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第1章
<58話>大きくなったな
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僕が見つめる目の前で、
無数の光の粒子となった小早川と鼠が、
霧散していった。
・・・殺したんだ。
僕は、人を、殺したんだ・・・。
『あんまり考えない方がいい。
・・・っと!』
ここで、完全に憑依が解け、
フセが外に弾き出された。
僕は思わず身構えるが、
小早川のように僕の身体が
どうにかなる、
というわけではなかった。
『ああ、心配しなくていい。
ほら、前にも話しただろ?
シンジュウには、
その『加護』を成り立たせるために、
身体強化がつくって、さ。
私の場合のそれは、
あらゆる次元に適応することだ。
だから、君は消滅しない。
ついでに、傷も治ってるはずさ。』
「・・・そうか。」
僕はゆっくりと震える腕を下ろした。
いや、震えているのは、
腕だけでは無く、身体全体だった。
そしてそのまま、
その白い地面に倒れ込む。
殆どの体力を
持っていかれてしまったらしい。
こんなに、あっさりと、
人1人の命が、消えた。
これが『旅人』の、フセの、僕の、
次元操作能力・・・。
『・・・それと、もう一つ。
言いにくいことなんだけど、
・・・その・・・。』
「帰れないんだろ?」
フセより先に、僕は
地面に寝っ転がったまま発言した。
「三好さんのあの態度で、
なんとなく察しはついてたよ。
戻るにはあの力が必要だけど、
憑依も解けちゃってるし、
もう一度あの状態になるには、
また死にかけなきゃならない。
だけど今の僕の状態で
そんなことをしたら、
間違いなく今度こそ衰弱死だ。
従って、
『旅人』とやらの力はつかえない。
だから、帰れない。
だろ?」
もとより覚悟は決めていたのだ。
僕1人の犠牲で、
何人も助かったんだから、
安いもんじゃないか・・・。
『いや、帰れるよ。
というより、
私も元々そのつもりだったけど、
たまたま帰れるようになった、
と言った方がいいかな。』
「は!?」
たった2秒で覚悟は打ち砕かれ、
僕は思わず声を上げた。
「じゃああの三好さんの焦りようは
なんだったんだよ!」
『まあ、
君の言いたいことはわかるんだけどね。
そもそも、
私は闇雲に
此処に飛び込んだというよりは、
賭けて飛び込んだんだ。
言ったろ?
掴んでくれることを祈るって。
本来なら私達は、
座標不明の、訳の分からない
それこそ異世界へぶっ飛ばされる
はずだったんだけど、
私の昔の相棒が、
自分の世界の入り口を
開けてくれたおかげで、
帰れるようになったのさ。
ほら、そこにいるだろ?」
フセのその言葉で、
僕は、僕達の方へと近づいてくる
足音に気がついた。
僕は、足音のする方を向き、
絶句した。
その人は、僕の、
死んだと・・・思って・・・。
視界がぼやける。
それが自分の瞳に溢れる
涙だと気づくのに、
少し時間がかかった。
滲んでよく見えない視界の中で、
そのぼんやりとした人影は、
僕のすぐ近くまで来て、
ポンと僕の頭に手を置いた。
硬い義手の右手を。
「いらっしゃい。
大きくなったな、赤斗。」
「ああ・・・ああああ・・・!!」
嗚咽でうまく喋れない僕の眼前で、
祖父は、にこりと笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「まさかここまで早く
『旅人』の力を使うことになるとはな。
前の暴走の時には、
フセがうまくやってくれたようじゃが、
流石に今回はわしが
手助けせにゃならんかったな。」
祖父が笑いながら言う。
「で、でだずげっで・・・?
ぞれに・・・いぎで・・・。」
「あれ、フセに聞いとらんのかい?
じゃあまず、
落ち着いてところで説明しようか。
お腹も空いただろう。」
祖父は僕の手を引いて、
その白い空間を歩いていく。
しばらく進むと、突然、
祖父の別宅そっくりの
小さい家が出現した。
家の前に小さな机と、
2脚の白い椅子が置かれているあたり、
それそのものだ。
「家の中は混沌としとるから、
悪いがテラスの方にいてくれんか?
