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終章 魔王と勇者
あいつ、うざい。
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男なのに女でもあるってこれいかに。
保健室でちょっと休んで、その間に先生が下着とズボンを洗ってくれて、乾くのを待っている間。
体を冷やしたらいけないのだと言われ、下はパンイチな俺は、ベッドにもぐりこんでいた。
あぁ。いやだなぁ。
これから毎月、1週間くらいあるから気をつけろって言われた。
体のことは、お父さんお母さんにも伝えとくって。
他の人、特に学校の人には知られてはいけないよって。
男の子とふたりっきりになっちゃだめとか、
体育の着替えの時も気をつけなさいとか
男はみんな狼なのよみたいなことを教えられた。
えーそんなこと言われても。
今まで18年間、普通の男として生きてきたのに困る。
「栗栖くん、先生、県立総合病院に予約とったから。明日、学校お休みして検査してきなさいね。」
「えっ、バイトもあるんですけど…。」
「大丈夫よ、バイトの時間前には終わるから。こういうことは、ちゃんと調べてもらわなくちゃ。」
先生に押し切られる。
が、俺はまだ学生でよくこういう段取りとか分かってないから、やってくれてすごく助かる。
はぁ。
お腹痛いし、このまま今日は授業が終わるまでここにいよ。
生理ナプキンとパンツも買いに行かなきゃなあ。バイト先の一つはコンビニ。今日シフトだからちょうどいいや。自分で会計しちゃおう。店にも確か売ってたと思う。
受験生の俺は、ベッドの中で先生に持ってきてもらったカバンを開け、受験勉強を始めた。
俺は、塾には行っていないけど、成績は悪くない。
あんましお金かけたくないから、できれば国立に受かりたい。
学校が終わり、運転手に車をつけさせて、その人が出るのを待った。
なんだか、朝見た時より顔色が悪い。
体調が悪いのだろうか。
自転車に乗らずに、手で押している。
「栗栖くん!」
「うわっ!!」
ビックリした顔も可愛い。クリスだなぁ…。本当に再会できたんだ。
僕ちゃんと浮気してないよ。
だから結婚しよう。
「今日は助けてくれてありがとう、お礼にどこか食事でも…。」
「えっ、いや。ああいうことはしょっちゅうなんで。結構です。」
「僕のおごりです。」
「困ります。」
「お願いです、僕の気がすまないんです。あと、携帯電話の番号とラインを交換してください!」
栗栖の手を握って、訴える。
が、すぐに振りほどかれた。
「なんなんですか、しつこいですよ!気持ち悪いです。お礼の気持ちは受け取りますから。というか、バイトあるんで、どいてくれませんかね!急いでるんですけど!」
はっきりいって、うざいです。
そういわれて、ぴきーんと体が凍る気がした。
保健室でちょっと休んで、その間に先生が下着とズボンを洗ってくれて、乾くのを待っている間。
体を冷やしたらいけないのだと言われ、下はパンイチな俺は、ベッドにもぐりこんでいた。
あぁ。いやだなぁ。
これから毎月、1週間くらいあるから気をつけろって言われた。
体のことは、お父さんお母さんにも伝えとくって。
他の人、特に学校の人には知られてはいけないよって。
男の子とふたりっきりになっちゃだめとか、
体育の着替えの時も気をつけなさいとか
男はみんな狼なのよみたいなことを教えられた。
えーそんなこと言われても。
今まで18年間、普通の男として生きてきたのに困る。
「栗栖くん、先生、県立総合病院に予約とったから。明日、学校お休みして検査してきなさいね。」
「えっ、バイトもあるんですけど…。」
「大丈夫よ、バイトの時間前には終わるから。こういうことは、ちゃんと調べてもらわなくちゃ。」
先生に押し切られる。
が、俺はまだ学生でよくこういう段取りとか分かってないから、やってくれてすごく助かる。
はぁ。
お腹痛いし、このまま今日は授業が終わるまでここにいよ。
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「うわっ!!」
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「えっ、いや。ああいうことはしょっちゅうなんで。結構です。」
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「お願いです、僕の気がすまないんです。あと、携帯電話の番号とラインを交換してください!」
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が、すぐに振りほどかれた。
「なんなんですか、しつこいですよ!気持ち悪いです。お礼の気持ちは受け取りますから。というか、バイトあるんで、どいてくれませんかね!急いでるんですけど!」
はっきりいって、うざいです。
そういわれて、ぴきーんと体が凍る気がした。
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