【完結】囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。

竜鳴躍

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トープは魔女に睨まれる。

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「……。あれ。わしはいつの間に……。」


玉座で微睡み、起きると、可愛い一人娘がこちらへ歩いてきた。


「お父様、おはようございます。」

可愛い私のラフレシアや。



「お、おおおおおオはヨウゴザイマス」


「!?ラ、ラフレシア?」

壊れたおもちゃのように関節がおかしな方向に曲がり、白目を向いて口をカタカタ言わせているラフレシアを抱く。

その体には…………体温がないっ?



「いかがなされましたか?王!」


「おお、バイオレット!」


バイオレットの登場に安堵したのもつかの間、バイオレットも一瞬で傀儡のようになった。


「なっ、なんだ!一体!何がどうした!何が起きてるというんだ!!!」



その瞬間、空間が歪み、ストロベリーブロンドで菫色の瞳の、この世の者とは思えない美しい男が現れる。



「ふふふふふふふふ。お前は、やってはいけないことをしたね。この僕を怒らせて…。お前の…大事な娘、部下。その何名かを僕の傀儡とすり替えたよ。」


さあ、お前の前に現れるその人は、本当に、その人かな?


僕の傀儡かも?



寝首をかかれたりしてねぇ?



味方の振りして近づいてくるから、気をつけてね?





男の白い指が、トープの顎肉をたぷたぷと弄んだ。






「…、ま、魔女っ。」


笑い声とともに、また、魔女は異空間に消えた。









「トープ王!!!!!!!!」


そこに、鼻水を垂らしたバイオレットが駆け込んできた。


「に、にげましょう、もう、おしまいだ、オシマイダオシマイダオシマイダ!」


「くっ、臭い!お前臭いぞ!さては、お前偽物だな!」


トープは剣を握り、錯乱しているバイオレットを倒した。


恐怖で振り返れないが、手ごたえはあった。



玉座から走り抜け、振り返ると、ぴくぴく動いてやがて動かなくなっていく。




そこへ、娘の影が動いた。


「お父様!」






ええい、娘の偽物め!




「きゃあああああああああああ!」


振りぬくと、娘の偽物は叫び声をあげて突っ伏す。


血糊まで使って、よくできた偽物だ。






王の部屋から出て、玉座を徘徊する。


こうなったら、偽物を全部ぶっ壊してやる!




「ひいいいいいい!トープ王が錯乱した!」


「おやめください!おやめください!」


逃げ惑う自分の重臣を容赦なく切り捨てていく。






「トープ王!」


そこに、現れたのは。



「リロンデル!お前、歩けないはずでは!」







「父、母、弟、妹……。そして犠牲になった者たちの仇!虐げられている国民のため、今、ここでお前を討つ!」


リロンデルの刃は、まっすぐ、トープの体を切り裂いた。




崩れ落ち、やがて死に行くトープに、とどめを刺す。

このために、あえて即死でないギリギリを狙った。




「お前が錯乱して切り捨てた者たちだがな…、全て『本物』だよ。お前はお前の重臣も、娘さえも、自分の手で殺したんだ。地獄で永遠に苦しむがいい。」



トープの目は見開き………。


血を吐いて無様に死んだ。
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