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本編
やり直しの初夜
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この男のものになったのだ。
妻として、今日抱かれるのだと改めて認識すると、言いようもなくざわつくものがある。
昨日犯された時は、初めてを奪われてショックではあったが、子どもができるわけでなし、後ろの処女性なんて大した問題にはならないし、こいつ病気はなさそうだし、触手モンスターかオークかゴブリンあたりにでも襲われたと思って忘れようと。
ただそんな心情だった。
だが、今は。
自分は妻。
公爵夫人。
まだ愛せる自信はないけど。
ちゃんとできるだろうか。
夕食は、ダイニングに薔薇の花が飾られ、洗練されたコース料理が出てきた。
メイドさんや執事さんたちにも、普通に夫人として扱われて、気恥ずかしい。
向かいの男の視線も恥ずかしい!
目も合わせられず、食事も喉を通らなかった。
食事のあとは、おばあちゃんメイドさんに、浴室に連れて行かれて、きれいに磨かれて、いい匂いのするオイルを塗られた。
おばあちゃんはアイスのナニーだったらしく、俺の体の世話をするなら彼女しか認めなかったんだそうだ。
どれだけなんだ。あいつ。
薄手の夜着を着せられて、ベッドルームに行くと、俺は無言になった。
夕食にドレスアップしてきたクリスは、本当にきれいだった。
傷がある方の前髪を下ろし、片方を耳にかけ、サファイアのついた髪留めで飾り、金糸で縁どった黒の細身のスーツは、美しい体のラインを強調している。
私のことを意識してくれているのか、初夜に緊張しているのか、チラチラこちらを伺う様子が、初心で可愛らしい。
この初心な体を、一晩かけて自分の色に染め上げてしまったのは、性急だったと思うが、反省はしていない。
食事が喉を通らない様子で、夕食を終えたら、サマンサが彼を磨いてくれる。
支度ができる間に、こちらも支度をすることとしよう。
ミカエルから彼の願望を聞いた私は、入口からベッドまで薔薇を散らし、部屋を暗くして、鈴蘭の形のランプで道を照らし、彼が来るのを待った。
ドアを開けて、驚いた様子の彼を手を引いてベッドまでエスコートする。
何か言いたそうな、悔しそうな顔をして。
それでも、ベッドの上では素直に服を脱がされて、脚を開いて、私を受け入れようとしてくれた。
「ン…うぅん」
顎に手をやり、口を開かせて口付ける。
逃げる舌を捕まえて絡ませれば、くぐもった声が漏れる。
だんだん、吐息が艶を帯びていく。
首筋から胸の尖り。しなやかな腹筋へ舌を這わせ、彼の中心を口に含んだ。
「いっ…嫌だっ!やめ…! あ、ああん、」
かすかに立ち上がっていたそこが、直接的な刺激で起き上がる。
蕾が膨らみ、爆発しそうだ。
手で押しのけようとするのも構わず、吸い付く。
「―――っ!!」
呆気なく果てたものを、飲み干すと、信じられない顔をする。
「大丈夫、君に同じことを求めはしないから。」
「なんで…。さっさと俺のなかにイッて終わればいいじゃん。俺、イケるように頑張るから…。」
涙目で見上げて可愛い。
がんばるってなんだろう。
尻のすぼみに宛がうと、緊張して体が揺れる。
両足を高く肩に担いで、挿入の様子を見せると、クリスは目を伏せて、シーツを掴んだ。
「あ―――……」
一気に奥まで貫く。
揺さぶると、目尻から涙がこぼれた。
ごめんね。
女の子が好きなのに、好きでもない男に抱かれるなんて、嫌だろうね。
でも、一生離さない。
「愛してるよ、クリス。君は永遠に私のものだ。」
「あ、あぁあ、あっ…
シーツを掴む手をとって、腹をさわらせる。
「ほら、わかるよね? 今ここに私がいるんだよ。ふふっ、すっかり私の形になって。」
頭を振る。
「ぎゅうぎゅう締め付けて、気持ちいいよ。気をつけないとすぐにイキそうだ…っ」
「ああ、もう、も、ダメ、あぁあ
「一緒にいこうか。」
「―――――――!!!」
中に熱いものがブチ巻けられる瞬間に、俺も白濁を飛ばしてしまった。
と言っても、昨夜から朝までさんざん抱かれ、さっき1度吐き出したソレは、だいぶ薄く、量も少なかったので、腹に飛んだくらいですんだ。
アイスのものは多かったのか、中で脈打ち、俺の体がごくごくと美味しそうに飲み込んでいる。
楔が抜かれ、溢れたものが伝う。
なぜかポロポロと涙がこぼれた。
慣れた体に心がまだ追いついてないせいかもしれない。
「大切にするよ。」
甘い声で囁かれ、抱きしめられた。
騎士団に入るまでの話を聞きたいと言われ、その日は寝るまで話をした。
いつか、心も慣れるんだろうか。
少なくとも、ガチな戦闘が控えてる日は、夜はなしにするよう約束させよう。
下半身の違和感が酷すぎる。
妻として、今日抱かれるのだと改めて認識すると、言いようもなくざわつくものがある。
昨日犯された時は、初めてを奪われてショックではあったが、子どもができるわけでなし、後ろの処女性なんて大した問題にはならないし、こいつ病気はなさそうだし、触手モンスターかオークかゴブリンあたりにでも襲われたと思って忘れようと。
ただそんな心情だった。
だが、今は。
自分は妻。
公爵夫人。
まだ愛せる自信はないけど。
ちゃんとできるだろうか。
夕食は、ダイニングに薔薇の花が飾られ、洗練されたコース料理が出てきた。
メイドさんや執事さんたちにも、普通に夫人として扱われて、気恥ずかしい。
向かいの男の視線も恥ずかしい!
目も合わせられず、食事も喉を通らなかった。
食事のあとは、おばあちゃんメイドさんに、浴室に連れて行かれて、きれいに磨かれて、いい匂いのするオイルを塗られた。
おばあちゃんはアイスのナニーだったらしく、俺の体の世話をするなら彼女しか認めなかったんだそうだ。
どれだけなんだ。あいつ。
薄手の夜着を着せられて、ベッドルームに行くと、俺は無言になった。
夕食にドレスアップしてきたクリスは、本当にきれいだった。
傷がある方の前髪を下ろし、片方を耳にかけ、サファイアのついた髪留めで飾り、金糸で縁どった黒の細身のスーツは、美しい体のラインを強調している。
私のことを意識してくれているのか、初夜に緊張しているのか、チラチラこちらを伺う様子が、初心で可愛らしい。
この初心な体を、一晩かけて自分の色に染め上げてしまったのは、性急だったと思うが、反省はしていない。
食事が喉を通らない様子で、夕食を終えたら、サマンサが彼を磨いてくれる。
支度ができる間に、こちらも支度をすることとしよう。
ミカエルから彼の願望を聞いた私は、入口からベッドまで薔薇を散らし、部屋を暗くして、鈴蘭の形のランプで道を照らし、彼が来るのを待った。
ドアを開けて、驚いた様子の彼を手を引いてベッドまでエスコートする。
何か言いたそうな、悔しそうな顔をして。
それでも、ベッドの上では素直に服を脱がされて、脚を開いて、私を受け入れようとしてくれた。
「ン…うぅん」
顎に手をやり、口を開かせて口付ける。
逃げる舌を捕まえて絡ませれば、くぐもった声が漏れる。
だんだん、吐息が艶を帯びていく。
首筋から胸の尖り。しなやかな腹筋へ舌を這わせ、彼の中心を口に含んだ。
「いっ…嫌だっ!やめ…! あ、ああん、」
かすかに立ち上がっていたそこが、直接的な刺激で起き上がる。
蕾が膨らみ、爆発しそうだ。
手で押しのけようとするのも構わず、吸い付く。
「―――っ!!」
呆気なく果てたものを、飲み干すと、信じられない顔をする。
「大丈夫、君に同じことを求めはしないから。」
「なんで…。さっさと俺のなかにイッて終わればいいじゃん。俺、イケるように頑張るから…。」
涙目で見上げて可愛い。
がんばるってなんだろう。
尻のすぼみに宛がうと、緊張して体が揺れる。
両足を高く肩に担いで、挿入の様子を見せると、クリスは目を伏せて、シーツを掴んだ。
「あ―――……」
一気に奥まで貫く。
揺さぶると、目尻から涙がこぼれた。
ごめんね。
女の子が好きなのに、好きでもない男に抱かれるなんて、嫌だろうね。
でも、一生離さない。
「愛してるよ、クリス。君は永遠に私のものだ。」
「あ、あぁあ、あっ…
シーツを掴む手をとって、腹をさわらせる。
「ほら、わかるよね? 今ここに私がいるんだよ。ふふっ、すっかり私の形になって。」
頭を振る。
「ぎゅうぎゅう締め付けて、気持ちいいよ。気をつけないとすぐにイキそうだ…っ」
「ああ、もう、も、ダメ、あぁあ
「一緒にいこうか。」
「―――――――!!!」
中に熱いものがブチ巻けられる瞬間に、俺も白濁を飛ばしてしまった。
と言っても、昨夜から朝までさんざん抱かれ、さっき1度吐き出したソレは、だいぶ薄く、量も少なかったので、腹に飛んだくらいですんだ。
アイスのものは多かったのか、中で脈打ち、俺の体がごくごくと美味しそうに飲み込んでいる。
楔が抜かれ、溢れたものが伝う。
なぜかポロポロと涙がこぼれた。
慣れた体に心がまだ追いついてないせいかもしれない。
「大切にするよ。」
甘い声で囁かれ、抱きしめられた。
騎士団に入るまでの話を聞きたいと言われ、その日は寝るまで話をした。
いつか、心も慣れるんだろうか。
少なくとも、ガチな戦闘が控えてる日は、夜はなしにするよう約束させよう。
下半身の違和感が酷すぎる。
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