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アヴニール編【学園編】
ずっと前の話1
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「父さんのバカっ!母さんもなんで止めないんだ!!」
18になったその日、僕は店の帳簿をつけて、気づいてしまった。
うちの店はつぶれる寸前だった。
なんでこんなに借金が膨らむまで…。
「明らかに仕入れのせいだよね?いつもいつも割高の微妙なまがい物ばかりつかまされて!うちは雑貨屋なんだから、宝石とか本格的なアクセサリーを置く必要ないってあれほど言ったよね?」
「…だって、いいものだって言うし、安くするって。売れなくて困ってるって言うから…。」
「馬鹿なの!?」
「兄さん、そのくらいに。もう終わったことは仕方ないよ、みんなで考えよう。」
2歳下の弟が止めたとき。
あいつらが現れた。
「お兄ちゃん、お客さんが…。」
4歳下の妹がぶるぶる震えながら。そのあとについてくるようにして、明らかに裏社会の人間たちが3名、入って来た。
「カロンさん! 借金、返してくれませんかねええ?3千万ゼニ―、早く返していただかないと、利子が膨らみますよお!?」
「そんなっ、そんなお金。この店を売っても…!」
彼らは、俺や弟、妹たちを交互に眺めて、そろばんをはじいた。
「こんなに可愛らしいお子さんが8人もいるじゃないですか。全員、売り飛ばしてしまえばすぐに返せますよ?」
弟や、妹たちにそんなことはさせられない。
まだ、10にも満たない子どももいるのに。
「…待ってください! 何でもやります。売るのは、僕だけにしてください…!僕は成人しているし、帳簿もつけられるし事務仕事もできます。苦手だけど、重労働でも頑張りますから…!」
「そんな仕事ではたいして稼げないんだよ、ぼっちゃん。」
「…ぐっ!」
男に掴まれて、顔をあげられた。
「地味だが、庇護欲を掻き立てる可愛い顔をしているな。年齢詐称して未成年という設定でもよさそうだ。」
「…!?」
「お前みたいなのに突っ込みたいって男は多いんだよ。なんでもするなら、カラダを売ってもらおうか。お前なら、頑張ればすぐ返せるだろうさ。返し終わるまでには常に男が欲しくて体が疼くような淫乱になってるだろうがな。」
知り合いにちょうど、アダルトビデオの商売を始めたやつがいる。
俺は優しいから、AV女優で許してやるよ。
娼婦落ちは許してやる。
娼婦とAV女優の何が違うんだろうと思ったけど、その日のうちにスタジオに連れていかれた。
「…あぁっ!」
乱暴にスタジオのベッドに放り投げられる。
連れてきた金貸しが上着を脱いだ。
足元の方では、カメラが回っている。
「キティちゃん16歳でーす。親が借金作ったので、返済のためにAV女優になりました。今から処女喪失でーす。」
男が勝手にナレーションを入れた。
16歳ってなんだよ!
男がベッドにあがってきて、僕を掴む。
「…ひっ。」
こわばる体。パンッと頬を叩かれた。
「お前さあ、立場分かってる? さっさと脱いで足拓けよ。」
…もう覚悟を決めるしかない。
お金のため。弟妹を守るため。
震える指で服を脱ぎ、その様子をカメラで撮影された。
もしかしたら、少し泣いてたかもしれない。
なんとか足を開いて、碌に慣らされもせず、突っ込まれた。
「………あぁああああ、っ。」
「これから、たくさん男咥えないといけないんだから、しっかり教え込んでやるよ!」
切れた血を見て、男は、破瓜のようだと喜んだ。
中に出されて。
ふらふらで家に帰ろうとして、泣けてきて。平気な顔を作らなければ、弟妹を気に病ませてしまうから。
近くの井戸の隅っこで泣いてから帰宅した。
僕のビデオは嗜虐心がくすぐられてとても評判がよかったようで、1作につきもらえるお金が思ったより多くてありがたかった。
借金返済をして、そのうえで店をなんとかするための資金と、僕のためのお金がほしかった。
こんな汚れた体の僕は、早くあの家から出なければ、弟妹がなんて言われるだろう。
もう、自分の体なのに、どうでもよくなっていった。
