【完結】元SS冒険者の部隊長は王族に陥落される

終章 魔王と勇者

種田家

「坊っちゃん達が攫われました!」

執事が駆け込んでくる。


「あいつが話していたとおりだな?　場所の特定は？」
種田社長は机の上で両手を組み、報告を聞いた。


「古山組です。」


「想定通りだ。」


「私たちを敵に回したことを後悔させてやりましょう。」
真梨恵専務も不敵に笑う。


「僕も友達のお父さんに根回ししといたよ。すぐにうちが掴んだ情報を流しとくね。」

杏は活発で、友達にも活発な子が多い。
警視総監の子ども、とか。

そして、友達の親にウケがいい。


スマホで警視総監に直接かける。


「僕は送信するデータの整理をするから、繋がったら教えて。」


インドア派の美人は、そういう作業が得意だ。


僕たちは、今度こそあの人の役に立つんだ。



「…間に合ってくれよ。」


社長は、祈る。


皆、同じ気持ちだ。