【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

アヴニール編【学園編】

拝命式とギルドの看板娘

新婚旅行から帰ったら、あっという間に拝命式の日がやってきた。

白い制服がカッコいい。


玉座には陛下がいて、そばにはアリスお兄様が見守る。

お兄様は、いつ見ても凛々しい。



隣のキリアは超緊張してた。


いよいよ社会人になるんだなあ。







「キャットちゃん、悪いわね。」


「いえ、居候してますし。よ、嫁ですからっ。」


冒険者ギルドでは、新しい看板娘が姑を手伝って、料理をサーブしていた。


面倒見がいい先生は、お客さんをよくみて、お水を出したり、よく気がつく。


「本当たすかるわ。いいお嫁さんが来てくれたわあ。」


「そんな…。」


「かわいいし、気がつくし、キリアは果報者だよ。」

「金勘定も得意だしなあ。」

「姉さん女房は金のわらじを履いてでも探せってね。」


照れくさそうに走り出していく。

たぶん、お手洗いで顔を洗ってくるのだろう。


ギルドメンバーの皆も、キリアの両親も微笑ましく見ていた。



本当にどうしてあんないい子が。


あの子を選んだ息子を褒め称えたい。






「ああもう、恥ずかしい!　褒め殺しだよお!」


顔を洗う。

顔のほてりをどうにかしなくちゃ。



パシャパシャ。


顔をあげると、このへんで見ない男が、ガラスの中。
自分の背後に映っていた。


「ヒッ!」



異様な様子に悲鳴が出るが、飲み込んだ。


「すみません、お客さま。使いますよね、どうぞ。」


去ろうとして、ガッと腕を捕まえられた。



「キティちゃんだよね？」



「…やっ。」


男に力で引き寄せられる。


ああ、まただ。