すぐにお茶と、
何か食べ物を持ってこよう。
説明は、それを食べながらでな。」
そう言って
さっさと家に入ってしまった
祖父を見届けてから、
僕はそっと椅子を撫でた。
少し剥離した塗装に
指が引っかかる手触りは、
まさに小さい頃、
届かない足を宙で揺らしながら、
僕が座っていたものだった。
「捨てちまったはずなんだけどな。」
僕は微笑を浮かべて椅子に腰掛け、
純白の天を仰ぐ。
ほどなくして、
「やあ、お待たせ。」
という声とともに、
僕の前に湯気の立つ紅茶の入ったカップと、
黄金色のアップルパイが置かれた。
祖父は僕の向かい側に座った。
「さて・・・話を始める前に・・・。」
そういうと祖父はフセをきっと睨んで、
「こんのボケェェェェェ!!
継承は時期を見てやれと
あれほど言ったじゃろ!
たまたま救えたから良いものの、
間に合わなかったら
どーするつもりだったんじゃ!」
『やかましい!
緊急事態だったんだよ!
テメェの孫の命救ってやったのに、
礼の一つも言えねえのか!』
壮絶な口喧嘩を始めた・・・。
老人と柴犬の罵詈雑言の応酬に、
僕は一瞬呆気にとられたが、
すぐに正気を取り戻し、
机を思いっきりぶん殴った。
「説・明!」
それによって1人と1柱はハッとしたように、
口論をやめた。
「・・・すまん、取り乱してしまった。
えーと、何が聞きたい?」
「じいちゃんが消えた理由。」
僕は淡々と続ける。
「そもそも何なんだよ、
『旅人』とか『創造主』とか継承とか、
もう意味わかんねぇよ。
はぐらかさずに教えてよ、
もう僕は、こっち側にいるんだからさ。」
祖父は少し唸って、
それから真っ直ぐに僕を見つめた。
「・・・わかった。
お前の言う通りじゃ、説明しよう。
ただ、
あんまり長居するのもよくないから、
此処では簡単にな。
さて・・・、
わしの小説がどういうものかは、
知っとるよな?」
僕は少し顔をしかめて答えた。
「知ってるよ、ファンタジー。
アレ、
異次元世界を渡り歩いて書いたのか。
成る程、リアルなわけだ。」
「正解!
流石はワシの孫じゃな。」
「ズルじゃないの?それ。」
「細かいこと言うんじゃあない。
それ以外は、
設定もキャラクターもストーリーも、
全部自分で考えたんじゃから、
許しとくれ。
まあ、何が言いたいのかというと、
シンジュウ使いっていうのは、
こういう風に、
結構戦い以外の場面で、
異能力を利用していることも多い。」
僕は紅茶を飲みながら頷く。
このご時世なら、
当たり前と言えば当たり前か。
「シンジュウは当然わしらの時代にも
存在しとったわけじゃが、
当時から悪用するやつが
たえなかったんじゃ。
当時わしはフセを宿したばっかりでな、
そこでわしは、
同時期にシンジュウを宿した友人、
そうだな、『創造主』としておこうか、
と一緒に、そういう奴らを説得したり、
おかしな力がいきなり発現して
不安になってる人をケアしたり、
場合によっては
力づくで悪行を止めたりしてたんじゃ。
所謂自警団ってところじゃな。」
「なんか後半、
結構物騒だったな・・・。」
『許容してくれよ。
別に人は殺してないし、
それに私達が対処してなけりゃあ
エライことになってたケースも、
多々あったんだからさ。』
祖父は頷き、紅茶を啜った。
「だけど、
シンジュウ犯罪は減るどころか、
むしろ増え続ける一方じゃってな。
次第にわしと友人の2人だけでは、
押さえきれんようになっていった。
人手不足に陥ったワシらは、考えた。
シンジュウ使いの団体を作ろうと。」
僕は目を大きく見開いた。
「シンジュウ使いの・・・団体!?」
「ああ、そうじゃ。
名前は、『水の会』。
シンジュウ使い達にとっての、
生命線になろうって意味でつけた。
今思うと愚行甚だしいが。」
祖父は少し悲しそうな顔をした。
「まずわしらは、
自警団を開設した当初に関わった人達に
連絡を取った。
殆どの人達は、快諾してくれた。
当初のメンバーは、
20人弱くらいじゃったかな。
目的は、3つ。
1つ、シンジュウの正体や起源の解明。
2つ、シンジュウ使いのケア。
3つ、シンジュウ犯罪の取締り。
手探り状態で始めたことじゃったが、
ライバルも何もない事業だし、
海外まで出張したりとか、
結構大々的にやったおかげで、
4年ほどすれば軌道に乗って、
『水の会』のメンバーも、
200人ほどに膨れ上がった。」
「200人!?」
僕は飛び上がらんばかりに驚いた。
シンジュウ使いはそんなにいるのか!?
