シンジュウ

阿綱黒胡

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第1章

<38話>閻魔流

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目を覚ますと、
私は何処かに寝かされていました。
揺れと音から察するに、おそらく
走行中の車の中でしょうか。

両手両足は縛られていて、
目隠しと猿轡もされています。

私が身を起こすと、
「やあ、おはよう、葉月ちゃん。」
前から、そんな聞いたことのない
男の人の声が聞こえてきました。

状況から察するに、
恐らく拉致されたようです。
「まあ、しばらくくつろいでてよ。
暴れ出したら君と後ろの先輩?だっけ。

どうなるか、わかるよね?」

私は無言で頷きました。

小さい頃から、叔父さんへの人質として
何度か誘拐されたことがあります。
恐ろしい話ですが、


男の人は、声のトーンを変えずに、
「少しお話ししようか。

絶対に声を出さない、
暴れもしないって約束するなら、
猿轡と目隠し取ってあげるけど、
約束できる?」

この場合も、頷くしかありません。
下手なことをしたら、
先輩は確実に殺されるでしょう。

やがて、
ゆっくりと目隠しが外されました。
続いて、猿轡も同様に。
広がった私の視界のにあったのは、
サングラスをかけた男性の
気持ちの悪い笑顔でした。

少し周りを見渡すと、
ピノとハピは、
既に装飾品へとその姿を変え、
隠れていました。

初見でシンジュウを
叩かなかったところを見ると、
どうやら相手さんは、
シンジュウ使いでは無いようです。
少しだけ安心しました。

まあ、状況は変わらないんですが。

「・・・こんばんは、
随分と荒っぽいことしますね。」
私は出来るだけ犯人を刺激しないよう、
恐怖心を押さえつけ、
声のトーンを抑えます。
「まあね、こっちもちょっと、
焦ってたもんでね、
何せ、君の保護者は、
『神殺し兄妹』だから。

勘づかれる前に、
早々にコトを終わらせなきゃ
いけなかったんだ。
チャンスは本当に
今回くらいしかなかったし、
期限も迫ってたもんでね。

ま、結果的には成功したし、
しかもアルビノの少女なんて、
おいしすぎるオマケまでついてきた。
俺たち的にはホクホクだよ。」

狂ってる、とは、言えないか。
話を聞いている感じ、
どうもで、
生計を立てている人達みたいですし。

私は対処法を考えることにしました。

1.ドアを開けて、全速力で逃げる
→無理。両足縛られてますし。

2.ピノに憑依してもらって、
全力で飛びかかる。
→無理。
私の身体強化倍率は申し訳程度ですし、
相手はボディービルダーかと思うほどの
屈強な見た目です。

例え義経君ほどの強化があったとしても
果たして太刀打ちできるかどうか。

というか、そもそも。

私はチラリと後ろに目をやります。
後ろには拳銃を頭につきつけられた、
今だ気絶中の先輩がいました。
私が少しでも変なコトをすれば、
おそらく先輩の頭は一瞬で木っ端微塵。

「・・・詰みましたね、これ。」
「よくわかってるじゃな~い!
理解が早くておじさんうれしいよ!」

そう言って私の頭を撫でてきます。
尋常じゃない嫌悪感。

でも我慢です。
おそらくこの人達は誘拐のプロ。
ということは逆に言えば、
下手な真似をしなければ、
すぐに殺したりしないはずです。

「・・・これ、
どこに連れて行かれるんですかね?」
「ん、ああそうだねぇ。
ちょっと難しい名前の施設なんだけど、
君にもわかりやすくいうと、
君のの所、かな。」

まあ、そうだろうと思いました。
「・・・やっぱりですか。」
「おや、やっぱりってことは、
あの時まだ意識あったのか!

いや~、やっちゃったなあ。
プロの誘拐屋失格だよお。」

当然物凄く行きたくありませんが、
これで
命は保証されるでしょう。

私は質問は終わりです、
という言葉の代わりに押し黙りました。

「お、質問は、以上かい?
物分かりが早くて助かるよ。
ここからあと数時間のドライブ、
一緒に楽しもうじゃない。

みんな君に会いたがってたよ?



