シンジュウ

阿綱黒胡

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第1章

<57話>フセの力

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俺は葉月を負ぶり、夏に肩を貸しながら
襲ってくる触手を
片っ端から倒しつつ、
死体がそこかしこに散乱する
山を下りる。

シンジュウの治癒力のおかげで、
今すぐ命に関わることは無いが、
重症なのは間違いない。

「おい兎!
もっと自然治癒力強化しろよ!」
『無茶言うなよ!
失血なんかに僕の力を使ったら、
逆に死んじまうぞ!』

俺は舌打ちする。
あの兎の言う通り、
今の葉月のまずい症状は
外傷よりは失血だ。

シンジュウの治癒能力で対処できるのは
あくまで外傷で、
病気や貧血なんかの内部的な症状は、
手を出すことができない。

正確にはできることはできるのだけれど
人間こっちの身体が持たない。

風邪をシンジュウの力で
治そうとすれば、
身体中の血が沸騰するレベルの
熱が出ることになるし、
今みたいに貧血ならば、
十数秒後には酷使された心臓が
木っ端微塵に炸裂することになる。

治すには、やっぱり輸血しかない。
それにしても、
さっきから聞こえる
銃声の様なものは一体・・・?

「救急車が
早くきてくれりゃいいんだが・・・!」
俺がそう呟きながら、
道路に飛び出したその時、

「いました!生存者発見!」
そこにいたのはなんと、
武装した機動隊と救急隊だった。

機動隊員が俺に話しかける。
「上にいた生存者たちは、
全員無事に下山しております!
『騎士』の女の子も、
保護することができました!
貴方が迅速に動いてくれたおかげです!
ありがとうございました!」

俺は渋い顔をして、呟く。

「・・・そりゃ、どーも。」

その後ろでは、
葉月が担架に乗せられ、
夏が救急車に押し込まれかけていた。
「すぐに病院に運びます!
三好夏さん、貴方も乗って!」
「な、なんで・・・!?
!」
「そんなことどうでもいいですから、
早く乗ってください!

さあ、ピノさんにアズさん、
貴方達も早く!」

そう言いながら、
葉月の担架を乗せ、
夏やシンジュウ達を押し込んで、
救急車は行ってしまった。

数人の機動隊員と共に
残された俺は、呟く。
「・・・礼を言うよ。
助かったぜ、京極。」
「・・・別にお前のためじゃない。」

俺はいつのまにか横で木にもたれかかる
眼鏡でスーツの男を見る。
男の頭には、1匹の蛙がのっていた。

男の名は京極翔也。
警視庁超常犯罪対策課長にして、
式神を操る『シンジュウ陰陽師』。
ついでに、俺の中高の同級生。

ヘラヘラとそういう俺を
京極はギロリと睨み、
「第一、
お前にそんなことを言われても、
虫唾が走るだけだ。

今はお前なんぞに構ってる・・・。」

そこまで言って、
京極は怪訝な顔をする。
「・・・む?
触手が消えた?」
「そりゃそうだろ、見ろよアレ。」

俺は山頂の方を指差す。
さっきまであった触手の本部、
黒い大木は、
跡形もなく霧散していた。

京極はそれを特に驚いた様子もなく見て
指をパチンと弾いた。
その瞬間、
待機していた隊員達は紙型となった。

「救急車をチャーターできるとは、
恐ろしいな。

対策課も、お前も。

高校の時、
1体だけでも
死ぬほど集中しなきゃならないって、
言ってた記憶があるんだが、
お前、さっき何体使役してた?」
「48体。
安心しろ、他の奴らは
全員家や病院に送ったし、
救助隊員は残してあるから。

