊音とともに数メートル先の
電柱に着弾したからだ。
電柱は枯れ木のようにへし折れた。
凄まじいのは、
一撃で太さ30cmのコンクリートの柱を
破壊した凶器が、
野球の硬式ボールだということである。
当たれば人間の頭など、
豆腐みたいに弾け飛ぶだろう。
「・・・無理だね。逃げきれないよ。
面と向かって、話し合って、
ちゃんと誤解を解かなくちゃ。」
僕は急ブレーキをかけて振り返り、
恐怖心を必死に押し殺そうと、
右手にある『世離』を強く握りながら、
道のど真ん中に仁王立ちする。
やがてコツコツという音とともに、
襲撃者が近づいてきた。
手にはボールが握られているから、
まだ完全に臨戦態勢の様だ。
僕は震える足をぶん殴って黙らせ、
ありったけの声を張り上げる。
「信じてください!
本当に斯波には何もしていないんです!
斯波やピノからも聞いてるでしょう!?
僕らは敵じゃありません!
敵対の意思はありません、
勿論戦う気もありませんし、
第一、今の僕達じゃ戦っても
貴方には勝てません!
寧ろこのままじゃ僕はそのうち力尽きて
そのボールに狙撃されて
おそらく死んでしまいます!
だから攻撃をやめてください・・・」
僕は一呼吸置いてから、
一層声を張り上げる。
「三好さん!」
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