【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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新章(アリスの結婚編)

そのころのアヴニール

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お兄様はいっちゃったし、つまんないなぁ。


「お母さま、剣の相手してください!」


「いいよ、でも、俺は剣1本でいくからね。」

早く、俺に2本使わせてご覧?



「たあああああああああ!」


二本の剣を持って、お母さまに向かっていく。

お母さまは少ない動作で俺の剣を受けて、さばく。


1本目の攻撃を剣で受け、2本目は体を回転してかわすのだ。



1時間たっても、お母さまに1本入れることができなかった。


「アヴニールは、まだ動きが荒いね。大振りすぎる。動くとき、ちゃんと考えなきゃ。」


そんなんじゃ、まだまだ本気の現場は任せられないな?



「お母さまは戦う時、何を考えてるんですか?」


「俺は、パワーがないから剣を増やして、遠心力や重力つけて威力を上げてる。身軽さと動体視力の良さを活かしてね。防御を捨てて回避に頼っているから、できれば一撃で急所はつきたいし、ダメージをうけないようにしなければならない。だから、常に集中して周りを見ているよ。一撃を与えたら、次のことを考えてる。次の足場、動き方。先の先を読む感じかな。」


なかなか難しいことだけど、そのうちできるようになるよ。



いい子いい子していると、キャッツアイが庭に現れた。


「火薬の件はどうなったのかな?」


「例の映画館の爆弾魔ーーーーー隣の劇場のオーナーですが、路地裏で妖しい男から大量の火薬と、爆弾のレシピを買ったのだそうです。火薬は、ジャホンから入手されたものでした。」

「火薬が輸出品になるのか。一見物騒だけど、火薬自体はいろいろ使い道あるしな。一概にジャホンが悪いとはいえないな。」


「俺もそう思います。ピーターもそれで、アリス様をジャホンに向かわせたのだと。」


「悪意がないことを確認しないとな。問題はそれを悪いように使うやつらだ。」


「できれば火薬が輸出されないようにするのが一番なんですけどね。…それで、アヴニール。どうして団長の後ろに隠れているんだ。」



「…だって、キャッツアイせんぱいカッコいいからドキドキする…。」


「可愛い顔を見せてくれないと、お土産のお弁当を一緒に食べられないんだけど。



「おべんとう!!」



そういうと、アヴニールは飛び出した。


全くもう。





…アリスは今頃、どうしているだろうか。
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