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第二章
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しおりを挟む「蓮見くん、瑠威、おはよう。久しぶり」
「身体はもう平気? 無理してない??」
「なにかあったらいつでもウチらにいってね! ほんとに!」
瑠威と一緒に教室に入ると、クラスメイトのみなさんが僕たちを見て、駆け寄って来てくれる。みんな来てくれて、僕たちは囲まれる゙形になったけれど、一番近くに瑠威がいてくれる安心感からか、もしくは皆さんが眉を下げて、優しく僕たちを見てくれるからか、怖さはなかった。
「あ、ありがとうございます……」
「迷惑かも、とか考えて我慢しちゃだめだよ??」
「あ、え、っと、はい…。ありがとうございます…」
学級委員の佐藤さんとそんなお話をさせていただいている隣で、瑠威は三波くんと話していた。
「元気にしてた?」
「まあ、それなりに。親にスマホ取られて暇だったけど」
「ああ、だからしばらく既読つかなかったんだ。その間何してたの? 勉強?」
「んなのするかよ。まぁ、色々と」
「ふぅん。いやぁ、でもさ、瑠威、本当に退学にならなくてよかったよ」
「ああ」
僕も、そう思う。本当に退学にならなくてよかった…。瑠威は二週間の停学にはなったけど、退学にはならなかった。斎藤くんと嵐山くんに約20件もの余罪があったこと、お兄様が間に入って交渉してくださったこと、クラスのみなさんが瑠威に同情的で味方だったことが主な理由みたい(休み中に三波くんから教えていただいた)。特にクラスのみなさんはすごくて、「退学になりそうだったら抗議しまくろう」って団結していたらしい。本当にみんなが瑠威のためにできることをしていたみたいだから、瑠威の人望や人気は本当にすごい。
「世話になったらしいな。サンキュ」
「みんなね、めちゃくちゃ抗議してたよ。『瑠威が退学はおかしい』って。あ、あそこで何も気にしてませんって風に本を読んでるけど、一番抗議してたの千尋ね。抗議文作ったり、校長先生とか田辺先生とかに直談判したりしてたよ」
「マジ? キャラじゃなくね?」
「そう? 千尋は正義感が強いから、俺の中ではらしいというかなんというか、そうだよねって思ったけど」
「イメージねぇなあ。ま、あとで礼だけいっとくわ。それより、席替えしたか?」
あ、本当だ。たしかに、僕たちが前に座っていた席には誰かの荷物が置かれている。それに、鷲沼くんも、若干席の場所が変わっていた。瑠威の言葉を聞いて、佐藤さんが言った。
「席替えしたよー。二人はあそこ」
そう言いながら佐藤さんが指をさしたのは教卓の目の間の席。荷物も何も置かれていない席が2つ並んで置かれていた。
「は? 教卓の前とかだっる!」
「柏山、屈んで」
「はあ? なんだよ」
機嫌が悪くなった瑠威に佐藤さんが耳打ちすると、瑠威は「そういうことならいい」と短く言って、荷物を置きにいった。
「な、なんてお伝えになったんですか…?」
「“蓮見くんのためだよ”って。蓮見くんが辛かったり、先生に伝えたいことがあったときに、一番前だと助けを求めやすいでしょう? それに、柏山が隣なら安心できると思って。二人の席はみんなで話し合って決めたんだよ。こういうふうに、私達みんな、二人のために、特に蓮見くんのために何でもするし、いつでも助けるから、困ったことがあったら言ってね。怖がらなくて大丈夫だから。これからも一緒に頑張ろうね」
「…はい、ありがとうございます…」
なんて、優しい人たちなんだろう。
学校は怖い。いろんなトラウマが蘇ってくる。けれど、このクラスであれば、きっと通い続けられる。
ありがたくて、本当に嬉しくて、涙が出てきた。そんな僕を、クラスの皆さんは優しく見守ってくれた。
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