それより、教えろ善一。

さっきの戦い、
隙があれば奇襲をかけようと思って、
式神を介して見てたんだが、

。」
「『旅人』だよ。」

俺は即答した。
京極は少しだけ表情を変えて、
「そうか、
じゃあ知ってること全部話せ。」
と冷淡に吐く。

俺は目線だけで周りを見渡し、
「その前に・・・。」

俺達は身をかがめる。
次の瞬間、俺達の真上を、
銃弾が通りすぎていった。

周りには、
俺達を挟み込む様に立つ、2体の異形。
今回はかろうじて人の形を留めているが
おそらく、あの夜に戦ったのと、
同じ改造人間だろう。

「「マッていたぜ!
お前ラヲ始末シロとの、
当主からノ御命令・・・。」」

その2体がそう叫ぶのを、
俺達はそれぞれの目の前で聞いていた。

京極が1体に呪符を貼り付け、
俺が拳を握りしめる。

「閻魔流・異異回転!」
「炸裂しろ、火炎呪!」

俺の技を受けた異形は、
その体の中心を円状に抉られて絶命し、
もう一体は京極によって灰と化した。

「・・・さて、話の続きだが。」
京極は眼鏡を指で押し上げて、
何事もなかったかのように続けた。

「俺達が掴んでいる情報では、
『旅人』の力は
『触れたものを非物質化させる』力、

ヤツの力が、そんなものな訳がない。

そして俺のその仮説は、
さっき見た光景で決定的になった。

奇襲の機会を窺ってたはずが、
まさか、あんなもんを
見ることになってしまうとはな。

俺は何度もシンジュウとは
戦ったことがあるが、
あんなのは初めてだ。

非物質化だけにとどまらず、
切断に瞬間移動、空間壁に、
ワームホールの生成、
挙げ句の果てには、
空間に穴開けてどっか行って行方不明!

一体あいつは幾つの能力を持ってんだ!

お前、あいつについて知ってんだろ?
だったら、
治療と引き換えに話してもらうぞ。

超常犯罪対策課おれたちの捜査を
幾度となく潜り抜け続け、
『創造主』と互角以上に戦った、

そのバケモノについてな。」

なんだかこれを話させるために
葉月達を助けてくれた気がして
少し目覚めが悪いが、
まあ、話すしか無いだろう。

断ったら治療の中断くらい、
こいつなら平気でやりかねないし、
それに、対策課の力は
借りられるようにしておかなければ、
万が一赤斗が敵に回った時、
俺単独ではどうしようもない。

「・・・いいぜ。」
俺は地面に腰を下ろし、話し始めた。

「これは結構俺の推理が入ってるから、
あくまで推測だ。
それだけ断っとくぞ。

お前はさっき、
非物質化のことについて、
『そんな訳が無い』と言っていたな。

それは、


正確には、それが『旅人』の力の、
一番シンプルな使い方なんだ。」
「ほう。」

京極は俺を見る目を一層鋭くした。
「そもそも、疑問だったのでござるが、
何故当主や赤斗殿は、
加護を刀に反映などという、
まだるっこしいことを
していたのでござろうか・・・。」
「「やっと口開いたな、お前。」」

俺と京極は口を揃えて、
さっきから俺達のそばを、
ふわふわと漂い続けていた
半透明の侍と狸に声をかける。

「やや!
やはり気付いていたのでござるか!

いや、当然でござるか、
お二人共特別な類のようですし・・・。
しかし、あまりにも反応が無いもので、
てっきり気づいていないと・・・。」

まあ、確かに印籠を持った瞬間、
叫び続ける侍と狸が
這い出てきたのには多少驚いたが、
狸が引っ付いてる時点で納得したし、
侍ごときでびびっていたのでは、
俺も京極も仕事ができない。

「先にこいつの疑問に答えておくか。
これからの説明のこともあるしな。

こいつがさっき言った通り、
赤斗、すなわち『旅人』は普段、
道具を介して『加護』を発動していた。

何で直接じゃなくて、
わざわざ一回道具を挟む?

あいつの『加護』が弱すぎるから?
違う、逆だ。

『旅人』の力は、
不慣れな間は、
そうやって『セーブ』しないと、
逆に身を滅ぼすほどに。

お前、夏から『騎士』との決闘に、
あいつが割り込んだ話聞いたか?」

京極は頷く。
「ああ、たしか、
ブラックホールみたいなのが
出現したとか何とか言っていたな。

だが、あれは
正体不明の敵の襲撃だと・・・。」
「いいや、違う。
あれは、
中途半端な憑依によって起こった、
暴走・・・というよりは、
『はみ出し』だな。

大事には至らなかったところを見ると、
幸いすぐ閉じたらしいが。」
「工事現場を更地にすれば、
充分大事だと思うが・・・。

しかし、
さっき観察していたところでは、
ブラックホールは使わなかったぞ?

それに、
あの餓鬼はどこへ消えたんだ?
生きてるのか?」

俺は渋い顔で、
「次から次へと質問すんじゃねーよ。
警察の癖に、尋問下手か。
心配すんな、順に答えてやるから。

1つ目、生きてるかどうか。
それは安心しろ、生きている。
なぜなら俺の師匠が、
『何とかする』と言ったからだ。

2つ目、あいつの『加護』の詳細。
3つ目、あいつが何処に行ったのか。
これを導き出すために、
まず、あいつがやったことを整理する。

1つ目、非物質化。
2つ目、ブラックホール生成。
3つ目、遠距離切断、とでもしとくか。
4つ目、瞬間移動。
5つ目、空間壁。
6つ目、謎の雲隠れ。

確かに、一見バラバラの力だ。
だが、これ全部を包括できる力が、
1。」
京極は腕を組み、
考えるような仕草をする。

「それは自分で考えろ、
ということか?」
俺は頷く。

「ほらほら、あと10秒だぞ。
しっかりしろよ、刑事さんよお。」
『わかりました。』

急に若い男の声が響く。
声の主は、
京極の頭の上にいるやつのシンジュウ、
バショウだった。

「お、やるなぁ。
流石は俺が、
名前をつけてやったシンジュウだぜ。」
京極はまた白い目で俺を睨みながら、
「今となってはお前にやらせたことを、
死ぬほど後悔してるけどな。」
とボソリと呟くが、
聞こえないふりをする。