特に、君のとか。」

その言葉を聞いた瞬間、
今まで冷静を保っていた私の頭は、
一瞬でスパークしました。

「みんな君に会いたがってたよ?
特に、君のお母さんとか。」
「みんな君に会いたがってたよ?
特に、君のお母さんとか。」
「みんな君に会いたがってたよ?
特に、キミノオカアサントカ。」
「みんな君に会いたがってたよ?
トクニキミノオカアサントカ。」
「ミンナキミニアイタガッテタヨ?
トクニキミノオカアサントカ。」
「ミンナキミニアイタガッテタヨトクニキミノオカアサントカ」
ミンナキミニアイタガッテタヨトクニキミノオカアサントカミンナキミニアイタガッテタヨトクニキミノオカアサントカ





オカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサンオカアサン













「うわあああああああああああああああああああああああああああ!」

気がつくと私は、
拘束されたまま、開くはずのないドアに
体当たりをしていました。

男性は一瞬呆気にとられていましたが、
すぐに私を押さえつけてしまいました。

でも止まらない、止まれない。
敵わないのはわかってるはずなのに、
私は力の限り抵抗します。

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」

叫びまくり、
もがきまくる私を抑えながら、
男性は、
「おいおい落ち着きなって、
このままだと、君の先輩だけじゃなく、
君までしなきゃなんない。

そうなると、
こっちは非常に困るんだよね。」

処分?殺すってこと?
じゃあ、もう、そうしてよ!
あの女のところに行くくらいなら、
もう一度顔を合わせるくらいなら、


『は、葉月、落ち着け!
今暴れたら、あの人がやばいぞ!』

いつのまにか兎の姿に戻っていた
ピノの言葉で、
私はようやく我に返りました。
でも、既に遅かった。

「はい、約束破ったね。
ま、いいや、
どっちみちこの子は解体しなきゃ
ならなかったんだし。」

男性はそう言うと、
銃の引き金に指をかけました。
「お願いやめて!」
私が絶叫したその瞬間、

「待って。」
先輩が、
縛られたままの体を起こしました。

意識が、戻った。
最悪のタイミングで。
もう、何もかも、最低です。

猿轡を外された先輩は、
自身の頭に密着する銃を
チラリと見てから、

「お願い、少しだけ時間を頂戴。
遺言を残しておきたいの。」
そう言いました。

男性は少し沈黙してから、
「まあ、いいよ。
ただし、銃は降ろさないし、
引き金の指も離さない。
妙な真似したら、即撃つ。」
「それで構わないわ。」

先輩は縛られた身体を動かして、
こっちに向けました。

「葉月ちゃん、
貴方には本当に感謝してる。

私を先輩と慕ってくれた、
最上の面倒を見てくれた、
そして、本当の私を受け入れてくれた。

貴方のお父さん・・・いえ、
叔父さんだったかしら。
あの人も本当に良くしてくれたね。
連絡先まで教えてくれたし。

ほんと、感謝してもしきれない。

そのお礼に、
1つ、ニュースを教えてあげる。

いいニュースでも、
悪いニュースでもあるニュース。

あのね、
貴方が倒れた時、
私は手に携帯電話持ってたでしょう?」

私は頷きます。

「私の加護、もう知ってるよね?
ならわかるでしょう?
貴方は鏡の前にいた、
私はを見ていた。

だから、私は直前に見ていた、
わかっていたんだ、
『この未来』を、ね。

でも、私にはどうあがいても、
どうにかできる問題じゃなかった。
だから電話をかけた。

繋がりさえすればそれで良かったけど、
物凄く確率の低い賭けだった

そして私は、

うふふ、何言ってるのかわからない?
そうね、じゃあ端的に言いましょうか、
ニュースっていうのはね・・・。」

先輩は少し間を置いて、
これ以上無いくらいの笑顔で、

「葉月ちゃん、
貴方の夜遊び、。」

次の瞬間、
物凄い衝撃が車に走りました。
急停車する車。

「なん・・・」
何かを言いかけた運転手は、
フロントガラスを突き破って
伸びてきた拳が顔面に直撃し、
一瞬でダウンしました。

「クソが!」
男性が先輩の頭に突きつけた銃の
引き金を引こうとしたのが見え、
そして、銃声。

しかし、先輩と私が
それを聞いたのは、車の外ででした。

そして私の眼前には、
さっきまで私達が乗せられていたらしき
黒いワンボックスカー。

「葉月、
14歳がこんな時間に
外に出ちゃダメだろ。
あとで説教だなぁ。」
「ま、確かにその通りね。
でも、
いくら怖がらせないためだからって、
一言も事情を話さなかった、
私達にも非があるわね。」

道路に這いつくばる私達を、
守るように前に立っていたのは、
「・・・叔父さん、おねいちゃん。」

おねいちゃんはニッコリ笑って、
「ごめんなさいね、葉月。
コイツらの事は
前から知ってたんだけど、
まさかこんなことになるなんてね。

抜け出した貴方を探してたら、
部屋で待機してた
兄さんから連絡が入ってね。
ビックリしたわ、
受話器を取ったら、
誘拐犯の会話が聞こえてきたって
言うんだもん。」

思わず先輩の方を向くと、
拘束を解かれた先輩が倒れたまま、
その笑顔をこちらに向けていました。

嗚呼、やっぱり、
先輩には敵わないや。

しかし、
「おい、夏、早くしろ!
ボヤボヤしてたらやばいぞ!
このマッチョの方、
ただの人間じゃねえ!」
気絶している運転手を投げ捨てた、
叔父さんの声が響きます。

・・・そうだ!
!?
そう思ったその時、
炎上している車から、声が響きます。

「おいおい、おいおいオイオイおい。
まさカこレクラいで、
おレが殺せルトデもオモッたノかぁ?

