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魔道書
しおりを挟む「よし、とりあえずダンジョン行く前に準備だな。」
幸い先ほどのクエストの報酬とアイテム換金のおかげでかなりのお金がある。
次はこの世界で最も使いたかった剣を買ってみようと思う。それと買えたらだが装飾品も購入したいところだ。
とりあえずそれらを揃えるために武器屋へと向かう。
「らっしゃい!お、また兄ちゃんか」
「またって俺以外にもたくさんくるでしょ?」
「いやいや、みんな来るのは最初だけだぜ。ダンジョンのドロップアイテムとかで事足りるらしいしよ。」
「やっぱみんなダンジョン潜ってるんだ…」
「ん?兄ちゃんはまだダンジョン潜ってないのか!?」
「はい…ダンジョンの存在を知らなくて。」
「そうかそうか。なら今から準備して潜るってとこか。」
「はい。今回は剣を使ってみようと思ってきました!」
「剣か!鉄の剣でいいか?」
「はい!」
「ほい、700ゴールドだ。」
以前は700ゴールドなんて高すぎて買えなかったが今は余裕で買える。
まぁこれでも俺にとっては大金だが…
「ありがとうございます!ほかになにかオススメとかありますか?」
「そうだなぁ、兄ちゃん魔法とか使ったことあるか?」
「いえ、ないですけど…」
「使いたいよなぁ?」
「まぁ…はい。」
ダンジョンと魔法の関係性がわからないが使えるなら是非使ってみたい。GMポイントをスキルに使用すれば魔法を所得できるが短剣術などのスキルのように取れるほうほうがあるのではないかと思ってしまう。
「よーし!ならこれを売ってやろう。魔導書だ!」
武器屋の店長が棚の下から大きめの本を持ち出し、ドンッと机に置く。
本の表紙には火の絵が描かれ、なにか不思議な存在感を放っている。
「魔導書ってなんですか?」
「これはな、読めば魔法が使えるようになる代物だ!まぁかなりの値段はするんだがな…」
「魔法が!?ぜひ欲しいです!売ってください!」
やはりGMポイントを使用せずに魔法を所得する方法があった。GMポイントはレベルアップ時にしか手に入らず、それもステータスをそのまま上げれる唯一のものだ。だがお金ならいくらでも集めることは可能だ。 これは買わない手はない。
「おっしゃ!100000ゴールドのお買い上げだ!」
ん?100000ゴールドだと?そんな大金持っているわけがない。
「ははは、店長。そんな大金持ってるわけないじゃないですか。桁1つ間違えてませんか?」
「そんなん知ってるがな。出世払いや!」
なんてありがたい店長なんだ。だがこんな大して仲良くもないやつに出世払いなんてして逃げられると思わないのか?
「あ、兄ちゃん。約束すっぽかしでもしたらギルドに連絡して賞金首になってもらうからな。がはははは」
ま、まぁ俺がそ、そそんなことするわけないから大丈夫なんだけどな。
そんなことはさておき俺は魔導書を一旦受け取る。
「そういえばこれはどこで手に入れたんですか?」
「夜の街っつーところがここから東にあるんだけどよ。そこに売ってて面白いから買ってみたんだけど俺じゃ使えなくてよ。」
なるほど。これは冒険者のみに作用されるアイテムなのか。
おそらく夜の街というところにはまだ誰も行っていないだろう。ダンジョン5階層まで行ったら他の冒険者がダンジョンに夢中になっている隙に世界中へ移動させてもらおう。
「そんなことより早くこれを使ってみてくれよ!」
「あ、わかりました。では開きますね。」
魔導書に巻かれている皮のベルトを外し魔導書を開く。
すると武器屋の部屋中が魔導書から出た眩い光に包まれる。
「なにが起こったんだ?」
「きっと魔導書を使用できたんだと思います。ほら。」
魔導書は俺が開いたことにより効果を失ったのか灰になりサラサラと床へこぼれていく。
「そうか。兄ちゃん、魔法は使えそうか?」
「はい!試してきてもいいですか?」
「あぁ!行ってこい!」
俺は魔法を使用できるとはっきりとわかる。なぜなら俺の目の前にある文字がくっきりと表示されているからだ。
スキル 【火魔法LV.3】を獲得しました。
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