【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

竜鳴躍

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終章 魔王と勇者

お嫁に行きます。

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緊張するう。

トントン拍子に結婚することになって、俺の実家に挨拶に行くことに。


新幹線に乗って、落ち着かない時間が過ぎる。

きっと実家では父さんたちも右往左往してるぞ。


母さんは慌ててお茶菓子とよそ行きの服を買いに、デパートまで行ったと思う。



まさか、お嫁さんにくださいを俺がやられるとは。

そういえば、前回もなかったもんなあ。



だんだん懐かしい景色に変わり、レンタカーに変えて、俺の実家が見えてきた。






「ようこそ、はるばるいらっしゃいました。こんな田舎ですみません。道も狭かったでしょう?」

「イエイエ、急にお願いしたのはこちらですから。」


うちの息子が待てないようで。

まだ卒業してはおりませんが、結婚を許して頂きたく。


「一生、幸せにします。まだまだ学生ですが、将来は父の跡を継いで、仕事も頑張ります。不自由はさせません!だから、僕に彼を下さい。」

「お父さん、お母さん。俺、結婚しても大学行って、将来は果樹園やるから。父さんのリンゴをもっと美味しくして、ブランドにする夢は変わってない。でも、生きていくのはこの人と一緒がいいの。」

一人っ子なのにごめんなさい。



「剣人を、この子を宜しくお願いします。」

「幸せになってね。」


お父さんお母さんは頭を下げた。


涙が出てきた。


「剣人、お前が幸せならいいんだよ。リンゴをブランドにしてくれたら、それだけで俺は嬉しい。果樹園なんか、畳んでもいいんだ。俺のリンゴの名前が残るだけで幸せさ。」


「お父さん、それでしたら。彼が品種改良に成功して、素晴らしい商品ができたら、私たちが売りましょう。果樹園を畳むなら、お二人には是非二人の新居に来ていただいて。こちらは生まれた家なんだから、その時は別荘にでも整備して。」

「いいですね!」



二人の父親は商売のことで盛り上がり始めた。

俺はアイスと外に追い出されて、庭を案内することに。



「リンゴの木。いっぱいあるな。」


「うちは少ない方だよ。品質重視でやっているから。あっちには川があるんだ。魚が釣れる。」


ねえ、見て。

この果樹園から見たうちを。


どこかで見たことない?


「あ…。天国で暮らしてたところに似てる。」

「俺も思い出して、だからこの家の子になったんだなぁって思ったんだ。」



ここを別荘にするときが来たら、二人で暮らしたあの場所のようにしようね。
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