家長かラ力をいタダいタ俺ヲよぉ。
だトシタラ随分舐メラレタもンダなぁ、
ええ!?
よぉ!」

そして、
燃え盛る車から
這い出るようにして出てきたのは、

「ーーーーーーーーッ!?」

でした。

口まで裂けて2つに増えた頭、
6本に分裂した腕に生えた
鋭利で無骨な刃、
歪なまでに肥大化した、
白目を向いたままの右眼。
爬虫類のそれのような足、
全身から血管が浮き出たような体は、
2メートルを優に超えています。

流石のピノも呆然としています。

「お、おねいぢゃん、アレ・・・。」
恐怖を必死に堪えて、
何とか言葉を絞り出します。

おねいちゃんは静かに答えました。
「・・・そうね、一言で言うなら、

と言うところかしら。

松永の、人体実験の、成れの果て。」

吐き捨てるようにそう言うと、
今度は叔父さんの方を向いて、
「ねえ、これ私がやった方がいい?」

叔父さんは首を横に振りました。
「いや、俺がやる。
俺なら、
。」
「そ、じゃあ逃げとくわ。」

そう言いながら
おねいちゃんが私達を掴んだ次の瞬間、

私達は家を挟んだ別の道路にいました。
「さあ、帰るわよ。」
「「え!?」」

突然の展開に、
知っている私ですら驚きました。

ましてやおねいちゃんの力を知らない
先輩とハピは当然ながら、

「え!?え!?え!?」
『ヤバくね!?
マジコレどーなってんの!?』
「落ち着いてください先輩!
後でちゃんと説明しますから!

ピノ、後よろしく!」
『何で!?』

「あ~もう!
なんか魔法とか、
そう言う解釈しときなさい!

兄さんから聞いてるわ、
田沼灯ちゃんね。
送って行くから家の住所教えて。」
「え、いや、その。」
「早く!」
「は、はいい!」

慌てて道順を喋り出す先輩を尻目に、
私はついさっきまでいた方向を、
じっと見つめていました。

まだ、叔父さんと、
あの怪物が、いる方向を。

「大丈夫よ、葉月。」
おねいちゃんが、
私の肩をポンと叩きました。
「私達がいないってことは、兄貴は、
。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ナルほどナぁ、
女子供ハ二がしたってわケかァ。
かっコイいねえ、オッさん。」

俺は黙っている。

「お前ノこトは話にキいてルぜ。
シンジュウの選別かラモれた、
哀レなヤツだッテナぁ。

今ダって妹に、
捨てテイカれたじゃなイか。」

選別には漏れたんじゃなくて、

ホントに何も知らねえんだなコイツ。

俺は、思わず吹き出してしまった。
「な、何ヲワラっている!?
お前ゴトき、
今のオレにハ虫ケラト相違なイ!」

俺は笑いながら教えてやる。
「おいおい、聞いてないのか?
親父から、俺のこと。

だとしたら、
散々偉そうなこと言ってたが、
あんた、相当下っ端らしいな。

まあ、俺の姪に、いや、俺の娘に、
あんなことした時点で、
殺すから関係無えけど。」
「殺ス?
たダの人間ノオ前がか?

あア、そういえば、
当主様がイッていたよ、
厄介ナ人間が1人イる、っテ。

ダが、当主様二ヨリ、
神の力ヲ手に入れタ俺にハ、
たかガゴトき、
何の問題モ無い!

逆にコろしてヤる!」

ヤツの腕が、
を貫いた。
コンクリートが割れ、
クレーターができる。

ヤツは驚いたようだった。
自身の人間の限界を超えた
超スピードの拳が、空振ったことに。

「へえ、神の力ねぇ、
そりゃー都合がいいや。

何せ俺の納めた拳法は、
の拳法だからな。」

「へ!?あっ、何・・・!?」

そして背後に回り込んだ俺は、
腰を落とし、拳を構える。
「裁きは第1、無限の殺戮・・・。」

もうこいつは人間じゃ無い、化け物だ。
こうなったらもう戻らない、
殺すしか無い。
だから、赤斗の時のように、


「閻魔流・等活!」
















































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