いや、海外なんかも合わせたら、
そりゃ当然っちゃ当然か・・・。
「そこまでの規模になってくると、
存在自体がシンジュウ犯罪の
抑止力みたいになってきてな。
戦争直後から増加傾向だった犯罪の数も、
かなり減らすことができたんじゃ。」
此処まで聞くといいことづくめだ。
けど・・・。
「今、その『水の会』は存在していない。
だよね?」
僕はパイを口に運びながら、
やおら発言した。
祖父は微笑を浮かべて僕を見る。
「・・・ほう、何故そう思った?」
「一度も話を聞かないからさ。
長い間シンジュウと接してきたはずの、
斯波や三好さんや夏さんから。」
「ふむ・・・。」
祖父は少し考えるような
仕草をしてから、言った。
「80点。」
自身の予想が外れて、
僕は少し悔しかったが、しかし80点?
「それどういう意味?」
「言葉の通りじゃよ、だいたいあってる。
確かに、『水の会』は今は存在しない。
ただ、無くなった、と言うよりは、
形が変わったと言った方がいいな。
ある日ワシらは、
1人のシンジュウ使いを保護したんじゃ。
まあ、それ自体はいつものことなんじゃが、
問題は保護した存在じゃった。
シンジュウが与える異能力ってのは、
『加護』と呼ばれるだけあって、
当然人知を超えた力なんじゃが、
そいつのは、強すぎた。
他の『加護』なんかとは、
比べ物にならん、次元が違う。
それさえ手に入れてしまえば、
世界を滅ぼすことも、支配することも、
容易にできてしまうような、そんな力。
この力が、
それまでは
世界から弾かれたシンジュウ使い同士の
それなりに固かった結束を、
思いっきり両断することになったんじゃ。」
僕は唾を飲み込んだ。
「・・・どういうこと?」
「赤斗・・・。」
祖父は神妙な顔で、言った。
「お前、後輩とご飯を食べるの嫌か?」
「は?」
僕は思わず気の抜けた返事をした。
質問の意図がわからないんだけど・・・。
「・・・別に、嫌じゃない。」
祖父は嬉しそうに、
「そうか、ならいいんだ。」
と微笑んだ。
「話を戻そう。
この会には最初、関わったことのある人達に
声をかけたと言ったよな?
