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本編
しっかりしろ!
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アイスはまだ帰ってこない。
意識を取り戻した従者の話によれば、何者かに襲われて、どこかへ連れて行かれたらしい。
ハデスが犬を連れて捜索してくれた。
けど、アイスの匂いは追えなかった。
「クリスさま…。少しはお休み下さい。お顔の色がすぐれません。一睡もしてないのでは。」
騎士団の制服に袖を通していると、家令が入ってきた。
そういう彼も、酷い顔だ。
「領地の仕事は終わらせたから、しばらくは大丈夫だと思う。必ず、アイスを連れて帰るから…。」
今、俺の部隊が情報戦をしているから。大丈夫、大丈夫…。
自分に言い聞かせる。
バン!!
「クリス!!」
「お兄さま!?」
いきなり飛び込んだ兄に、きつく抱きしめられた。
「休んでないんだろう? また痩せたんじゃないか? しっかりしろ、クリス。」
「俺はしっかりしてる!」
「こういう時だから、無理にでも休め! 食え! お前がそんなんじゃ、あいつを助けられないぞ!」
「お兄さま……。」
「あいつは俺と、お前を幸せにすると約束した。何があっても、生きているはずだ! だから……」
なんでお兄さまの方が泣いているんだよ。
ありがとう。
お兄さま。
「クリス!!」
今度はハデスだ。
「公爵の居場所が分かった。スノーフォレスト。王城の牢屋だ。攫ったのは女王だ。」
「ありがとう! 場所さえ分かれば!」
相手が相手だから、戦争になるかもしれない。
でも、必ずアイスは俺が助ける。
俺の夫に手を出したことを後悔させてやる。
意識を取り戻した従者の話によれば、何者かに襲われて、どこかへ連れて行かれたらしい。
ハデスが犬を連れて捜索してくれた。
けど、アイスの匂いは追えなかった。
「クリスさま…。少しはお休み下さい。お顔の色がすぐれません。一睡もしてないのでは。」
騎士団の制服に袖を通していると、家令が入ってきた。
そういう彼も、酷い顔だ。
「領地の仕事は終わらせたから、しばらくは大丈夫だと思う。必ず、アイスを連れて帰るから…。」
今、俺の部隊が情報戦をしているから。大丈夫、大丈夫…。
自分に言い聞かせる。
バン!!
「クリス!!」
「お兄さま!?」
いきなり飛び込んだ兄に、きつく抱きしめられた。
「休んでないんだろう? また痩せたんじゃないか? しっかりしろ、クリス。」
「俺はしっかりしてる!」
「こういう時だから、無理にでも休め! 食え! お前がそんなんじゃ、あいつを助けられないぞ!」
「お兄さま……。」
「あいつは俺と、お前を幸せにすると約束した。何があっても、生きているはずだ! だから……」
なんでお兄さまの方が泣いているんだよ。
ありがとう。
お兄さま。
「クリス!!」
今度はハデスだ。
「公爵の居場所が分かった。スノーフォレスト。王城の牢屋だ。攫ったのは女王だ。」
「ありがとう! 場所さえ分かれば!」
相手が相手だから、戦争になるかもしれない。
でも、必ずアイスは俺が助ける。
俺の夫に手を出したことを後悔させてやる。
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