【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

本編

夫婦喧嘩

旧姓のまま騎士団の仕事をしている、うちの奥さんが帰ってきた。

なんか複数の、ドタバタした足音が聞こえる。

バン!と勢いよく私の執務室が開かれ、そこには顔を真っ赤にしてなぜか怒ってるクリスと、戸惑う家令、クリスの部下のハデスとミカエルがいた。

「俺を騙したな!」

「なんのことだ?」

「新婚でも、普通毎日しないんだって聞いたぞ!」

あ～。

「よそはよそ。クリスには月のものは来ないんだし…

「ケダモノ!!!」

ポットが沸騰しているみたいだ。

「おまえは気持ちいいだけかもしれないけど、俺は辛いんだぞ!　せめて週３くらいで約束してくれるまで、家には帰らないから!」

クリスは怒って家を出てしまった。


ハデスとミカエルが冷たい目で私を見ている。

「仕方ないじゃないか!　クリスだぞ!
好きな相手が共寝していて、我慢なんかできないだろう?!」

バチーンと良い音がして、ミカエルに殴られた。

「うちのハデスだって頑丈だけど、そんなにしたらもたないわよ!　クリスが素直なのを良いことに好き勝手してたら、いつか壊れるわよ!騎士団の仕事も公爵夫人の仕事もしてるのよ!あの子は、人に頼るとか、手を抜くのが苦手なの!」

突き飛ばされて、襟をグイッと掴まれた。

「こっちは学生時代から守ってきたんだよ!　幸せにしないと許さない！
受け手の負担くらい考えて、我慢くらいしろよ!それが夫の努めだろうが!」