シンジュウ

阿綱黒胡

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第1章

<37話>兎探偵 斯波葉月の事件簿(其の5)

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月曜日の朝6時です。

柔らかな朝日が差し込み、
心地よい肌寒さを感じる自室で私は、

「な!ん!で!勝手に行っちゃうの!
しかも1週間以内に犯人を見つける!?
無茶苦茶もいいところだよ!」
『は、葉月わかった、わかったから!
首掴まないで、苦しい苦しい苦しい!
謝るから謝るから!
ヒロインがそんなことしちゃ
やばいって!

もう本当マジで、ギブギブギブギブ!』

ピノを締め上げていました・・・。

1週間以内に見つけるなんて、
えらい無茶振りを
してくれたのものです。

「・・・で、何か当てはあるの?」
『・・・ない。』
「バカー!」

私はピノをブンブン振ります。

しかしここで、
『い、いやでも、
ある程度はわかった。』
と、弱々しい声でピノが言ったことで、
私の手は止まりました。

「・・・どういうことが?」
『言うから、言うから、
下ろして・・・。』

解放されて床に降ろされたピノは、
呼吸を整えた後に、
淡々と話し始めました。

『まず、
晩に会ったアイツは憑依じゃないよ、
自分の意識は保ってる感じがした。

それに、
僕はずっと気を張ってたんだから、
憑依なんてしてたら、
もっと強くシンジュウの気配を
感じるはずだ。

そして性別は女だ。
どう考えても男の声じゃない。
異性のシンジュウが憑依しても、
声は変わらないからね。

で、次に、
アイツは僕達と面識がある。
夜の明かりだけで
顔がわかったってことは、
多分結構親しいやつだよ。

にも関わらず挑戦を余裕綽々しゃくしゃく
受けたってことは、
何か絶対にバレない、
確固たる自信があるんだろうな。』

女の人だということは、
とりあえずタクミくんはないでしょう。

まあ、近年ならボイスチェンジャーや
その他電子機器で
声を変えることもできるかも
しれませんが、
たとえそれらを使ったとしても、
そんな綺麗な声には
ならないでしょうし。

私はその話を聞きながら、
ある人物を頭に思い浮かべていました。

何を隠そう、みーちゃんです。

なにせあの子は、
私がピンチのタイミングで、
まるでヒーローのごとく
登場したのですから。

私が連れていかれたトイレは、
空き教室ばかりの
殆ど校舎の隅にある、
全くと言っていいほど
使われない場所なのです。

当然体育館内にある
バスケ部の部室からも
遠く離れているのですが、
何故みーちゃんは
あそこにいたのか、というのが、
それなら説明がつきます。

『いや、
案外あの厩戸ってやつかもよ?

そもそも噂を広めたのは
アイツなんだろ?

それにかなりの目立ちたがり屋
みたいだったし、
自作自演で盛り上げた可能性も
大いにあり得るんじゃない?』

確かに説得力のある意見です。

そして最後は・・・、
「帰り道で出会った、
田沼先輩、かあ。」
『でも、どう考えても
あの人の声質じゃなかったよ。

滅茶苦茶もの静かだったもん。』

普通ならアリバイなんかを
調べるのでしょうが、
あの時間なら大抵の人は
寝息を立てているでしょう。
誰が抜け出したかなんて、
分かるわけありません。

ううん、
果たしてどうすればいいものか。

『せめてシンジュウの
憑依状態だったらなぁ。

あれなら絶対装飾品を身につけてるから
それを目印にすればいいんだけど。

・・・それそうと、葉月。』
「何?」
『時間、大丈夫?』

時計を見ました、
6時半はとっくに過ぎていました。

「うわわわわわわ!」
声にならない声を上げながら、
私は布団から飛び出しました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おっはよ~う!
はづ・・・え、どうしたの?
早朝マラソンでもしてきたの?」
「聞かないで・・・。」

私は洗濯したての制服を汗で濡らし、
手すりにつかまって息を弾ませながら、
みーちゃんに返答しました。

「昨日ちょっと夜更かししちゃってさ、
それで寝坊しちゃっただけ。」
「ふーん。」

・・・一応聞いてみるか。
「ねえ、
昨日の夜2時くらい、何してた?」
「? 寝てたけど。」

でしょうね。
これで
「何を言ってるの?
あなたと勝負の約束したじゃない。」
とか言い出したら、
それはそれで嫌です。

シンジュウの加護を
使いたいところですが、
それはなんか負けた気がするので、
最終手段としておきます。

あくまで推理、です。

そもそも、
これくらい自力で解けなくちゃ、
これから叔父さんの手伝いなんて、
とてもできないでしょう。

そう思いながら、
なんとなく
バスの中を見回したその時でした。

私の目に飛び込んできたのは、
つり革につかまって
片手で文庫本を読む田沼先輩でした。

そしてその左腕には、
茶色に白い斑点の
リストバンドが巻き付いていました。

「ねえみーちゃん、
田沼先輩って、
いつもあのリストバンドつけてるの?」
みーちゃんは
なんでそんなこと聞くの?
というような感じで、
「うん、ずっとつけてるよ。
確か不登校になってから
戻ってきた時から、
くらいじゃなかったかなあ。

バスケ部に入部したのも
その頃だから、
以前は知らないけれど。」

この時、私の中で、
一つの仮説がたちました。

私はひっそりとピノに質問します。
「ねえ、さっき
『憑依してたらわかる』って
言ってたよね?

あれ、何となく見ただけでも、
わかるものなの?」

ピノは首を横に振りました。
『いや、無理だよ。

集中してたら1発だけど、
何の警戒も無しに見ただけじゃ、
流石に見抜くのは難しいな。

ほら、僕達が天原中に行った時、
一番最初、赤斗やフセは
憑依を見抜けなかっただろ?』

1つクリア。
最後にもう一つ。
「私達は、憑依した時ってさ、
起きてさえいれば、
記憶は両方に共有されるじゃない。

あれって、
どんなシンジュウでも
例外なくそうなの?」
『うん。』
ピノは頷きました。


私は思わず笑みをこぼしました。
(そっか!そっか!
だったんだ!
だから気づかなかったんだ!)

心の中でそう叫びます。
『何?それがどうしたの?』
「わかった。」
『え!?マジで!?』

私はバレないように、
薄く笑いました。
(外から見たら大分気持ち悪いでしょう)

所詮相手は私と同じ一般中学生、
怪盗でも何でもないんですから、
難しく考える
必要なんて無かったのです。

ようやくピノも気づいたようです。
『ああ、成る程、そういうことか。
こんなのに振り回されてたなんて、
つくづく自分が情けないよ。』

「ちょっと時間はかかるけどね、
でもそれはたっぷりある。

後はこの1週間を使って
裏付けが取れれば・・・。」

Q.E.D.、です。

でもこれちょっと
難易度が高いなあ。

・・・そうだ!

「ねえ、みーちゃん・・・。」
私はみーちゃんの手を握りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「・・・お久しぶりですね。
今回はご本人様でしょうか?」

1週間後のやっぱり深夜2時、
私は占い師さんと向かい合って、
椅子に腰掛けていました。

ただし、
今度の人格は私自身ですし、
服もちゃんと外行き用ですに着替えて、
ピノの帽子を被っています。

「ええ、お久しぶりですね。
いや、この場合は、
初めまして、と言った方が、
いいかもしれませんね。」

私は微笑みながらそう返しました。
「・・・それで、わかりました?
私の正体。」
「はい。」
私は力強く肯定します。

「だから、占いはその後で。」
占い師さんは表情を変えないまま
(というか、
顔全体をベールで覆っちゃってるので、
殆ど見えないのですが)
「では、聞かせていただけますか?
貴方の推理。」

これ以上グダグダ言っても
長くなるだけなので、
私も話し始めました。

「まず、貴方は
私達の身近にいる人間です。

これの根拠は多分ピノが
言ったと思うので省きますが、
これで広範囲の捜索はしなくていい。

次に、
なんでみーちゃんが電話で済んで、
私が呼び出されたのか。

そこで、
貴方の占いの仕方について、
考えてみたんです。

数秒後、数分後ならいざ知らず、
数日後数年後まで未来がわかるなんて、
いくらなんでも
強力すぎると思ったんですよね。

で、辿り着いたのがこれです。」

私は後ろにある大きな姿見を、
コンコンと叩きました。

「貴方の加護は、
『未来を見る能力』、
そしてそれは対象を、


まあ、納得はできますよね。
鏡は、昔から呪術的な儀式には
必ずと言っていいほど、
用いられてきたんですから。

今の貴方は私と同じ状態、
つまり、一番中間、オーソドックスな、
『シンジュウの変身した装飾品を、
身につけている状態』ってことです。
今の私と一緒ですね。

でも、強化されてこれってことは、
普段は一瞥しただけで、
対象の数秒後の未来を予知するとか、
そんな感じでしょうか。

そして、貴方は今憑依をしていない、
と言うことは、
憑依状態なら、
おそらくこれと同じことが
鏡無しでできるんでしょう。」

占い師さんは黙ったままです。
私はさらに続けます。

「で、お待たせしました、
貴方の正体の方に移りましょう。

最初、私は友達のみーちゃんを
疑ったんですよね。

あの助けに来てくれた日、
幾ら何でもタイミングが良すぎたから。

でもこれだけ長く一緒に
登校していたら、流石に気づきます。

だから、一応二択だったんです、
でも証拠が無い。
その時気付いたんです。」

私は一旦区切り、間を置いてから、
「貴方は今、憑依をしていない。
それなのに、学校では気づけない。
なら、簡単でしょう。

。」

占い師さんの目が、
大きく見開かれました。
とりあえず先制、
と言ったところでしょうか。

「キッカケはピノの発言でした。

私も、まさか勉強している時まで、
自分の人格じゃないなんて、
流石に思いませんからね。
疑いの心が湧かないわけです。
そして疑わなければ、
憑依に気づくことは無い。

滅茶苦茶知り合いに似ている人でも、
性格が正反対だったら、
その人だと断定できないでしょう?

だから、その人と同じ部活だった
友人と、
その人の同じクラスの面識のある人に、
1つ頼みごとをしました。

って。

結果は、ビンゴでしたよ。
その人は、
部活中はもちろん、
授業中や着替えるときでさえ、
学校や部活の時間内では、
一度もリストバンドを
外さなかったそうです。

そして、厩戸さんと私の騒動ですが、
あれは多分、
バスの窓に私が映ったのを見た時に、
未来も一緒に
見えちゃったんでしょうね。

そこで貴方は、私を助けようとした。
でも自分が行くと怪しまれる、
それでみーちゃんを使ったんです。

おそらく朝のバスの中で、
貴方はみーちゃんに、
『この時間にあのトイレの
個室で待ってろ
斯波葉月にはバレるな。』
と言う旨の、
メッセージを送ったんでしょう。

本当はみーちゃん、
忘れ物なんてしてなかったんですね。

ここで厩戸さんの線も潰れます。
本人が
そんなことするはずありませんから。

さて、消去法ではありますが、
これで残るは1人です。

その人は、
ずっと不登校だったんですが、
ある時期から急に戻ってきたそうです。
ガラッと性格が変わって、ね。

シンジュウの憑依状態でも、
起きてさえいれば記憶は共有です。

要は、車の助手席と運転席を、
交代するだけですからね。

貴方は不登校にだった時に、
シンジュウに出会い、宿主になった。
そこで貴方は、
ずっとコンプレックスだった不登校を、
憑依したシンジュウに
代わりに行ってもらうことによって、
解消することにしたんです。

そして、
その対人関係のリハビリとして、
加護を利用して始めたのが、占い師。

バスケットボール部に入ったのは、
シンジュウのもたらす
高い身体能力強化で、
進学のために、
不登校のブランクを埋められる
『実績』を作るため。


こんな感じでいかがですか?











