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オークション 3
しおりを挟む「やったっ!!」
俺の作ったボスシリーズ最後の作品[蛇龍弓]を龍が獲得し、ガッツポーズをする。
この蛇龍弓はかなり特殊な弓となっている。特にこの武器が持っているEXスキル【授魂奪命の一矢】がかなり変わったものとなっている。
このスキルは自分のHPとMPを半分使用し、相手を永遠に追尾する蛇龍の姿をした矢を放つスキルだ。
この矢に少しでも掠ると麻痺、毒、目眩出血などの状態異常デバフがかかり命が奪われる。
かなり強力な技だが、発動条件が設定されており、相手に一定数のダメージを与えている。又、一対一の戦いでしか使用できない。
だが、それを考慮してもかなり強力な武器だ。
「以上がマベリックの商品でした!!!」
司会が俺の装備を全てオークションにかけたことを宣言する。
それと同時に会場が解散ムードとなり、ざわつき始める。
「さて、ライト。その装備のこと詳しく教えてね。」
「は、はい。」
花凛が待ってましたと言わんばかりに俺に言いよる。
これは本当のことを言ったらいいのか、それとも誤魔化した方がいいのか…
「皆さんっっ!!まだオークションは終わってはいません!!!次が正真正銘、最後の品となります!!」
会場にいたみんなが、解散しようとしているところに司会の甲高い声が響き渡る。
どうやら今回のオークションは俺の装備が最後の品ではなかったようだ。
「おい!もう金なんてねーぞ!!」
「マベリックので最後のじゃないのかよ!」
みんな、俺の装備や他の品にお金を使用してしまったため、まとまったお金がない。
だが、俺の商品が目玉商品とは誰も言っていない。勝手に俺の装備が目玉商品だと考え、お金を使用したのだ、司会者を責めるのはお門違いだ。
「目玉商品はこちら!!」
プレイヤーの文句を右から左へと流し、司会者は話を進める。
一体目玉商品とはどんなのだろうか。
司会者が机の上に被せてある布を一気に剥がし、目玉商品の姿が露わになる。
「こちらが本日の目玉商品、[ミステリーエッグ]です!!」
布の下から何やら奇妙な模様が施されたバスケットボールほどの大きさの卵が登場する。
だが、この卵にどんな効果があるのだろうか…。
「こちらの卵の詳細は…不明です!!だからこそミステリーなのです!」
「このゲームで唯一のガチャシステムのようなものか。」
「確かにこのゲームガチャシステムなかったわよね。」
龍と花凛の言う通り、このゲームには課金、又、ガチャのシステムが一切ない。
そのため頑張ったら頑張った分だけ強くなれるという仕組みだ。
誰しもソーシャルゲームで課金勢にボコボコにされるなどの嫌な思い出があるはずだ。
だが、このゲームにはそれが一切ない。それがこのゲームの人気の理由の一つなのだ。
「それでは早速行きましょう。初期金額は…50万から行きましょう!!」
最初から50万か…目玉商品だし勝負してみようと思う。
「50万!!!」
手を大きく挙げ、勝負にでる。金は今までに作ってきた装備の売り上げと先ほどのオークションで儲かったもので大量にある。
まず負けはしないだろう。
「55万だ!」
「60万!!」
他のプレイヤーも俺に対抗してどんどんと金額を上げていく。
やはりNPCの目玉商品という言葉に食い付いたのだろうか。
しつこくついてこられてもめんどくさいため、一気に値段を上げ付き離そうと思う。
「100万!!!」
「え、ライトまじ?これなんの卵かわからないんだよ?」
「はい。でももしかしたら孵化するかも知れませんし…」
「確かに…それなら面白いかも。」
「そうだね、面白そうだけど僕と花凛はマベリックの商品を買ったせいでもうすっからかんだから購入できないや。」
「100万より上は出るか?出るのか?」
今までのオークションでみんなお金を使っているし、100万以上出す人はごく少数だった。
それに得体の知れないものだ、そう簡単に100万以上出す人はいないだろう。
俺が勝ちを確信した時、俺のちょうど真後ろから甲高い頭に響くような声で誰かが言った。
「120万出しましょう。」
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