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異世界で幼なじみともう一度
癒し手は再び王宮仕様になる
✳︎ ✳︎ ✳︎
第一騎士団長ディアスと会う当日。リリアが朝起きたら、女子寮の玄関ホールに山のような贈り物が届けられていた。そこには一通のメッセージが、男らしさを感じるが整った文字で書かれていた。
『残念ながら、王宮に来ていくドレスを一緒に選びに行く時間がない。これを着て欲しい。』
(えっ?!この間のドレスで良いのに?!靴やアクセサリーまで?!)
今回のドレスは、パステルグリーンの薄い布が幾重にも重ねられ、ウエストは蔦のようなピーコックブルーの刺繍が所々施された白いリボンが結ばれたデザインだった。
シンプルなのに、動くたびにフワフワと裾が揺れて周りの目を引く。
一緒に贈られてきたアクセサリーは、真珠を中心に所々にキラキラ光る小さな魔石があしらわれていた。
ネックレスも、髪飾りもお揃いで魔石は、やはりというかピーコックブルーだ。
(でも、問題なのはこれだけじゃないわ)
箱はまだまだある。リリアは、そのうちの一つを恐る恐る開けてみた。
「可愛い!!可愛いけど……!!」
さらに出てきたのは、カントリー調メイドと表現したいような、ひざ下でふんわり広がったデザイン。
フリルがたっぷりあしらわれたエプロン。ヘッドドレスもお揃いだった。
膝上の靴下もフリル満載だ。丸いつま先のかかとの低いストラップシューズまでついている。
まったくもって、リリアの好みど真ん中だが、レオン団長が何でこんなに贈ってきたのかがわからない。そこに少し眠そうでセクシーな声がした。
「あらあらぁ。すごいわね、こんなに貢がせるなんて。しかも、この色」
ドレスのデザインを目にしたアイリーンが、少し眉をひそめた。
「あ……アイリーン先輩。おはようございます」
「リリア、おはよ?ふふ。もらっておけばいいの」
「え……?でも」
「でも、求愛行動にしても限度があるって締めとくわ」
(求愛行動?!)
「……はあ。貰っておくことにします」
「そうね、返されたときのレオン団長の顔、見てみたい気もするけど。ふふっ」
「アイリーン先輩。今度、お返し買いに行くので付き合ってもらえませんか?」
「デートの誘いね?リリアとなら喜んでいくわ」
そう、リリアだって団長直属部隊に所属してから、最初は目が飛び出すかと思ったくらいお給料をもらっているのだ。
そして、訓練に遠征に、最近はテオドールの研究所を訪れたりと忙しすぎて、まったくお金を使う暇がない。リリアにだって、レオン団長にたくさんプレゼントを買うことはできるのだ。
(それに、アイリーン先輩とパール先輩にも自分とお揃いのものをプレゼントしてみたい)
目が合うと、アイリーンはにこりと笑ってくれた。
「私もドレス贈ったら、袖を通してもらえるのかしら?」
「え?!」
「ふふ。ここにある服を作ったマダムシシリーとはお友達なの。パールの分も作って色違いのお揃いのドレスでパーティーに行きましょう?」
(わ、それはそれで楽しいかもしれない)
仲良くしてくれている2人とお揃いのドレスでパーティーに。それは、とてもすてきなことに思えた。
「おはよ。早いね?アイリーン、リリア……ひ?!なにこれ?」
階段を下りてきたパールが、やはり贈り物の山とドレスの色を見て顔をひきつらせた。
「すごいわよね。必死さにある意味泣けてくるわ」
「誰が贈ったかすぐわかる感じがすごいね」
「さ、そろそろ準備を始めないとね!パールも今日非番でしょ?手伝ってくれる?」
「ああ、王宮に行くんだったわね。もちろん!ディアス団長に見せつけてやりましょ!!」
なんだか、前回に続き雲行きが怪しくなってきた。実はすでに、レオン団長と2人は口裏を合わせていたのかもしれない。
だって、2人とも非番なんて希望を出さなければあり得ない。
そのあと、しばらく着せ替え人形のように遊ばれた。そしてアイリーンとパールに挟まれるようにドレスを着せられメイクを施され、髪の毛を結われた。
「「会心の出来!!」」
2人はなぜかとても満足げだが、リリアは出かける前から疲労困憊になっていた。
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