『『物の透明化』、ではありませんか?
これなら殆ど全てが説明できますよ。

非物質化はシンプルに説明できますし、
空間壁は、
そこに透明化した物を置いておけば、
すむことです。
切断は同じ要領で刃物を置いておけば、
自分の速さで真っ二つ。
瞬間移動は、
透明化してから、
シンジュウの力をフルに使って、
猛スピードで動いただけ。
謎の雲隠れは、敵ごと透明化して、
今も何処かで戦っている・・・、
というのであれば、
説明はつきそうなのですが・・・。』
「2番目はどうすんだよ。」

京極が口を挟んだ。
『それはわかりません。
しかしこれなら殆どが・・・。』
じゃ、駄目なんだよ。」

京極がぴしゃりと言い放った。

「いいか、ただでさえ俺達は、
『シンジュウ』とかいう、
得体の知れない相手と接してるんだぞ?

お前、戦場で
『何となくこの辺に敵がいるな』で、
突っ込んで行くのか?

超常の存在相手に『何となく』は、
絶対にしちゃいけないことなんだよ。」

超常の存在そのものに向かって。
それを諭すかね・・・。
俺は思わず苦笑いをする。
すると、京極が両手を高く上げた。

「降参だよ、降参。
さっさと教えてくれ。」
俺は思わずニヤリと笑い、
ビシッ!と京極を指さした。

「俺の勝ちだ!
これで貸し借り無しだな!」
「お前と、お前の妹の、
いきすぎたシンジュウ討伐握り潰すの、
この前の怪物事件で52回目なんだが?」
「・・・まあ、いい。
今回は引き分けにしといてやるぜ。

あいつの力の
一番シンプルな使い方は非物質化だが、
そもそも、


物に一切干渉できなくなるって、
つまり物をどうするってことだ?」
「何が言いたい?」

京極はまた冷たい目線を俺に突き刺す。
どうやらこれ以上焦らすな、
ということらしい。

俺はやれやれ、とばかりに首を振り、
「つまり、

ってことだろ?」

後ろにいる侍と狸を指さした。

「・・・何が言いたい?
物を幽霊にする能力、
とかいうんじゃないだろうな。」
「そもそも、干渉できる物って、
どういうものがある?

人間とか、果物とか、車とか、
全部という、
共通点があるだろう?

って考えたら、結論に行き着いた。」
そこで京極は、目を見開いた。
どうやら気づいたらしい。

「まさか・・・。」
「かつて、
『創造主』に勝てる奴は
いないと思われていた。
なにせあいつは、
この世の全てを統べる、
と言っても差し支えないほどの、
反則の力を持っていたからな。

だけど、そいつの盟友だけが、
『旅人』だけは、
『創造主』と互角に渡りあえた。

この世の全てを統べるはずの力と、
何故戦えた?

それは、『旅人』だけが、
その力の範囲から、『この世』から、
脱することができたから。

あいつが何処に消えたか?
あいつは、
『捕食者』を引きずり込んだのさ。
に。

あのサイコパスは、
多分今頃風になってるぜ、
物理的な意味でな。

非物質化は、物質の『それ』を、
いじくったんだ。
ブラックホールも遠距離切断も空間壁も
空間の『それ』をねじ曲げておこした。

というより、言っちまえば、
切断やらブラックホールなんて、
全部『旅人』の力を応用した、
言わばサブだ。

お前がさっき
ワームホールって言ったのは、
別の世界への入り口だ。

あいつの力の本当の使い方は、
俺達の世界と、
本来なら絶対に干渉できないはずの、
とを接続し、
そこを行き来すること。

お前ら対策課が、
いくら血眼になっても『旅人』の行方を
掴めなかったのも当然だ。
なんてったって身を潜めてたのは、
俺たちには入ることすら許されない、
絶対領域なんだからな。」

呆然としたような京極が、
声を絞り出す。

「・・・そんな、まさか。
そんな反則級の力が、
あって言いわけが・・・。」
「気づいたか?

まあ、一応言っとくぜ。」

俺は強張った笑顔を浮かべて、言った。

「『旅人』の力の正体は、だ。

あいつの本当の加護は、
あらゆる物の次元を操り、
数多の異次元世界を自在に行き来する、
だ。」













































































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