あの中には、罪を犯して改心した、
みたいなやつも含まれててな。
そういう奴らの中には、
思想犯みたいなやつもいたんじゃ。
『優れた力を持った我々が、
この世界を統治するべきだー!』ってな。
そういう奴らが、
そのシンジュウが会に入った途端、
またヒートアップしだしてな。
最初は1、2人だったのが、
4人になり、8人になりと、
どんどん増えていった。
しかも最悪だったのが、その中には、
『創造主』が、わしの友人がいたんじゃ。」
祖父が噛み締めるように話を進める。
「わしも必死に事態の収集に動いたが、
『信仰』とは怖いものでな。
いつしか『水の会』は、
『創造主』中心の革命派と、
わしが中心の穏健派の、真っ二つに割れた。
そして両勢力は睨み合い、
激突する様になっていったんじゃ。
そして何年にもわたる戦いの末、
勝ったのは、
禁忌まで犯した、革命派じゃった。
そして勝利した革命派が行ったのは、
穏健派のシンジュウ使いたちを、
淘汰していくこと。
寝返るように説得して、従わなければ、
・・・まあ、処分じゃな。
わしが消えたのも、そいつらの追跡から、
家族を守るためじゃ。
わしの知る『水の会』はもう無い。
今は『創造主』が形を変えちまったからな。
私物として、兵器としての形に。
同志たちは次々と倒れていき、
ある者は殺され、ある者は寝返り、
とうとう穏健派は壊滅状態になった。
わしも奴らの手によって、
こんな状態になってしまった。
追い詰められたわしらは、
わしら側のシンジュウ達を、
次の世代に託すことにしたんじゃ。
わしらの側で把握しているのは7柱。
『錬金術師』、『占い師』、『騎士』、
『盗人』、『忍』、『軍師』、『旅人』。
死の寸前に誰かにシンジュウを託した、
穏健派もいたらしいから、
もう少し多いだろうが、
これらのシンジュウ達が、
天原市に放たれた。
これが、言うなればお前達の前日譚、
と言ったところじゃな。
この7柱には、特別な処理を施したから、
みんな断片的にしか、
この出来事を覚えとらん。」
僕がフセを見ると、
フセも驚愕の表情を浮かべていた。
どうやら処理というのは本当らしい。
「・・・さて、そろそろ時間じゃな。
続きは善坊にでも聞いておくれ。
帰る時間だよ。」
祖父が指をパチンと鳴らすと、
虚空に穴が出現した。
「これでわしの中の『旅人』の力は、
完全に消えた。
また遊びにおいで。
その穴を辿ればさっきお前がいた場所じゃ。
もう帰った方がいい、
みんな心配しとるじゃろ。」
「その前に1つだけ。」
僕は祖父の目を真っ直ぐ見つめて、言った。
「・・・じいちゃん、
じいちゃんは今、生きてるの?」
「死んどるよ。」
祖父はあっさりと答えた。
わかっていたのだ。
祖父は『旅人』の力を完全に
僕に譲ったと言った。
にもかかわらず、
彼が消滅しないということは、身体が、
その次元に合わせられているということ。
つまり、祖父は、自分の世界に帰れない。
「あの日、わしは革命派の襲撃にあい、
命からがら逃げ出したんじゃがな、
完全に振り切った時には、
もう既に瀕死だったんじゃ。
この世界にいたら、確実に助からない。
そう思ってわしは、
お前の世界より魂の結びつきが強固な、
この世界に永住することにした。
怒るかね?」
「・・・怒る権利ないよ。
多分、そうしなけりゃ、
僕たち家族に被害が及んでたんだろうから。
だけど・・・、これだけは言いたい。
会えて嬉しかったよ、また来るね。
今度は、僕から扉を開けて。」
祖父はニンマリと笑った。
「ああ、いつでもおいで。」
僕が穴に近づくと、
物凄い勢いで穴に吸われ始めた。
随分荒っぽいやり方だ。
「ああ、思い出した、もう一つ!」
祖父の怒鳴り声が微かに聞こえる。
「戦いの原因となったシンジュウな、
あいつのコードネームは、k・・・。」
ここで僕は意識を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気がつくと、僕は万年筆を握りしめ、
広場の中心で大の字に横になっていた。
辺りは完全に暗闇・・・の中に、
いくつもの明かりが蠢いている。
僕は身を起こし、ぼんやりとそれを眺める。
「・・・帰ってきたね。」
『・・・ああ。』
不意に広場に警察官の制服に
身を包んだ男性が飛び出してきた。
「き、きみ、いつからそこにいたんだ!?
こちら茅野、生存者1名発見、保護します!
