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新章 溺愛編
弟だよ
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「おかあたま、このこなあに?ちっさい。」
ベッドルームに、ジュリエッタがとびこんできて、俺の傍らの赤ちゃんを覗き込む。
侍女がジュリエッタを連れて行こうとしたけど、止めて。
俺はジュリエッタに話しかけた。
「ジュリエッタの弟だよ。」
「えったのおかあたまなのに、ずるい。」
お口がぷうっと膨らんでる。
そうだよな、まだ2歳にもなってないんだもの。
まだまだお母さまを独り占めしたい年頃だもんな。
「ジュリエッタもこんなだったんだよ。お兄様もね。赤ちゃんのうちは、小さくて弱いから、1番守らないといけないんだ。でもね。」
俺は、ジュリエッタをベッドに上げ、膝に乗せて、抱きしめる。
「お母様はジュリエッタも、アリスも、アヴニールも、みんなおんなじ位大切な宝物だよ。」
今はまだ1番小さいから、皆で守ってあげようね。
そういうと、ジュリエッタはアヴニールの頭をよしよししてくれた。
「一緒にころころしようか。」
そう言って、3人でベッドに寝転んで。
丁度、ジュリエッタがアヴニールと一緒にすやすや寝始めたころ、アイスとアリスが帰ってきた。
二人とも帰るなり、神妙な顔で無言なんだけど。
絶対、何か大事なこと、俺に言おうかどうしようか迷ってる!
「二人とも、陛下からのお話、なんだったの? 言っておくけど、言わないんだったら自分で調べるんだから、早く言いなさい。」
「なるほど、闇の商人ね。確かになんかそんな感じなの、いろんな国にいたなぁ。あいつらさぁ、フツーに商人でもあるからさぁ。うまいことシッポ出さないし、手が出しにくいんだよね。すぐ、ほかの国逃げちゃうし。」
どことなく、お母さまが楽しそうなのは何故だろう。
やっぱり、お母さまは騎士団の仕事が好きなんだろうなあ。
「それで、陛下は誰が狙われるか分からないからと。みんな、気を付けた方がいいらしい。」
「ロメオ王子は何か見えないのかな?」
「連絡とってみたけど、何も分からないって。未来視は見ようと思って見えるものじゃないから。」
「ふうん。でも俺、闇の商人たちが何かを起こそうとするなら、いきなり国と国との戦争とかじゃなくて、内紛だと思うな。だって、考えてみて?今、国と国は割とみんないい関係じゃないか。ここで、誰かが仲たがいをさせようとしたところで、あの陛下なら、彼らの動きは既に他国にも情報入れてるんだろうし、戦争までは発展しないと思う。」
「さすがお母さまですね。」
「ベッドの住人だけど、副団長なんだぞ? だから言ったんだ。俺に情報はよこせ?」
「クリス、内紛だとしたらどこだと思う?」
「俺がやつらならーーーーーーーーーーーサウス王国を狙う。」
宗教国で、しきたりで王族から排斥される人間が多すぎる。
将軍みたいに、受け入れている人も多いだろうけど、ああいうのは、絶対、何人か燻った思いを持っているヤツはいるさ。
ベッドルームに、ジュリエッタがとびこんできて、俺の傍らの赤ちゃんを覗き込む。
侍女がジュリエッタを連れて行こうとしたけど、止めて。
俺はジュリエッタに話しかけた。
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「えったのおかあたまなのに、ずるい。」
お口がぷうっと膨らんでる。
そうだよな、まだ2歳にもなってないんだもの。
まだまだお母さまを独り占めしたい年頃だもんな。
「ジュリエッタもこんなだったんだよ。お兄様もね。赤ちゃんのうちは、小さくて弱いから、1番守らないといけないんだ。でもね。」
俺は、ジュリエッタをベッドに上げ、膝に乗せて、抱きしめる。
「お母様はジュリエッタも、アリスも、アヴニールも、みんなおんなじ位大切な宝物だよ。」
今はまだ1番小さいから、皆で守ってあげようね。
そういうと、ジュリエッタはアヴニールの頭をよしよししてくれた。
「一緒にころころしようか。」
そう言って、3人でベッドに寝転んで。
丁度、ジュリエッタがアヴニールと一緒にすやすや寝始めたころ、アイスとアリスが帰ってきた。
二人とも帰るなり、神妙な顔で無言なんだけど。
絶対、何か大事なこと、俺に言おうかどうしようか迷ってる!
「二人とも、陛下からのお話、なんだったの? 言っておくけど、言わないんだったら自分で調べるんだから、早く言いなさい。」
「なるほど、闇の商人ね。確かになんかそんな感じなの、いろんな国にいたなぁ。あいつらさぁ、フツーに商人でもあるからさぁ。うまいことシッポ出さないし、手が出しにくいんだよね。すぐ、ほかの国逃げちゃうし。」
どことなく、お母さまが楽しそうなのは何故だろう。
やっぱり、お母さまは騎士団の仕事が好きなんだろうなあ。
「それで、陛下は誰が狙われるか分からないからと。みんな、気を付けた方がいいらしい。」
「ロメオ王子は何か見えないのかな?」
「連絡とってみたけど、何も分からないって。未来視は見ようと思って見えるものじゃないから。」
「ふうん。でも俺、闇の商人たちが何かを起こそうとするなら、いきなり国と国との戦争とかじゃなくて、内紛だと思うな。だって、考えてみて?今、国と国は割とみんないい関係じゃないか。ここで、誰かが仲たがいをさせようとしたところで、あの陛下なら、彼らの動きは既に他国にも情報入れてるんだろうし、戦争までは発展しないと思う。」
「さすがお母さまですね。」
「ベッドの住人だけど、副団長なんだぞ? だから言ったんだ。俺に情報はよこせ?」
「クリス、内紛だとしたらどこだと思う?」
「俺がやつらならーーーーーーーーーーーサウス王国を狙う。」
宗教国で、しきたりで王族から排斥される人間が多すぎる。
将軍みたいに、受け入れている人も多いだろうけど、ああいうのは、絶対、何人か燻った思いを持っているヤツはいるさ。
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