いっぱい稼いで、早く返済を終わらせることを考えて、どんどん過激な撮影をこなしていった。
18になったその日、僕は店の帳簿をつけて、気づいてしまった。
うちの店はつぶれる寸前だった。
なんでこんなに借金が膨らむまで…。
「明らかに仕入れのせいだよね?いつもいつも割高の微妙なまがい物ばかりつかまされて!うちは雑貨屋なんだから、宝石とか本格的なアクセサリーを置く必要ないってあれほど言ったよね?」
「…だって、いいものだって言うし、安くするって。売れなくて困ってるって言うから…。」
「馬鹿なの!?」
「兄さん、そのくらいに。もう終わったことは仕方ないよ、みんなで考えよう。」
2歳下の弟が止めたとき。
あいつらが現れた。
「お兄ちゃん、お客さんが…。」
4歳下の妹がぶるぶる震えながら。そのあとについてくるようにして、明らかに裏社会の人間たちが3名、入って来た。
「カロンさん! 借金、返してくれませんかねええ?3千万ゼニ―、早く返していただかないと、利子が膨らみますよお!?」
「そんなっ、そんなお金。この店を売っても…!」
彼らは、俺や弟、妹たちを交互に眺めて、そろばんをはじいた。
「こんなに可愛らしいお子さんが8人もいるじゃないですか。全員、売り飛ばしてしまえばすぐに返せますよ?」
弟や、妹たちにそんなことはさせられない。
まだ、10にも満たない子どももいるのに。
「…待ってください! 何でもやります。売るのは、僕だけにしてください…!僕は成人しているし、帳簿もつけられるし事務仕事もできます。苦手だけど、重労働でも頑張りますから…!」
「そんな仕事ではたいして稼げないんだよ、ぼっちゃん。」
「…ぐっ!」
男に掴まれて、顔をあげられた。
「地味だが、庇護欲を掻き立てる可愛い顔をしているな。年齢詐称して未成年という設定でもよさそうだ。」
「…!?」
「お前みたいなのに突っ込みたいって男は多いんだよ。なんでもするなら、カラダを売ってもらおうか。お前なら、頑張ればすぐ返せるだろうさ。返し終わるまでには常に男が欲しくて体が疼くような淫乱になってるだろうがな。」
知り合いにちょうど、アダルトビデオの商売を始めたやつがいる。
俺は優しいから、AV女優で許してやるよ。
娼婦落ちは許してやる。
娼婦とAV女優の何が違うんだろうと思ったけど、その日のうちにスタジオに連れていかれた。
「…あぁっ!」
乱暴にスタジオのベッドに放り投げられる。
連れてきた金貸しが上着を脱いだ。
足元の方では、カメラが回っている。
「キティちゃん16歳でーす。親が借金作ったので、返済のためにAV女優になりました。今から処女喪失でーす。」
男が勝手にナレーションを入れた。
16歳ってなんだよ!
男がベッドにあがってきて、僕を掴む。
「…ひっ。」
こわばる体。パンッと頬を叩かれた。
「お前さあ、立場分かってる? さっさと脱いで足拓けよ。」
…もう覚悟を決めるしかない。
お金のため。弟妹を守るため。
震える指で服を脱ぎ、その様子をカメラで撮影された。
もしかしたら、少し泣いてたかもしれない。
なんとか足を開いて、碌に慣らされもせず、突っ込まれた。
「………あぁああああ、っ。」
「これから、たくさん男咥えないといけないんだから、しっかり教え込んでやるよ!」
切れた血を見て、男は、破瓜のようだと喜んだ。
中に出されて。
ふらふらで家に帰ろうとして、泣けてきて。平気な顔を作らなければ、弟妹を気に病ませてしまうから。
近くの井戸の隅っこで泣いてから帰宅した。
僕のビデオは嗜虐心がくすぐられてとても評判がよかったようで、1作につきもらえるお金が思ったより多くてありがたかった。
借金返済をして、そのうえで店をなんとかするための資金と、僕のためのお金がほしかった。
こんな汚れた体の僕は、早くあの家から出なければ、弟妹がなんて言われるだろう。
もう、自分の体なのに、どうでもよくなっていった。
いっぱい稼いで、早く返済を終わらせることを考えて、どんどん過激な撮影をこなしていった。
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