さあ、きみもこっちに!」
僕は警官に引きずられるようにして、
あかりの方へと歩いていった。
発生は8月10日。
死者22名。
重軽傷者67名。
現場となった験山は、その34%が焼失。
験山の野生動物、56%が死亡。
犯人・・・行方不明。
天原市史上、
最悪の大量殺人事件の起こったその日は、
静かにその幕を閉じた。
無数の光の粒子となった小早川と鼠が、
霧散していった。
・・・殺したんだ。
僕は、人を、殺したんだ・・・。
『あんまり考えない方がいい。
・・・っと!』
ここで、完全に憑依が解け、
フセが外に弾き出された。
僕は思わず身構えるが、
小早川のように僕の身体が
どうにかなる、
というわけではなかった。
『ああ、心配しなくていい。
ほら、前にも話しただろ?
シンジュウには、
その『加護』を成り立たせるために、
身体強化がつくって、さ。
私の場合のそれは、
あらゆる次元に適応することだ。
だから、君は消滅しない。
ついでに、傷も治ってるはずさ。』
「・・・そうか。」
僕はゆっくりと震える腕を下ろした。
いや、震えているのは、
腕だけでは無く、身体全体だった。
そしてそのまま、
その白い地面に倒れ込む。
殆どの体力を
持っていかれてしまったらしい。
こんなに、あっさりと、
人1人の命が、消えた。
これが『旅人』の、フセの、僕の、
次元操作能力・・・。
『・・・それと、もう一つ。
言いにくいことなんだけど、
・・・その・・・。』
「帰れないんだろ?」
フセより先に、僕は
地面に寝っ転がったまま発言した。
「三好さんのあの態度で、
なんとなく察しはついてたよ。
戻るにはあの力が必要だけど、
憑依も解けちゃってるし、
もう一度あの状態になるには、
また死にかけなきゃならない。
だけど今の僕の状態で
そんなことをしたら、
間違いなく今度こそ衰弱死だ。
従って、
『旅人』とやらの力はつかえない。
だから、帰れない。
だろ?」
もとより覚悟は決めていたのだ。
僕1人の犠牲で、
何人も助かったんだから、
安いもんじゃないか・・・。
『いや、帰れるよ。
というより、
私も元々そのつもりだったけど、
たまたま帰れるようになった、
と言った方がいいかな。』
「は!?」
たった2秒で覚悟は打ち砕かれ、
僕は思わず声を上げた。
「じゃああの三好さんの焦りようは
なんだったんだよ!」
『まあ、
君の言いたいことはわかるんだけどね。
そもそも、
私は闇雲に
此処に飛び込んだというよりは、
賭けて飛び込んだんだ。
言ったろ?
掴んでくれることを祈るって。
本来なら私達は、
座標不明の、訳の分からない
それこそ異世界へぶっ飛ばされる
はずだったんだけど、
私の昔の相棒が、
自分の世界の入り口を
開けてくれたおかげで、
帰れるようになったのさ。
ほら、そこにいるだろ?」
フセのその言葉で、
僕は、僕達の方へと近づいてくる
足音に気がついた。
僕は、足音のする方を向き、
絶句した。
その人は、僕の、
死んだと・・・思って・・・。
視界がぼやける。
それが自分の瞳に溢れる
涙だと気づくのに、
少し時間がかかった。
滲んでよく見えない視界の中で、
そのぼんやりとした人影は、
僕のすぐ近くまで来て、
ポンと僕の頭に手を置いた。
硬い義手の右手を。
「いらっしゃい。
大きくなったな、赤斗。」
「ああ・・・ああああ・・・!!」
嗚咽でうまく喋れない僕の眼前で、
祖父は、にこりと笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「まさかここまで早く
『旅人』の力を使うことになるとはな。
前の暴走の時には、
フセがうまくやってくれたようじゃが、
流石に今回はわしが
手助けせにゃならんかったな。」
祖父が笑いながら言う。
「で、でだずげっで・・・?
ぞれに・・・いぎで・・・。」
「あれ、フセに聞いとらんのかい?
じゃあまず、
落ち着いてところで説明しようか。
お腹も空いただろう。」
祖父は僕の手を引いて、
その白い空間を歩いていく。
しばらく進むと、突然、
祖父の別宅そっくりの
小さい家が出現した。
家の前に小さな机と、
2脚の白い椅子が置かれているあたり、
それそのものだ。
「家の中は混沌としとるから、
悪いがテラスの方にいてくれんか?
