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末っ子はいるかいないか分からない放置子

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水瀬霧改め、アクア=トゥ=エトランジェです。

12歳になりました。

もうすぐ13歳になります。


割合豊かなエトランジェ王国の、末の妃の産んだ王子が俺になります。

母親はアンジュ。旅の女、ということで俺は美しいだけの平民の女が王を誑かして産んだ王子ということになっていますが、実際は母親はこの世界の創造神です。


母、といってもこの世界は男だけなので…。男ですけどね。


50人子がいるうちの50番目の末っ子王子なので、いるかいないかもよく分からないというもの。
これ幸いに、住処の離宮で一人で楽しく過ごしてます。


最初のうちは乳飲み子なんで、通って世話してくれる乳母や侍従もいるにはいましたが。
平民が産んだ末の王子、なんてねぇ?
望んで世話してないよなぁってのが赤子の俺でも丸わかりでしたよ。
俺は、水瀬のときも施設育ちだったから全然辛くはなかったし、意地悪はされなかったので、ありがたいなぁって思ってました。
ある程度大きくなって自分だけで暮らせるようになったから、『来なくていい。』と言ったので、彼らは来なくなり。
出入りしていた家庭教師も早々に来なくなったので、今はひろーい敷地に一人です!


お茶会や社交もガン無視してたら、王様からの生活費も最近は来なくなって、たぶん存在すら忘れられたけど、この敷地があれば問題ないよね!


「のびのびー。敷地は広いし最高だなあ。」

誰の目も、ないしね。



「プラント!」
畑に向かって手をかざすと、頭を出した芽がニョキニョキ生える。


「えへへ、収穫収穫。」

前世の知識活かして色々やってもいいんだけど、目立つの良くないので、大量の野菜を収穫する。


「アイテムボックス!」
収穫した野菜は異次元収納。

そして売りに行く前に、と。


「カムフラージュ。」
母譲りの見事な銀髪に、花が虹彩のように浮かんだ青い眼。
前世同様の美貌を、幻影で平民によくある容姿にみせかける。

そして、前髪をおろして目を隠して。

転移魔法で野菜を売りに市場へ向かった。



俺は、前世で大スターだった。

その俺のステータスやスキルはこうだ。

なお、3歳の頃、鏡を使って自分で自分を鑑定した。


アクア=トゥ=エトランジェ
年齢 12歳。
性別 男
HP  9999
MP 9999
体力     B
素早さ A
魔力     S
知力     A
器用さ A
命中率    A
カリスマ S
属性  全属性
称号 スター 創造神の愛し子
特殊スキル 
 魅了 先導 殺陣 演説 歌姫



ノオオォ!! こんなスキル、めちゃめちゃ不穏分子じゃん!
魅了てのも、断罪されるやつじゃん。
破滅フラグしか見えない。


俺は大人しく離宮で生きていくのだ!
    
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