・・・田沼先輩。」

少しの間、沈黙。

「・・・元に戻って、ハピ」
占い師さんの腕から、
スルリとリストバンドが宙に浮かび、
次の瞬間、
それは鹿の姿に変わりました。

『え!マジで当てちゃった!
ヤバイヤバイって!
マジ激ヤバなんですけど!』
鹿がギャル口調でまくしたてます。
成る程、いつもの田沼先輩です。

「黙って、ハピ。」
そう言うと先輩は、
フードを脱ぎ、
顔のベールを外しました。

現れたのは、白い少女でした。

髪も、瞳も、肌も、
一点の曇りもない、白。

『・・・色素欠乏症アルビノか。』
ピノが呟きます。

「・・・ごめんね、
びっくりしたでしょ。

この姿では、初めまして、かな。
葉月ちゃん。」
先輩は、
ゆっくりと言葉を発しました。

「これが、
不登校になった理由ですか?」
「うん、貴方になら、
見せてもいいと思った。」
先輩はニッコリと笑います。

シンジュウの中には、
憑依で見た目が変わるタイプも、
いると聞きます。

アルビノの先輩が、
今までどんな境遇に置かれてきたか、
どんな目に遭ってきたのか、
想像するのは、
そんなに難しいことでは
ありませんでした。

あの鹿さんの、いえ、
ハピの力を借りて、
先輩は、ようやくを、
手に入れたのでしょう。

占い師は、
八代中学校の生徒達に対する、
自信を偽っていたことへの、 
お詫びのようなもの
だったのかも知れません。

「・・・で、どうする?
通報でもする?」
田沼先輩は笑顔で聞いてきます。

私は答えます。
「しませんよ。
私は警察じゃありませんから。」

「じゃあ、何か占おうか?」
「それも、結構です。」

私は笑顔で答えます。
「過去を暴く探偵が、
未来のことを気にしちゃ、
おしまいですよ。」

最後に先輩は、
少し悲しそうな笑顔で、
聞いてきました。
「ねえ、この私見て、どう思う?」

私は笑顔で答えます。
「何も変わりませんよ。

追いかけてくる部員から逃げてた、
あの先輩と。」

私は空を見上げます。
今夜は綺麗な満月です。
月明かりに照らされたその白い笑顔は、
いつもの先輩そのものでした。















「葉月ちゃん、逃げて!!!」

その声と共に顔を下ろすと、
私を見ていた先輩の笑顔が、
驚愕に歪んでいました。

そして、手には携帯電話。

次の瞬間、鈍い音とともに、
強烈な痛みが、私の頭に走り、
私は地面に倒れました。

そして間を置かず先輩も、
地面に倒れました。
『葉月!?』『灯!』

シンジュウ達の
悲鳴ともつかない声に、
被せるように聞こえてきたのは、
太い男の人達の声でした。

「ターゲット以外にもう1人いたんで、
ついでに気絶させちまったんですが、
どうします?醍醐さん。」
「いや、むしろよくやってくれた。
こいつは出すとこに出せば、
良い値で売れるだろう。

欲を言えば
こっちのガキも売りたいところだが、
生憎当主から直々に、
連れて来いと命令されたんでな。」
「しかし何なんですか?
シンジュウって。」
「お前は知らなくていいことだ。
兎に角、松永財閥には、
このガキは必要なんだよ。」

私が薄れゆく意識の中で、
あることを思い出していました。

叔父さんの、おねいちゃんの、
そして、母の旧姓が、
松永であることを。

そうだ、そしてこの家は確か・・・。

しかし、その先を思い出す前に、
私の意識は無くなりました。





 






















































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