166 / 415
新章 溺愛編
魔蛸の群れ
しおりを挟む
駆けつけると、この国の王と王妃が戦っていた。
荒れ狂う海の中、王は大剣を握りしめ。
王妃は弓で応戦している。
しかし、相手は目視できるだけでも数十匹はおり、海の下ではどれだけの数が潜んでいるか見えなかった。
もしかして、この二人はずっとこうやって戦ってたのではないか。
遠回しに海遊びを諫めたり、思えば不審なことはあった。
「国王!俺も手伝います!!」
「公爵夫人…!客人に手伝わせるわけには…!!」
「いえ、俺、戦い足りないんです。お願いですから、戦わせてください!」
「…ありがとう!」
新しく調達した剣を抜いて、両手に持ち、小舟を足場にモンスターに向かって跳ぶ。
10匹ほど狩ったところで、将軍も参戦した。
「多いな…!」
疲労の色が見える国王夫妻を休ませて、将軍がぼやく。
「船の下、この下にうじゃうじゃいる。集まってきてる、キリがない状態だ。」
「ははは、こりゃあ食べ応えがある。」
長期戦になりそうだ。
「お父様!!!!!!」
鍾乳洞へ探検に行っていた子どもたちが帰ってくる。
ジュリエッタのおむつを替えたところで、あやしながらノンビリしていたが、ただならぬ気配だ。
「どうした?魔物が出たのか? さっきお母さまが…。」
「お母さまが援軍に行っている戦いは、このままでは終わりません。お父様も手伝ってください…!」
ただならぬ気配。
後ろの3人も真剣な面持ち。
「ーーーーーーー分かった。手伝おう。」
こういうときに碌に頼りにならないこの父が、役に立てるというのなら。
どれだけ戦ってたのだろう。
もうすぐ陽が沈む。
夜が迫ってくる。
このまま、闇夜の視界ではまずいぞ。
この大群が陸に近づいてしまう。
だが、もう体力も限界だ。
「はぁ、はぁっ。はあ、は。はっ…
産後でまだ回復しきってない。
けれど、それを言い訳にしたくはないのに。
かなりの数を肉塊にして、海の底に沈めたはずなのに、後から後から湧いてくる。
「………しまっ!!」
「公爵夫人!」
魔蛸のにゅるにゅるとした足のうちの1本が、体を締め付ける。
吸盤で押さえられ、ギュウギュウに締め付けられて、身動きがとれない。
「…はっ、い、いゃ…やめろっ…。」
嬲るようにパーカーの中に足が入れられ、パーカーのチャックが全開になる。
おっぱいを弄るように触れられ、授乳の間隔が開き、腫れた胸は痛みを感じた。
荒れ狂う海の中、王は大剣を握りしめ。
王妃は弓で応戦している。
しかし、相手は目視できるだけでも数十匹はおり、海の下ではどれだけの数が潜んでいるか見えなかった。
もしかして、この二人はずっとこうやって戦ってたのではないか。
遠回しに海遊びを諫めたり、思えば不審なことはあった。
「国王!俺も手伝います!!」
「公爵夫人…!客人に手伝わせるわけには…!!」
「いえ、俺、戦い足りないんです。お願いですから、戦わせてください!」
「…ありがとう!」
新しく調達した剣を抜いて、両手に持ち、小舟を足場にモンスターに向かって跳ぶ。
10匹ほど狩ったところで、将軍も参戦した。
「多いな…!」
疲労の色が見える国王夫妻を休ませて、将軍がぼやく。
「船の下、この下にうじゃうじゃいる。集まってきてる、キリがない状態だ。」
「ははは、こりゃあ食べ応えがある。」
長期戦になりそうだ。
「お父様!!!!!!」
鍾乳洞へ探検に行っていた子どもたちが帰ってくる。
ジュリエッタのおむつを替えたところで、あやしながらノンビリしていたが、ただならぬ気配だ。
「どうした?魔物が出たのか? さっきお母さまが…。」
「お母さまが援軍に行っている戦いは、このままでは終わりません。お父様も手伝ってください…!」
ただならぬ気配。
後ろの3人も真剣な面持ち。
「ーーーーーーー分かった。手伝おう。」
こういうときに碌に頼りにならないこの父が、役に立てるというのなら。
どれだけ戦ってたのだろう。
もうすぐ陽が沈む。
夜が迫ってくる。
このまま、闇夜の視界ではまずいぞ。
この大群が陸に近づいてしまう。
だが、もう体力も限界だ。
「はぁ、はぁっ。はあ、は。はっ…
産後でまだ回復しきってない。
けれど、それを言い訳にしたくはないのに。
かなりの数を肉塊にして、海の底に沈めたはずなのに、後から後から湧いてくる。
「………しまっ!!」
「公爵夫人!」
魔蛸のにゅるにゅるとした足のうちの1本が、体を締め付ける。
吸盤で押さえられ、ギュウギュウに締め付けられて、身動きがとれない。
「…はっ、い、いゃ…やめろっ…。」
嬲るようにパーカーの中に足が入れられ、パーカーのチャックが全開になる。
おっぱいを弄るように触れられ、授乳の間隔が開き、腫れた胸は痛みを感じた。
0
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる