この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望

文字の大きさ
91 / 97

第89話 大幹部イルミナの力

しおりを挟む
 大幹部イルミナは魔神人の女性だ。狐のような耳が生えており、尻尾も狐のようだ。モフモフしたいような見た目をしている。惜しい、敵じゃなかったら従魔にしたいな。いや一応モンスターじゃないんだよな。そんな邪推なことを考えるなよ。そんな魔神人のイルミナさんが高笑いを出している。

「お前らみたいな雑種に我らのような崇高なお方のために任務を遂行しないといけないのじゃ! だからね、あんたたちなんか童が一人いればよわよわなんじゃ!」

 そこにはイルミナを相手していたのは戦士のような男と魔導士の男性、回復術士の女性に格闘家の女性の四人パーティに刀剣使いの女性に大盾使いの男性に治癒士の女性の三人パーティーにソロの剣士に魔法使いのソロに大剣士のおっさんが一人いた。

 渋谷スクランブル交差点前は大勢の人だかりができていた。

 魔神人の敵はイルミナを含めて7人いた。

 対するこちらは10人の探索者。周りには人だかりができており合計で100人はいた。

 だがみんな距離を取り、前に出ようとしない。

 イルミナも一般人の野次馬には攻撃を仕掛けておらず、前に出るもの挑戦するものにだけ魔術を行使している。

 不思議なことに殺傷能力のある武器で魔神人たちは攻撃しておらず、すべて魔術による攻撃だった。いや魔術でダメージを与えているが殺すまでしていないと見て取れた。

 魔術の術式を解析した結果、物理的損害もとい物理的攻撃ダメージを精神的攻撃ダメージに変換する術式が組み込まれていた。

 あまりにも完璧な術式だった。俺じゃなきゃ見逃してしまうだろう。

 そういうことか魔神人たちも意外にも破壊による支配は望みではないのか家畜は生かして支配する。そんな頭のいい人類である時点でそうなのだと感じた。

 実際今魔術の攻撃を受けた大盾使いの男性が風の魔術を喰らい吹っ飛んだが、擦り傷だけで気絶した。

 動かない大盾使いの男性にパーティの治癒士の女性が何度も回復をかけるが目を覚まさない。

「なんで目が覚めないの!? 目覚めの魔法をかけているのに……」

「どうしたもう終わりか前に出て我らたちを止めようとする強き者は現れるのか!!」

 大幹部らしきモフモフなイルミナが威張るように高く言い放つ。

 笑い顔が可愛いやつだなこいつ……ますます仲間に欲しいぞ。

 よし、いっちょそろそろ出るか。

 拓郎が稲荷仮面の姿でそこに最初からいたはずだがまるでいなかったのように突如気配が漏れ出たように稲荷の仮面をつけたヒーローがいた。

「貴様!? いつからそこにいた!!」

「最初から? だと思うわ……」

 なに簡単なことだ。気配を極限まで殺して隠蔽のスキルを限界まで引き上げておいただけで姿があるのにそこには何もいないかのように錯覚するんだそれだけだ。

 普通じゃないことをやってのけた稲荷仮面が最初に発言したことは意外な言葉だった。

「俺と勝負しろ。俺が負けたらこの国をお前ら魔神人に差し出そう」

 どよめきが起こる雑踏から度々に。たまたま来ていたテレビ局のカメラマンがカメラを向けていたことからそれを見ていた全国のお茶の間でもそれを聞いた市民から何を言っているんだこの男はと……いう疑問も出た。

 稲荷仮面の存在はもちろん知る人の知るではなく超有名なヒーローだったのでこの人物は本物なのかという疑念が出た。

 一瞬の静寂から渋谷スクランブル交差点の野次馬から何言ってんだ稲荷仮面ーーー!! とか本物なのかという声も出た。

 稲荷仮面は一言発言する。

「本物だよ」

 そして一呼吸おいてもう一言言う。

「ただしお前たちが負けたら…………イルミナをこちらに渡してもとい俺の仲間になってもらいこの世界から撤退してもらう」

 この発言をした後ネットの実況チャンネルで祭りは加速した。

『キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!』

『稲荷仮面モフモフ狐娘のイルミナちゃんをお持ちかえりもとい下僕宣言!?』

『稲荷仮面変態かwww』

『稲荷仮面に賛同する』

『イルミナちゃんマジ悪魔的天使』

『イルミナちゃん実は優しいからな魔術で人を殺してないぞよく見たら』

『イルミナ様に踏まれたい』

 とまあそんな感じで祭りは加速していた。

 これをかき消したのはイルミナの驚愕の声だった。

「なんじゃとーーーーーー!? わらわが欲しいだと……!? そんなこの国をくれるのはいいのだが、わらわが負けたらわらわはお前の物になるのか…………それは困る!」

「なんだ俺が負けたらお前たちの国になるんだぞこの国が?」

 雑踏からお前が勝手に決めるなという声がするが稲荷仮面が無視する。

 稲荷仮面の問いにイルミナが答える。

「よし、いいのじゃたぶんわらわが負けることはないからながっはははついにこの国がてにはいるのか。やっとミルム様の悲願が達成されるぞ……」

 ミルム?……魔神人の親玉的な奴なのか…………

 稲荷仮面は小さな情報すら聞き逃さない。

 親玉の名前を得たのは大きい。

 稲荷仮面は動き出す。

 雑魚を速攻で左手だけで気絶させて、イルミナの前に出る。この間3秒弱。

「さて終わったら飯でも食べて、どうしようかなこの国の美味いものでも食べさせてもらおうかな…………………………はれっ?? 皆の者が寝ておるぞ……どうなっておるのじゃあーーーーー!??」

 この瞬間のあとに高速でキーボートを叩いた実況民の声がこちら。

『見えたかお前ら?』

『見えなかった』

『俺は昔卓球してたから若干見えた』

『見えないお』

『何が起きたんだ!?』

『稲荷仮面やっぱり化け物だわ』

『これが最高位ランカーの実力なのか』

『稲荷仮面って何者なんだよ本当に』

 とまあそんな声があった。

 
 ●●●



 超小型蚊型カメラによる視点にて観測者がいた。

「流石たく兄……私の高速カメラでも追いきれないほどの速さ……本当にすごいよ」

 部屋は驚くほどきれいにされているが、PCモニタの数が異常だ。15台はある。

 それらからかなり鮮明に映し出される稲荷仮面とイルミナ。

「これなら私の操作も必要ないか……魔刀さんには悪いことしたかな。今誤報であるというネットニュースを流したからたぶん大丈夫だと思うけど」


「本当にただの悪戯だったのに……たく兄にはバレてるんだろうなぁ……」

 今回のある意味黒幕の小さな黒髪の少女が一つの楽園にいた。

 でもつまんなそう。少女は私も出るかとついに楽園から出る決意をする。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

「お前と居るとつまんねぇ」〜俺を追放したチームが世界最高のチームになった理由(わけ)〜

大好き丸
ファンタジー
異世界「エデンズガーデン」。 広大な大地、広く深い海、突き抜ける空。草木が茂り、様々な生き物が跋扈する剣と魔法の世界。 ダンジョンに巣食う魔物と冒険者たちが日夜戦うこの世界で、ある冒険者チームから1人の男が追放された。 彼の名はレッド=カーマイン。 最強で最弱の男が織り成す冒険活劇が今始まる。 ※この作品は「小説になろう、カクヨム」にも掲載しています。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

自力で帰還した錬金術師の爛れた日常

ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」 帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。 さて。 「とりあえず──妹と家族は救わないと」 あと金持ちになって、ニート三昧だな。 こっちは地球と環境が違いすぎるし。 やりたい事が多いな。 「さ、お別れの時間だ」 これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。 ※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。 ※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。 ゆっくり投稿です。

氷弾の魔術師

カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語―― 平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。 しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を―― ※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。

処理中です...