すぐにお茶と、
何か食べ物を持ってこよう。
説明は、それを食べながらでな。」
そう言って
さっさと家に入ってしまった
祖父を見届けてから、
僕はそっと椅子を撫でた。
少し剥離した塗装に
指が引っかかる手触りは、
まさに小さい頃、
届かない足を宙で揺らしながら、
僕が座っていたものだった。
「捨てちまったはずなんだけどな。」
僕は微笑を浮かべて椅子に腰掛け、
純白の天を仰ぐ。
ほどなくして、
「やあ、お待たせ。」
という声とともに、
僕の前に湯気の立つ紅茶の入ったカップと、
黄金色のアップルパイが置かれた。
祖父は僕の向かい側に座った。
「さて・・・話を始める前に・・・。」
そういうと祖父はフセをきっと睨んで、
「こんのボケェェェェェ!!
継承は時期を見てやれと
あれほど言ったじゃろ!
たまたま救えたから良いものの、
間に合わなかったら
どーするつもりだったんじゃ!」
『やかましい!
緊急事態だったんだよ!
テメェの孫の命救ってやったのに、
礼の一つも言えねえのか!』
壮絶な口喧嘩を始めた・・・。
老人と柴犬の罵詈雑言の応酬に、
僕は一瞬呆気にとられたが、
すぐに正気を取り戻し、
机を思いっきりぶん殴った。
「説・明!」
それによって1人と1柱はハッとしたように、
口論をやめた。
「・・・すまん、取り乱してしまった。
えーと、何が聞きたい?」
「じいちゃんが消えた理由。」
僕は淡々と続ける。
「そもそも何なんだよ、
『旅人』とか『創造主』とか継承とか、
もう意味わかんねぇよ。
はぐらかさずに教えてよ、
もう僕は、こっち側にいるんだからさ。」
祖父は少し唸って、
それから真っ直ぐに僕を見つめた。
「・・・わかった。
お前の言う通りじゃ、説明しよう。
ただ、
あんまり長居するのもよくないから、
此処では簡単にな。
さて・・・、
わしの小説がどういうものかは、
知っとるよな?」
僕は少し顔をしかめて答えた。
「知ってるよ、ファンタジー。
アレ、
異次元世界を渡り歩いて書いたのか。
成る程、リアルなわけだ。」
「正解!
流石はワシの孫じゃな。」
「ズルじゃないの?それ。」
「細かいこと言うんじゃあない。
それ以外は、
設定もキャラクターもストーリーも、
全部自分で考えたんじゃから、
許しとくれ。
まあ、何が言いたいのかというと、
シンジュウ使いっていうのは、
こういう風に、
結構戦い以外の場面で、
異能力を利用していることも多い。」
僕は紅茶を飲みながら頷く。
このご時世なら、
当たり前と言えば当たり前か。
「シンジュウは当然わしらの時代にも
存在しとったわけじゃが、
当時から悪用するやつが
たえなかったんじゃ。
当時わしはフセを宿したばっかりでな、
そこでわしは、
同時期にシンジュウを宿した友人、
そうだな、『創造主』としておこうか、
と一緒に、そういう奴らを説得したり、
おかしな力がいきなり発現して
不安になってる人をケアしたり、
場合によっては
力づくで悪行を止めたりしてたんじゃ。
所謂自警団ってところじゃな。」
「なんか後半、
結構物騒だったな・・・。」
『許容してくれよ。
別に人は殺してないし、
それに私達が対処してなけりゃあ
エライことになってたケースも、
多々あったんだからさ。』
祖父は頷き、紅茶を啜った。
「だけど、
シンジュウ犯罪は減るどころか、
むしろ増え続ける一方じゃってな。
次第にわしと友人の2人だけでは、
押さえきれんようになっていった。
人手不足に陥ったワシらは、考えた。
シンジュウ使いの団体を作ろうと。」
僕は目を大きく見開いた。
「シンジュウ使いの・・・団体!?」
「ああ、そうじゃ。
名前は、『水の会』。
シンジュウ使い達にとっての、
生命線になろうって意味でつけた。
今思うと愚行甚だしいが。」
祖父は少し悲しそうな顔をした。
「まずわしらは、
自警団を開設した当初に関わった人達に
連絡を取った。
殆どの人達は、快諾してくれた。
当初のメンバーは、
20人弱くらいじゃったかな。
目的は、3つ。
1つ、シンジュウの正体や起源の解明。
2つ、シンジュウ使いのケア。
3つ、シンジュウ犯罪の取締り。
手探り状態で始めたことじゃったが、
ライバルも何もない事業だし、
海外まで出張したりとか、
結構大々的にやったおかげで、
4年ほどすれば軌道に乗って、
『水の会』のメンバーも、
200人ほどに膨れ上がった。」
「200人!?」
僕は飛び上がらんばかりに驚いた。
シンジュウ使いはそんなにいるのか!?
