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武闘会の結末
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本戦は、11人全員参加の乱戦だ。兄は棄権したが、その戦いを見ていたほぼ全員が打倒ディオ様で猛烈に熱くなっている。
「うー!こんなに感動したの、初めてかもしれません!魂が燃えてます!」
ぴょんぴょんと跳ねるフローラは、まだまだ魔力に余裕がありそうだ。ライアス様は、やや疲れが出てるかも。
開始直後、ほぼ全員が一斉にディオ様に襲いかかった。だが、ディオ様の表情に変化はない。
「リアナに勝利を捧げると誓ったから。そうそう負けていられない」
うわぁ。強すぎない?!そんな私の目の前には、フローラがいる。
「あの、あなたはあちらに行かないの?」
「うーん。やっぱり、リアナ様に勝ちたいんですよ。興味があるんです、リアナ様に。……その心臓の蔦に、ハンデ貰ってるのが悔しいですけどね」
私もフローラには負けたくない。聖女としても、ライバルとしても。
「全力勝負です!」
「望むところよ!」
二人の体から金のオーラが立ちのぼる。ハッキリ言って長時間維持は不可能な短期勝負。
フローラが、一直線に突っ込んでくる。これを受けたら流石に吹き飛ばされる!だから私は、避けた……つもりだった。
「甘いです!」
急に角度を変えたフローラに体当たりされ、私の剣は宙を舞う。
「フリード様の戦法を真似てみました」
あー、これ骨の一つも折れるわ……。吹き飛ばされてそう覚悟したのに。
「――――っ。戦いの最中に何してるんですかディオ様?!」
「すみません……どうしてもリアナが怪我するのを、見過ごせなくて」
衝撃が訪れず、そっと目を開けるとディオ様に抱えられていた。さっきディオ様に挑戦したフローラと私以外の人たちは、すでに地に伏している。
ディオ様がかっこいい上に強すぎる。
ディオ様は、そっと私を下ろすと再びフローラとの戦いを決するため走り去ってしまった。
(ディオ様ずるい。なんでこんな風にときめかせるんですか)
たぶん、私に負い目があるから助けてくれるのだろうに。だから、勘違いしたらいけないのに。
だって、可愛いとか愛しいと言っても、ディオ様の視線はどこか私の中にいる誰かを見ているようで。
――誰かって、誰かしら?
フローラは、私との戦いで魔力を使い切ったらしい。あっさりとディオ様に負けてしまっていた。
今年の総合優勝はディオ様に決まった。
(たぶんフローラはSクラス残留は確定だろう。期末テストが終わったら、約束通り二人でトレーニングルームに篭ろう)
そして、来年こそは優勝するんだ。絶対に。
そう心に決めた私の前には、約束を果たしたディオ様が立っている。
「優勝……しました。勝利を捧げても、良いですか」
なぜか遠慮がちなディオ様。学年優勝を逃したことを気にしているのだろうか。
手の甲に口づけが落ちる。
「これからも、俺が手にするすべての勝利はリアナに捧げたい」
「――――っ?!そんなのまるで」
「そうですよ?俺はずっと……。ああ、でも今回は、とても完全な勝利とは言えないから。次の機会に」
切なそうに歪んだディオ様の表情。こんな表情をずっと昔から知っている気がする。いったいいつから知っているのだろう。
期末テストが終われば、長期休暇だ。少し時間があれば思い出せるのだろうか。私は急に襲ってきた疲労感を感じつつ、家へと向かった。
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