【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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アヴニール編【学園編】

学園の人気者

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あーん。ぱくっ。もぐもぐ。


学園のテラスで、お弁当をもぐもぐ食べている幸せそうなアヴニールを見かけて、俺は声をかけた。



「よう、アヴ。そこ一緒に座っていいか?」



「いいよー。」



教室の席も隣だし、どうやら俺は友達認定されたようだ。


アヴニールのお弁当は、色とりどりだし、野菜も入っていて栄養バランスばっちりでおいしそうだ。


「お前んちのシェフ、腕がいいなぁ。」


「シェフじゃないよ?」


「じゃあまさかお母さまが?」


「お母さまは料理だけは苦手だからしないよ。」


「自分で作ったのか?」


「婚約者のキャッツアイ先輩が作ってくれたの!10歳の時から先輩がお昼は作ってくれるんだぁ。」


うへえ、そんな子どもの頃からか…。



ふと見ると、遠巻きにアヴニールを見守る影がちらほらと。



まあ、可愛いよなぁ。遠目で愛でる分には可愛いもんな。



でも、俺は気づいている。




クライス先生とその仲間たちがこっちを見ていることに。




「すみませぇん。」


すると、どっかで遊んでいたのか、ボールが足元に転がってきて、女生徒が駆けてきた。

アヴニールは口に食べ物が入っているので、俺が立ち上がって、女生徒に渡してやる。




「見てるからな。アヴニールは俺の婚約者だ。分かってるよな?」

ボールを渡した瞬間、耳元で低い男の声で。




はあ?




女生徒は、意味ありげな顔をして、ボールを持って帰っていった。





「なあ、アヴ。お前の婚約者って、変装の名人とか。だったりする?」




「そうだよ。」

なんでそんなこと今聞くんだろう?と首を傾げている。






こえええ…。
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