いや、海外なんかも合わせたら、
そりゃ当然っちゃ当然か・・・。
「そこまでの規模になってくると、
存在自体がシンジュウ犯罪の
抑止力みたいになってきてな。
戦争直後から増加傾向だった犯罪の数も、
かなり減らすことができたんじゃ。」
此処まで聞くといいことづくめだ。
けど・・・。
「今、その『水の会』は存在していない。
だよね?」
僕はパイを口に運びながら、
やおら発言した。
祖父は微笑を浮かべて僕を見る。
「・・・ほう、何故そう思った?」
「一度も話を聞かないからさ。
長い間シンジュウと接してきたはずの、
斯波や三好さんや夏さんから。」
「ふむ・・・。」
祖父は少し考えるような
仕草をしてから、言った。
「80点。」
自身の予想が外れて、
僕は少し悔しかったが、しかし80点?
「それどういう意味?」
「言葉の通りじゃよ、だいたいあってる。
確かに、『水の会』は今は存在しない。
ただ、無くなった、と言うよりは、
形が変わったと言った方がいいな。
ある日ワシらは、
1人のシンジュウ使いを保護したんじゃ。
まあ、それ自体はいつものことなんじゃが、
問題は保護した存在じゃった。
シンジュウが与える異能力ってのは、
『加護』と呼ばれるだけあって、
当然人知を超えた力なんじゃが、
そいつのは、強すぎた。
他の『加護』なんかとは、
比べ物にならん、次元が違う。
それさえ手に入れてしまえば、
世界を滅ぼすことも、支配することも、
容易にできてしまうような、そんな力。
この力が、
それまでは
世界から弾かれたシンジュウ使い同士の
それなりに固かった結束を、
思いっきり両断することになったんじゃ。」
僕は唾を飲み込んだ。
「・・・どういうこと?」
「赤斗・・・。」
祖父は神妙な顔で、言った。
「お前、後輩とご飯を食べるの嫌か?」
「は?」
僕は思わず気の抜けた返事をした。
質問の意図がわからないんだけど・・・。
「・・・別に、嫌じゃない。」
祖父は嬉しそうに、
「そうか、ならいいんだ。」
と微笑んだ。
「話を戻そう。
この会には最初、関わったことのある人達に
声をかけたと言ったよな?
あの中には、罪を犯して改心した、
みたいなやつも含まれててな。
そういう奴らの中には、
思想犯みたいなやつもいたんじゃ。
『優れた力を持った我々が、
この世界を統治するべきだー!』ってな。
そういう奴らが、
そのシンジュウが会に入った途端、
またヒートアップしだしてな。
最初は1、2人だったのが、
4人になり、8人になりと、
どんどん増えていった。
しかも最悪だったのが、その中には、
『創造主』が、わしの友人がいたんじゃ。」
祖父が噛み締めるように話を進める。
「わしも必死に事態の収集に動いたが、
『信仰』とは怖いものでな。
いつしか『水の会』は、
『創造主』中心の革命派と、
わしが中心の穏健派の、真っ二つに割れた。
そして両勢力は睨み合い、
激突する様になっていったんじゃ。
そして何年にもわたる戦いの末、
勝ったのは、
禁忌まで犯した、革命派じゃった。
そして勝利した革命派が行ったのは、
穏健派のシンジュウ使いたちを、
淘汰していくこと。
寝返るように説得して、従わなければ、
・・・まあ、処分じゃな。
わしが消えたのも、そいつらの追跡から、
家族を守るためじゃ。
わしの知る『水の会』はもう無い。
今は『創造主』が形を変えちまったからな。
私物として、兵器としての形に。
同志たちは次々と倒れていき、
ある者は殺され、ある者は寝返り、
とうとう穏健派は壊滅状態になった。
わしも奴らの手によって、
こんな状態になってしまった。
追い詰められたわしらは、
わしら側のシンジュウ達を、
次の世代に託すことにしたんじゃ。
わしらの側で把握しているのは7柱。
『錬金術師』、『占い師』、『騎士』、
『盗人』、『忍』、『軍師』、『旅人』。
死の寸前に誰かにシンジュウを託した、
穏健派もいたらしいから、
もう少し多いだろうが、
これらのシンジュウ達が、
天原市に放たれた。
これが、言うなればお前達の前日譚、
と言ったところじゃな。
この7柱には、特別な処理を施したから、
みんな断片的にしか、
この出来事を覚えとらん。」
僕がフセを見ると、
フセも驚愕の表情を浮かべていた。
どうやら処理というのは本当らしい。
「・・・さて、そろそろ時間じゃな。
続きは善坊にでも聞いておくれ。
帰る時間だよ。」
祖父が指をパチンと鳴らすと、
虚空に穴が出現した。
「これでわしの中の『旅人』の力は、
完全に消えた。
また遊びにおいで。
その穴を辿ればさっきお前がいた場所じゃ。
もう帰った方がいい、
みんな心配しとるじゃろ。」
「その前に1つだけ。」
僕は祖父の目を真っ直ぐ見つめて、言った。
「・・・じいちゃん、
じいちゃんは今、生きてるの?」
「死んどるよ。」
祖父はあっさりと答えた。
わかっていたのだ。
祖父は『旅人』の力を完全に
僕に譲ったと言った。
にもかかわらず、
彼が消滅しないということは、身体が、
その次元に合わせられているということ。
つまり、祖父は、自分の世界に帰れない。
「あの日、わしは革命派の襲撃にあい、
命からがら逃げ出したんじゃがな、
完全に振り切った時には、
もう既に瀕死だったんじゃ。
この世界にいたら、確実に助からない。
そう思ってわしは、
お前の世界より魂の結びつきが強固な、
この世界に永住することにした。
怒るかね?」
「・・・怒る権利ないよ。
多分、そうしなけりゃ、
僕たち家族に被害が及んでたんだろうから。
だけど・・・、これだけは言いたい。
会えて嬉しかったよ、また来るね。
今度は、僕から扉を開けて。」
祖父はニンマリと笑った。
「ああ、いつでもおいで。」
僕が穴に近づくと、
物凄い勢いで穴に吸われ始めた。
随分荒っぽいやり方だ。
「ああ、思い出した、もう一つ!」
祖父の怒鳴り声が微かに聞こえる。
「戦いの原因となったシンジュウな、
あいつのコードネームは、k・・・。」
ここで僕は意識を失った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
気がつくと、僕は万年筆を握りしめ、
広場の中心で大の字に横になっていた。
辺りは完全に暗闇・・・の中に、
いくつもの明かりが蠢いている。
僕は身を起こし、ぼんやりとそれを眺める。
「・・・帰ってきたね。」
『・・・ああ。』
不意に広場に警察官の制服に
身を包んだ男性が飛び出してきた。
「き、きみ、いつからそこにいたんだ!?
こちら茅野、生存者1名発見、保護します!
さあ、きみもこっちに!」
僕は警官に引きずられるようにして、
あかりの方へと歩いていった。
発生は8月10日。
死者22名。
重軽傷者67名。
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験山の野生動物、56%が死亡。
犯人・・・行方不明。
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最悪の大量殺人事件の起こったその日は、
静かにその幕を閉じた。
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