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2話 初の男性経験(BL要素有り)

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例のニューハーフ風俗店を目指しながら近道の為、駅近くの飲み屋街を早歩きで通り抜けようとする。
学生服を着ていた時はそうでもないが、地味な私服を着ていると良く女に間違われるからだ。それに加えて面倒臭い酔っぱらいに俺は何度も絡まれたことがあるからだ。

遠くからでも分かるほど独特の雰囲気が漂うオーラを発するエリア。沢山の風俗店が並び、スーツを着たボーイが一人は店前に立っている異様な光景。
遠くからこれから行くお店の場所を眺めていると一瞬で目的の場所を理解した。
小綺麗な外装をしていてド派手にもピンク色に塗られている建物は一目で場所の特定ができた。

足早に飲み野外を突っ切ろうとすると案の定面倒臭い男に絡まれた。

「お姉ちゃん可愛いねー。金ならあるからさホテルでも行かない」

俺は無視して足早に去ろうとすると、俺は無理やり肩を掴まれ引き止められた。

「いやぁーいやぁー無視はないでしょー。金払うからさー」
「……」
「俺君みたいなボーイッシュな子好きなんだー。背も丁度いいし胸は無いけど抱き心地良さそうだな」

酔っぱらってるとはいえ、下卑た顔を近づけられながらのセクハラ発言に加えてお酒の匂いが鼻を吐くのは流石にイラついてくる。

「三万でどう?悪くないでしょ」
「……俺男ですよ」

ドスの効いた低い声でそう返すと、男はその場で放心した。その隙に俺は走ってお店へと向かう。
何とかお店に到着して店内に入ると、受付で嬢の写真を見せられる。受付の店員さんは、くねくねと何処か女性的な男性だった。

「ルイちゃんで予約した日高です」
「ご予約されてる日高様ですね、ありがとうございます」

俺は別世界に来たような夢心地で、他の嬢達のパネルを見ていく。ルイ以外にも沢山の可愛いニューハーフのパネルが並べている。そのどれもが可愛らしい衣装に身を包んでいる女の子達ばかり。

「では、こちらの部屋でお待ちください」
 
 俺は個室の待合室に案内された。
 まるでホテルの一室みたいな場所だった。
 妙に、とろんとしたお香のようなものが焚かれている。所謂、アロマという奴だろうか?
 
 こん、こん、と、ノック音が聞こえる。

「はいっ!」
「日高様、ご用意が出来ましたので、あちらの階段へとお願いします」
 
待合室奥に二階へと続く階段がある。
そこに一人の女の子が笑顔で立っていた。

「どうもルイです!ご指名ありがとうございます!」

 可愛らしい、少しハスキーで少年のような声が聞こえた。

「あ。は、はい、どうぞっ!」

 俺はうわずった声で返す。すぐさま部屋へと案内された。薄い下着のようなメイド服を着たルイを見ると、俺はもう勃っていた。
ルイと手を握り二階のプレイルームに足を運ぶ。部屋に入りベッドに座る。
 
「はじめまして、君をサイトで見てっ……、この店に来ちゃいました!」
 「お客さん、ありがとう御座います。今日は、お客さんにたっぷり、ご奉仕させていただきますね!」
 「は、はいっ!」
 「お客さん、お名前は何て言うんですか?」
 「み、澪とい、言います! 君と同じ、同じ二十歳、なんですよっ!」

声が完全にうわずっている、俺は緊張で頭が真っ白になってしまっている。
 ルイの声は中性的で、胸はぺったりとしているが、それを除けばどう見ても女の子に見えた。綺麗な茶色に染めた髪の毛がふわふわと柔らかそうだ。
 
「ふふっ、実は僕、本当は十九歳でお店で働く上で、サバを読んでいるんですよ。うん。じゃあ、澪さん、ちょっと、ズボンおろしましょうか」
 「あ、あ、はいっ…………」
 「澪さんも、僕と同じように可愛らしいお顔をしているんですねー。髪の毛も艶やかで、肩近くまで伸びて、女の子っぽいですねえぇ」

 そう言いながら、ルイは俺のズボンを降ろしていく。
 
「あは。可愛いなあ、澪さん」
 
 俺は勃起して、パンツがかなり隆起してしまっていた。
 
「うふふっ。澪さんのパンツの下、どうなっているのかなあ? こちらも降ろしていいですか?」
 
「はああ、は、はいぃっ!」
 
 ルイは俺のパンツを降ろしていく。
 俺の下半身はあられもない姿になっている。
 じろじろと、俺はルイに見られている。
 
「ふふっ。お客さんの中には、中々、勃てない方も多くて、手で優しく勃たせてあげているんですが。うふふっ、そうしちゃうと、澪さん、すぐに射精しちゃいそうですね」
 ルイは艶めかしく笑っていた。
 幼い顔をしているが、その表情は、まるで男を嘲る魔性の女のようだった。
 
「今、手でやっちゃうと、射精してしまいそうなので……。じゃあ。先に、ちょっと、この澪さんの大事なもの。くわえさせていただきますね」

 ぱくん。
 
 俺の大切なものは、ルイの口によって吸われていく。
 
 じゅるじゅる、じゅるじゅる。
 俺は興奮して、思わず声を上げ続けている。
 
「んん。澪さんも、女の子みたいな声、あげるんですね、んんっ」
 大切な部分を他人に吸われるのは男でも気持ちが良い。
 言葉に出来ない快楽が、俺の股間と脳を刺激し続ける。
 
「可愛いなあ。んん、やっぱり澪さんは女の子みたいだなぁ」
 ルイは器用にも喋りながら、俺の秘部を舌の先で愛撫し続けていた。俺の先端部から、おそらくは我慢汁だと思われるものが吐き出ている。ルイは汁をそのまま飲み干している。俺はなおも、恥ずかしくて声を出し続けていた。ルイの舌使いが上手すぎるから悪いのだ。俺はこんな変態では無い筈なのだ……。
 
「んんっ。澪さん、我慢せず、全部、出しちゃっていいですよおぉ。全部、飲み込んじゃいますからあぁ」
 
「ああああ、んんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!」
 俺は変な声を上げ続けながら、股の付け根をルイによいようにされていた。竿は吸われ続けて、今度は玉の部分をルイの指先が這っていた。
 俺はもう我慢が出来なかった。
 
 しゅっぱん、と。
 頭の中が、真っ白になり、ルイの口の中に溢れ出るものを全てぶちまけていた。
 ルイはどうやら、俺のあそこから出されたものを全て飲み干したみたいだった。
 
「ふう、ふうっ……。すごく溜まっていたんですねぇ。でも、全部、飲んじゃいました。ふふっ、澪さんのもの、濃かったなあ…………」
 
 ルイは顔を上げ、艶めかしく、下唇を舐めていた。




 
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