189 / 415
新章 溺愛編
いつもみんなそういうんですよ?1
しおりを挟む
僕は砂糖を一つつまんで、水に落とし、溶けた砂糖水に紙を浸した。
うん、陽性反応。
砂糖だね。
「この砂糖を運んだのは誰?」
「私たちで運びました。でも、まさか毒が入っているお砂糖なんて…。」
3人の中で、一番年長の侍女が応える。
「持ってきたのは3人で持ってきたんでしょう?じゃあ、この台車に乗せた人は?」
「…まさか!侍女をお疑いなんですか?ひどい! 業者かもしれないですし、誰かが毒を混入したかもしれないじゃないですか!!!」
応えたのは、一番若い侍女。
「アリス君、お母さまが心配なのはわかるけど、近衛を呼びましたから、あとは…。」
マリー妃に諫められた。
ダメだ。
ダメなんだ。
「ここで逃がしたら、お母さまはいつまでも狙われます。それじゃダメなんです。近衛が来るというのなら、そうですね。城のキッチンや倉庫の砂糖の毒を調べてもらえますか?」
たぶん、反応は出ないと思いますけど。と続ける。
「この犯人はお母さまだけを狙っているんです。城のキッチンや倉庫の砂糖に毒を入れて、万一ほかの人が口にいれたら大変です。だから、あらかじめ自分で砂糖を準備して、あたかもキッチンからとってきたような顔をして台車に乗せたはずです。」
「アリス君、ちょっと想像膨らませすぎよ?」ミレニアが口をはさむ。
「では言いますけど、なぜお母さまがこの城で毒を盛られるんですか?お母さまは騎士団の副団長。この国になくてはならない人でしょう?団長ももうお年ですしね。そんなお母さまが毒を盛られるとしたら、理由はーーーー。」
はっと、お母さま以外の3人が顔を見合わせた。
「聞かれていたかもしれませんね。」
「なんのことか話は分からないが、俺のことを狙ったって言うんなら、気を付ければいいだけだから。もう今日は帰ろう?」
「あの日、傍に控えていた侍女はこの中にいますか。」
「アイリスーーーーーーーーー。」王妃がその人の名前を口に出した瞬間。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
一番若い侍女、アイリス=クリムゾンは、叫びながら果物ナイフをむき出して、お母さまに向かっていった。
うん、陽性反応。
砂糖だね。
「この砂糖を運んだのは誰?」
「私たちで運びました。でも、まさか毒が入っているお砂糖なんて…。」
3人の中で、一番年長の侍女が応える。
「持ってきたのは3人で持ってきたんでしょう?じゃあ、この台車に乗せた人は?」
「…まさか!侍女をお疑いなんですか?ひどい! 業者かもしれないですし、誰かが毒を混入したかもしれないじゃないですか!!!」
応えたのは、一番若い侍女。
「アリス君、お母さまが心配なのはわかるけど、近衛を呼びましたから、あとは…。」
マリー妃に諫められた。
ダメだ。
ダメなんだ。
「ここで逃がしたら、お母さまはいつまでも狙われます。それじゃダメなんです。近衛が来るというのなら、そうですね。城のキッチンや倉庫の砂糖の毒を調べてもらえますか?」
たぶん、反応は出ないと思いますけど。と続ける。
「この犯人はお母さまだけを狙っているんです。城のキッチンや倉庫の砂糖に毒を入れて、万一ほかの人が口にいれたら大変です。だから、あらかじめ自分で砂糖を準備して、あたかもキッチンからとってきたような顔をして台車に乗せたはずです。」
「アリス君、ちょっと想像膨らませすぎよ?」ミレニアが口をはさむ。
「では言いますけど、なぜお母さまがこの城で毒を盛られるんですか?お母さまは騎士団の副団長。この国になくてはならない人でしょう?団長ももうお年ですしね。そんなお母さまが毒を盛られるとしたら、理由はーーーー。」
はっと、お母さま以外の3人が顔を見合わせた。
「聞かれていたかもしれませんね。」
「なんのことか話は分からないが、俺のことを狙ったって言うんなら、気を付ければいいだけだから。もう今日は帰ろう?」
「あの日、傍に控えていた侍女はこの中にいますか。」
「アイリスーーーーーーーーー。」王妃がその人の名前を口に出した瞬間。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
一番若い侍女、アイリス=クリムゾンは、叫びながら果物ナイフをむき出して、お母さまに向かっていった。
0
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる