361 / 415
終章 魔王と勇者
バイトリーダー
しおりを挟む
全くもう、なんなんだあいつ。
なんか口説かれてるような…。
いや、自意識過剰だな。
でもあいつ、どっかで会ったことがある気がするんだよなー。
うざいけど、でも、嫌いではない。
イケメンって得だなー。
きっとイケメンだから、奇行があっても嫌な気がしないんだろうな。
※ただしイケメンに…ってやつだ。
「栗栖、はいりまーす。」
バイト先のコンビニに着き、制服に着替えてバイトに入る。
レジに向かいながら、そっと目当ての品を手に取り、自分で会計してキャッシャーにお金をおき、そっと自分の私物入れにいれた。
よし、ゲット。
「お前、なにやってんの。」
ビクッ。
「…花村さん。」
俺が入ろうとしている、国立大学の3年生の花村樹先輩はバイトリーダー。
「あっ、これはその…。でも、ちゃんとお金入れて買ったので!」
「ふーん。まあ、後で会計チェックしてれば分かることだし、栗栖は信用できるけど。そういうことは疑われるものだから、今後は堂々と買いなよ。一体何をそんなにこそこそと…。」
「あ!!」
買った袋の中を見られる。
「生理用品…? お前、独り暮らしだろ。姉ちゃんとか妹もいないのに。カノジョでも連れ込んだのか?」
「ふぇっ!? そ、そう!!そうなんです!!」
良かったー、そっか。彼女のでぇす!って顔すればいいんだ!
俺は、気を取り直して、バイトに集中した。
俺のバイトは週3。
月金はコンビニ。火水はイベント会社のスタッフ。
がんばるぞ!
…でも、俺は気づいていなかった。後ろで先輩が意味ありげな笑みを浮かべていたことに。
本当に栗栖は素直で可愛いなぁ。
あんなにきょどっちゃったら、ちがうってバレバレじゃないか。
近づいたとき、生理特有の血の匂いがわずかに彼からした。
よくわからないが、彼には生理があるのだろう。
生理があるってことは、子宮や卵巣や膣があるということだ。
ふたなりなのかもしれないな。
ああ、油断させて彼の中に押し入ってしまったら、どんな顔をするだろう。
なんか口説かれてるような…。
いや、自意識過剰だな。
でもあいつ、どっかで会ったことがある気がするんだよなー。
うざいけど、でも、嫌いではない。
イケメンって得だなー。
きっとイケメンだから、奇行があっても嫌な気がしないんだろうな。
※ただしイケメンに…ってやつだ。
「栗栖、はいりまーす。」
バイト先のコンビニに着き、制服に着替えてバイトに入る。
レジに向かいながら、そっと目当ての品を手に取り、自分で会計してキャッシャーにお金をおき、そっと自分の私物入れにいれた。
よし、ゲット。
「お前、なにやってんの。」
ビクッ。
「…花村さん。」
俺が入ろうとしている、国立大学の3年生の花村樹先輩はバイトリーダー。
「あっ、これはその…。でも、ちゃんとお金入れて買ったので!」
「ふーん。まあ、後で会計チェックしてれば分かることだし、栗栖は信用できるけど。そういうことは疑われるものだから、今後は堂々と買いなよ。一体何をそんなにこそこそと…。」
「あ!!」
買った袋の中を見られる。
「生理用品…? お前、独り暮らしだろ。姉ちゃんとか妹もいないのに。カノジョでも連れ込んだのか?」
「ふぇっ!? そ、そう!!そうなんです!!」
良かったー、そっか。彼女のでぇす!って顔すればいいんだ!
俺は、気を取り直して、バイトに集中した。
俺のバイトは週3。
月金はコンビニ。火水はイベント会社のスタッフ。
がんばるぞ!
…でも、俺は気づいていなかった。後ろで先輩が意味ありげな笑みを浮かべていたことに。
本当に栗栖は素直で可愛いなぁ。
あんなにきょどっちゃったら、ちがうってバレバレじゃないか。
近づいたとき、生理特有の血の匂いがわずかに彼からした。
よくわからないが、彼には生理があるのだろう。
生理があるってことは、子宮や卵巣や膣があるということだ。
ふたなりなのかもしれないな。
ああ、油断させて彼の中に押し入ってしまったら、どんな顔をするだろう。
0
あなたにおすすめの小説
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
藤吉めぐみ
BL
【12/28に非公開にする予定です】
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる