【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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アヴニール編【学園編】

ヘンゼルとラメール王子

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「ああぁぁあ!!!!」

執務室でがんがんがん!と机に頭を打ち付けているキャッツアイを見て、ミカエルは不安になった。



「・・・・・・・どうしたの?ついにおかしくなったの?」



「早速アヴニールに悪い虫が!」


「あなたねぇ、公爵とクリスみて分かるでしょう?あんまり拘束しすぎてもよくないわよ。年々、公爵に似てきてるわよ、そういうとこ。(公爵と違って抜かりはないけど)」


「ミカエル団長!まだ匙加減がわかりませんっ!」


ということで、1週間でいいので、休暇をください。



「あと私からアドバイスさせてもらうと、あなたルージュ王女からもらった禁書を読みすぎよ。妄想膨らんで止まらなくなるからやめなさい。もっというと、あれの活用は夜のおともだけにしときなさい。あと3年待たないといけないんだから。」


「い、いやです!あれも情報収集のいっか…


「いつのまにそんな重度の腐男子に…。」



「団長。」


そこへ、戸をノックして副団長のハデスが入ってくる。

夫婦でやりにくくないのかと思うが、昔からのことなので、うまく切り替えられているらしい。



「そろそろアッシュフォード家に行く時間が。」

「ありがとう、ハデス。じゃあ二人有給申請出したから、いきましょ♡」


「えっ、ちょっと。仕事は。


「急ぎは終わらせてるから大丈夫よ~。じゃあねぇ~。あっ、そうだ!あの子のデビュタントがもうすぐだから、あれこれ考えているなら、そっちを考えてあげなさいよ!?」




二人はいそいそと出かけてしまった。

アッシュフォード家で何があるというのだろう。









アッシュフォード家では、19歳になったヘンゼルが、おしかけ嫁のラメール王子と並んで待っていた。

嫁と言っても嫁(予定)なのだが。



「それでぇ?私たちにお話ってなあに?」


「あ、あの…実は僕… マリッジブルーなんです!!!!!!」


ラメール王子は、ヘンゼルの腕をとったまま、笑っているが目が笑っていない。

「王子のことは嫌いじゃありません。たぶん、僕が嫁なら喜んで受け入れていると思います。でも、逆なんです…。逆なんですぅぅ…。」


「ミカエルさま、ハデスさま。ヘンゼルは閨が不安なのです。」

「男同士って具体的にどうやってするんですかあ?王子を相手に僕が入れる側なんて想像できないんです!大人になって、少しは鍛えられたら、自信が持てると思ってたんですが…!」


「しょーがないわねぇ。いいかしら?好きになるって理屈じゃないのよ。好きになれば、相手がおデブちゃんだろうがお禿ちゃんだろうが、愛せるものよ?それが筋肉嫁だったってだけじゃない。」


ヘンゼルは真面目ねぇ。


「ヘンゼルさまのために後ろの開発を頑張ったので、我ながら抱き心地はだいぶよくなってると思うのですが。僕としては、早くいれていただいて、この熟れた体を試していただきたいです。陥落させる自信はあります。」


あなたも斜め上の方向性でまじめねぇ。



そうだわ。


「あなたによく効く特効薬があります。今からそのスペシャリストを招聘しましょう。」


「ミカエルさま!!!!」


ありがたや!


ーーーーーーーそうねえ、こっちには必要だわ。

美少年攻め筋肉受けの禁書持参で、ルージュ様に来ていただきましょう。
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