396 / 415
終章 魔王と勇者
聞かないで!
しおりを挟む
組長は、畳に転がる彼の夫を見て、笑いが止まらなかった。
「おや、あれは魔王ではないか。」
「…お前は。」
魔王が表出する。
「ルビー王国の、ギア陛下か。」
「如何にも。よりによって魔王と番うとは。いつから魔王に惚れていた?」
クックッと笑いが止まらない。
「―――たぶん、殺したその時からだ。」
クレッシェンドが表出する。
「惚れた瞬間に惚れた男を自分で手にかけたのか!ハハハッ!!」
愉快過ぎて笑いが止まらない。
「面白いことを教えてやろうか、魔王。お前を屠ったあと―――――
「やめろっ!!!」
剣の頭を上げさせ、顎から頬をゆっくり撫でながら、面白そうに。
「こいつは、私の愛妾になったのだ。」
発言の瞬間。
クレッシェンドは、体を震わせて、涙を流した。
聞かないで。
知られたくなかった。
「主の立場を利用して、手に入れたのか。」
魔王は、冷たい怒りに燃えていた。
「それの何が悪い? 国の全てはそもそも私のものだ。クレッシェンドも然り。15の頃から目をつけて、15年越しでやっとだ。達成感は清々しかったぞ。」
こいつに惚れていた部下も煽って、一緒に犯してやった。
抱かれなかった日はなかったのではないか?
「クレッシェンド。そういえば聞いてみたかったのだ。私のと、ケイシーの。どちらがヨかった?」
「…俺が、イイと思ったことなど!1度もない!! 俺が抱かれたいのは。抱かれたかったのは…」
「親父。いや、陛下。」
そこへ古山圭太が入ってくる。
「話はそのへんで。まずは、目隠しをとらないと。」
「おお、ケイシー。そうだな。」
とらないと、クレッシェンドの顔も見れない。
魔王に愛する妻が犯される様を見せることも。
目隠しをとったクレッシェンドは泣いている。
「せめて、剣もクリスも眠らせるから…。」
それは、傷は全部自分が負うという、覚悟。
「おや、あれは魔王ではないか。」
「…お前は。」
魔王が表出する。
「ルビー王国の、ギア陛下か。」
「如何にも。よりによって魔王と番うとは。いつから魔王に惚れていた?」
クックッと笑いが止まらない。
「―――たぶん、殺したその時からだ。」
クレッシェンドが表出する。
「惚れた瞬間に惚れた男を自分で手にかけたのか!ハハハッ!!」
愉快過ぎて笑いが止まらない。
「面白いことを教えてやろうか、魔王。お前を屠ったあと―――――
「やめろっ!!!」
剣の頭を上げさせ、顎から頬をゆっくり撫でながら、面白そうに。
「こいつは、私の愛妾になったのだ。」
発言の瞬間。
クレッシェンドは、体を震わせて、涙を流した。
聞かないで。
知られたくなかった。
「主の立場を利用して、手に入れたのか。」
魔王は、冷たい怒りに燃えていた。
「それの何が悪い? 国の全てはそもそも私のものだ。クレッシェンドも然り。15の頃から目をつけて、15年越しでやっとだ。達成感は清々しかったぞ。」
こいつに惚れていた部下も煽って、一緒に犯してやった。
抱かれなかった日はなかったのではないか?
「クレッシェンド。そういえば聞いてみたかったのだ。私のと、ケイシーの。どちらがヨかった?」
「…俺が、イイと思ったことなど!1度もない!! 俺が抱かれたいのは。抱かれたかったのは…」
「親父。いや、陛下。」
そこへ古山圭太が入ってくる。
「話はそのへんで。まずは、目隠しをとらないと。」
「おお、ケイシー。そうだな。」
とらないと、クレッシェンドの顔も見れない。
魔王に愛する妻が犯される様を見せることも。
目隠しをとったクレッシェンドは泣いている。
「せめて、剣もクリスも眠らせるから…。」
それは、傷は全部自分が負うという、覚悟。
0
あなたにおすすめの小説
BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。
佐倉海斗
BL
この世界が前世の世界で存在したBLゲームに酷似していることをレイド・アクロイドだけが知っている。レイドは主人公の恋を邪魔する敵役であり、通称悪役令息と呼ばれていた。そして破滅する運命にある。……運命のとおりに生きるつもりはなく、主人公や主人公の恋人候補を避けて学園生活を生き抜き、無事に卒業を迎えた。これで、自由な日々が手に入ると思っていたのに。突然、主人公に告白をされてしまう。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる