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本編
おじいさま 中編
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フォルテ伯爵は、若い頃は辺境伯を兼任する程の武人だった。
戦いばかりで、子どもは娘ひとり。
家のことは、妻に任せっぱなし。
娘が13歳になった頃。
戦地から戻ると、妻が亡くなっていた。
いつも明るい娘が、あの時ばかりは沈んで。
辺境伯を返上し、伯爵領に戻った。
伯爵領は自分の死後は返上してもいいと思い、妻の分まで娘と関わりたいと思った。
だから、良縁のために苦手な社交も頑張った。
しかし、娘は―…。
「ハッピーハロウィン!」
屋敷中をカボチャと紫とオレンジ色で装飾し、今日はパーティー!
ご飯は、ハロウィンぽく、こわ~い感じでもよかったんだけど、食欲がなくなるので。
カボチャ祭りにした。
カボチャサラダ、カボチャのポタージュ、パンプキンチキンパイ、カボチャプリン!
そして、参加者は家族だけ!
俺のかわいい格好を他に見せたくないからとか、知らん!
かわいいのは、アリスでしょ!
「アリス~~~!もうっ、お母さまアリスが可愛すぎてほっぺたハムハムしたい!」
俺がほっぺたにすりすりすると、
「だぁう!」
と、ニコニコ笑ってくれた。
アリスはカボチャのお化け!
むくむくのカボチャパンツが、丸々しててキュート!
「クリス、抱っこさせて!抱っこさせて!!」
領地経営をしてるから、なかなかアリスに会えないお兄様が、アリスの魅力にメロメロになっている。
狼男の格好をしているから、アリスに獣耳を捕まえられた。
「お兄さまずるい!私にも!!」
「ケイト、持ち方危ないわ!気を付けて!!こんなんじゃ、将来結婚したら怖いわよ!」
お母さまが慌てている。
ケイトは、ようやく来春、婚約できるらしい。
お相手も、無派閥だし、実直な家系で、もし俺の正体が明るみになっても、問題ないんだって。
結婚できないんじゃないかって一時期不安だったから、いい人が見つかって、本当に良かった。
因みに、ケイトは妖精さん。お母さまは魔女。お父様は天使。
俺もカッコいい格好の方がよかったけど、アイスの希望で猫耳メイドになった。
そして、アイスは…。
「クリス、頼んでいた道化師が来たよ。さあ、みんな集まって。」
すっと近寄って、腰を抱く。
俺のカッコいい旦那様。
ドラキュラ伯爵かぁ。似合うなあ。
道化師は一礼すると、カバンから曲がった剣を数本取り出して、足で蹴ったりしながら、くるくるとお手玉しはじめた。
すごーい!
アリスもお目目をキラキラさせて、大喜びだ。
次に、ろうそくを取り出して、火をつけると、遠くから剣撃の風圧で火を消して見せた。
おおーーーー!
取り出した野菜を放り投げて、体を回転させて、皿の上に斬って乗せたり。
この人すごいなぁ。
みんな、喜んでみてたけど、なぜか、お母さまの表情が暗い。
「お父様、何をしにいらっしゃったのですか。道化師に化けてまで。」
突然のコルネットお母さまの発言で、アリス以外全員が固まった。
どういうこと…?
「コルネット…。」
道化師が、帽子をとって、道化の化粧をぬぐう。
アメジストの瞳の老人。
「私こそ、聞きたい。クリス、お前が公爵夫人だったのだな。だが、男では子は産めないはずだ。
一体どういうことか、聞かせてほしい。」
戦いばかりで、子どもは娘ひとり。
家のことは、妻に任せっぱなし。
娘が13歳になった頃。
戦地から戻ると、妻が亡くなっていた。
いつも明るい娘が、あの時ばかりは沈んで。
辺境伯を返上し、伯爵領に戻った。
伯爵領は自分の死後は返上してもいいと思い、妻の分まで娘と関わりたいと思った。
だから、良縁のために苦手な社交も頑張った。
しかし、娘は―…。
「ハッピーハロウィン!」
屋敷中をカボチャと紫とオレンジ色で装飾し、今日はパーティー!
ご飯は、ハロウィンぽく、こわ~い感じでもよかったんだけど、食欲がなくなるので。
カボチャ祭りにした。
カボチャサラダ、カボチャのポタージュ、パンプキンチキンパイ、カボチャプリン!
そして、参加者は家族だけ!
俺のかわいい格好を他に見せたくないからとか、知らん!
かわいいのは、アリスでしょ!
「アリス~~~!もうっ、お母さまアリスが可愛すぎてほっぺたハムハムしたい!」
俺がほっぺたにすりすりすると、
「だぁう!」
と、ニコニコ笑ってくれた。
アリスはカボチャのお化け!
むくむくのカボチャパンツが、丸々しててキュート!
「クリス、抱っこさせて!抱っこさせて!!」
領地経営をしてるから、なかなかアリスに会えないお兄様が、アリスの魅力にメロメロになっている。
狼男の格好をしているから、アリスに獣耳を捕まえられた。
「お兄さまずるい!私にも!!」
「ケイト、持ち方危ないわ!気を付けて!!こんなんじゃ、将来結婚したら怖いわよ!」
お母さまが慌てている。
ケイトは、ようやく来春、婚約できるらしい。
お相手も、無派閥だし、実直な家系で、もし俺の正体が明るみになっても、問題ないんだって。
結婚できないんじゃないかって一時期不安だったから、いい人が見つかって、本当に良かった。
因みに、ケイトは妖精さん。お母さまは魔女。お父様は天使。
俺もカッコいい格好の方がよかったけど、アイスの希望で猫耳メイドになった。
そして、アイスは…。
「クリス、頼んでいた道化師が来たよ。さあ、みんな集まって。」
すっと近寄って、腰を抱く。
俺のカッコいい旦那様。
ドラキュラ伯爵かぁ。似合うなあ。
道化師は一礼すると、カバンから曲がった剣を数本取り出して、足で蹴ったりしながら、くるくるとお手玉しはじめた。
すごーい!
アリスもお目目をキラキラさせて、大喜びだ。
次に、ろうそくを取り出して、火をつけると、遠くから剣撃の風圧で火を消して見せた。
おおーーーー!
取り出した野菜を放り投げて、体を回転させて、皿の上に斬って乗せたり。
この人すごいなぁ。
みんな、喜んでみてたけど、なぜか、お母さまの表情が暗い。
「お父様、何をしにいらっしゃったのですか。道化師に化けてまで。」
突然のコルネットお母さまの発言で、アリス以外全員が固まった。
どういうこと…?
「コルネット…。」
道化師が、帽子をとって、道化の化粧をぬぐう。
アメジストの瞳の老人。
「私こそ、聞きたい。クリス、お前が公爵夫人だったのだな。だが、男では子は産めないはずだ。
一体どういうことか、聞かせてほしい。」
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